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【今日は国際デー『土壌の日』 12/5】

土壌に感謝し循環させる生活を

 
12/5は国連が定めた「世界土壌デー」です。土壌は農業の基礎であり、また必要不可欠な生態系サービスや、人間の安寧にとって大切な食料、燃料、繊維、医療用品の基礎も提供しています。そんな生命の母である土壌に感謝し、保護していくことを再認識する日です。(参考情報 国連広報センター

 

テラ・ルネッサンスの活動の一環として、カンボジアでの農業支援があります。化学肥料を使わず資源を循環させることで環境保全にも貢献できます。本日は「世界土壌デー」を記念して、実例を挙げながらカンボジアでの活動を振り返りたいと思います。

 

カンボジアのオフィスでは、野菜を育てたり、ココナッツ殻をミミズに食べてもらって良質な土を作ったり、コオロギや鶏を飼育したりといろいろなことに取り組んでいます。カンボジアでは野菜を使った美味しい料理がたくさんありますが、実はカンボジア産の野菜は3割ほどで、多くはベトナムやタイからの輸入品です。安価に手に入る一方、残留農薬の心配があり、実際に健康被害も出ています。(2018年7月26日ブログより)

土壌に感謝し循環させる生活を

↑事務所で育てている野菜や花

2019年8月に行ったワークショップで聞き込みをすると、参加者のほとんどが頭痛や喉の痛みなど、何かしらの症状を感じていました。しかしそれが農薬の影響だと認識している人はほとんどいませんでした。
 
対象地域では、換金作物であるキャッサバやトウモロコシの栽培をしてきた農民が多く、彼ら自身も農薬を使用していました。そのため、食べることでの健康被害だけでなく、農薬を直接浴びることでの被害も多くみられていたのです。農薬は効果がすぐに現れ、作物の収穫はうまくいくかもしれません。しかし、それによって体調を崩してしまい、治療費のお金がかかったり、土壌が農薬に汚染されてしまうリスクを考えると、長期的に見れば経済的とはいえません。
 
このワークショップで指導してくださったバッタンバン州農林水産局の農業専門家リィ・ヤン氏は、市販の除虫剤の代わりに、カンボジアに生えている草木を使い簡単に”青虫の卵を産む蝶”を捕まえられる方法を紹介していました。青虫を殺すよりも、多くの卵を産む蝶を捕まえてしまう方が効率的で、簡単に青虫の被害を減らせるからです。(2019年8月次レポートより)
  
テラルネの農業も農薬を使わない方法で訓練していて、鳥やアヒルの飼育もカンボジアの薬草を発酵させて造った薬を使っています。(2020年キャンペーンより)

↑ワークショップの様子(中央:リィ・ヤン氏)

最後にテラルネが運営しているモデルファームを紹介します。モデルファームのプロジェクトは、この農場で (1) 村の方が実際に野菜の栽培と家畜飼育を行い、実地訓練で技術を学ぶ (2) ここで育てた無農薬の野菜の販売を通じて収入を得る(収入が得られる、ということを知る) ことを通じ、伝統的な野菜栽培技術・家畜飼育技術を普及させ、各家庭の支出の削減や収入の向上を目指す取り組みです。(2018年10月次レポートより)
 
モデルファームを建設したロカブッス村の小学校前の広大な土地は、長い間使われていませんでした。やせ地であり、村人たちが作物の栽培に何度か挑戦しましたが栽培が難しく諦めてしまい、荒地になっていた場所でもあります。

↑初期のモデルファームの土地

そこで村人たちとの話し合いで、土地や家を持たない最貧困層の2世帯に土地を無料で貸し出し、モデル農家としてオーガニック野菜栽培や家畜の飼育などを実践してもらうモデルファームを建設することになりました。
 
一つ目の世帯のルートさんは、奥さんがおらず、年を取ったお母さんと子どもたちと生活しています。モデルファームの中に、家を建てるお金をサポートし、モデルファームでの野菜の栽培を開始してもらいました。2018年11月には空芯菜や葉物野菜を収穫できるようになり、同年12月にはローングビーンズを植えたり、アヒルの飼育、唐辛子の苗木150本の栽培も始めました。
 
もう1世帯のソックーンさんは、未亡人で旦那さんがおらず、一人で6人の子どもたちの面倒を見なければいけません。村人の土地で家を借りて住んでいましたが、一人で出稼ぎに行きながらモデルファームに通うことは非常に厳しく、2018年12月末にモデルファームの中に家を建てるサポートをしました。(2019年1月23日ブログより)
  
またソックーンさんの家には雨季に溜まったため池の水を利用するため、ソーラーパネルも設置しました。ソーラーパネルの電力を利用してため池からポンプで水を組み上げ、高低差を利用して家の水瓶やモデルファームに水を供給できるパイプも同時に敷設しました。牛糞とココナッツの殻を混ぜて養殖するミミズの糞を肥料にもしており、これは村にある資源を利用した畑の良質な肥料となっています。(2019年1月次レポートより)
 
今年度6月から茄子の苗木を準備し、上記のようなオーガニック肥料を混ぜて畑の準備をしました。8月には、1047本の苗木を植えて、実がなり始めるところまできました。

↑花がさき実がなり始めた茄子

非常に硬くて栄養分の少ない土壌でしたが、家畜銀行で貸し出している牛やヤギなどを飼育する農家から糞をもらってきて、完熟させてから有機肥料として土にまぜると土がかなり柔らかくなりました。
  
ほとんどの茄子は問題なく育っており、花が咲き始めました。村人たちが諦めていた土地ですが、オーガニックなやり方で復活させることが出来ました。
  
村の家畜銀行で家畜を飼育する人たちも増えてきたため、家畜用の飼料もカンボジアの薬草を混ぜて販売する計画も立てています。これまで、家畜の餌を自分で作るのが難しい人はタイの企業が販売する餌を購入していました。しかし、成長は早くなるとはいえ値段は高く、鶏の健康によくありませんでした。村で作ると安い上に自給自足のため村の中でお金が周ります。
  
そして村人たちが飼育する家畜の糞を完熟させて肥料とすると、畑が肥沃になって作物の栽培が出来るという好循環も生まれるのです。(2020年8月次レポートより)
  
このようにテラルネのカンボジアでの支援は”循環”をテーマに資源を無駄にせず自然を守りながら村人たちの自立をサポートしています。改めて土壌やもたらされる資源に感謝し、活動を続けていこうと思います。

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記事執筆/
啓発事業部 インターン
野田怜弥

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