認定NPO法人テラ・ルネッサンスの活動内容

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活動内容 活動内容

ラオス事業

2008年よりラオス国内シエンクアン県において、以下の統合プロジェクトを行っています。


[ 1 ] 不発弾撤去活動支援 ( 撤去後の土地を有効活用 )
[ 2 ] 中学校建設支援 ( 現在は中学校建設が完了したため、モニタリングを行っています )

 

 

目次

 


1.なぜラオスなの?

 

●世界でもっとも激しい爆撃を受けた国、ラオス

 シークレット・ウォー(秘密の戦争)

●世界一の爆撃を受けた国ラオス

 

 

 

ベトナム戦争中(1964-1973)、中立国であったラオスに、200万トンを越える世界一の量の爆弾が、秘密裏に米軍によって落とされた。

 

 

バレル・ロール作戦

 

特にラオス共産主義勢力パテート・ラオの本部があったサムヌアや北ベトナムの首都ハノイとラオス国内に建設された米軍の秘密基地ロンチェンとのちょうど中間に位置していたジャール平原のあるシエンクアン県を中心とした地域(バレル・ロール作戦)は、共産主義の拡大を阻止するために激しい空爆と地上戦が繰り広げられた。

 

 

スティール・タイガー作戦

 

また、北ベトナムの補給路であるホーチミン・ルートが通っていたラオス南東部からカンボジア東部にかけての地域(スティール・タイガー作戦)にも多くの爆撃が繰り返され、ラオス国内全体に58万回以上の爆撃が9年間8分ごとに1回の割合で繰り返されたことになる。

 

 

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「“ボンビー” 〜ラオスに落とされたクラスター爆弾」 

 

特に多く使われたクラスター爆弾は、2億7,000万個と世界一の量が落とされ、その30%以上が不発弾として残っていると言われる。ラオスの人々が“ボンビー”と呼ぶクラスター爆弾の子爆弾には、いくつかの形や種類がある。BLU-26は、ラオスで最も多く使用された子爆弾で、テニスボールほどの大きさのボール状の爆弾。爆撃機によって上空から数百個の子爆弾が入った親爆弾が落とされ、上空で容器である親爆弾が開き、子爆弾が広範囲にばらまかれる。子爆弾の表面には、落ちる際に空気抵抗によって回転するように凹凸がつけられており、一定の回転数に達すると起爆可能な状態になる。しかし、十分な高度がないと、一定の回転数に達せずに地上に落ちるため、多くが不安定な状態で不発弾として残ってしまう。起爆は、衝撃を受けると直ちに爆発、もしくは設定された一定の時間が経過すると爆発する。1個の子爆弾に埋め込まれた600個の金属球が飛び散り、広範囲の人々を殺傷させる。

 

 

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■ 爆撃被害 ー

ベトナム戦争中の1964年~1973年の間、米軍から、シエンクアン県を中心としたラオス国土全域に200万トンを超えるクラスター爆撃が落とされました。

 

■ 不発弾の存在 ー

ラオスに残された不発弾の数は、数千万個にのぼります。ラオス政府の不発弾撤去機関UXO-ラオは推定7,800万個と発表しており、ハンディキャップ・インターナショナルは推定2,090-6,260万個と発表しています。

 

■ 撤去の難しさ ー

1996年から2007年12月までに除去された子爆弾の不発弾の数は、37万1,869個です(UXO-ラオ発表)。不発弾として残っていると推定される子爆弾全体のうち、撤去されたのはわずか0.47%にすぎません。まだまだ多くの不発弾が地上に残されたままとなっています。 

 

■ 土壌汚染 ー

不発弾が田畑や野山を汚染し、周囲で暮らす人々の生活の発展を妨げています。 ラオス全土の村の25%で不発弾の存在が報告され、17県中15県において深刻な不発弾汚染が確認されています。

 

■ 爆弾の被害 ー 

ラオスにおけるクラスター爆弾の不発弾の犠牲者数は、ハンディキャップ・インターナショナルのデータによると、4,837人(1965年から2007年まで)と報告されています。しかし信頼できる全国的規模のデータが存在せず実際の数を確認することは困難であり、実際の犠牲者は、約1万3,000人にのぼると考えられています。また、そのうち50%以上が子どもです。

 

 

 


2.テラ・ルネッサンスの取り組み

当会では、シエンクアン県ノンヘット郡において、不発弾撤去と撤去後の土地に、中学校を建設する統合プロジェクトを実施しています。プロジェクト実施地域の不発弾撤去・中学校建設が完了したため、現在は建設後の中学校のモニタリングを実施しています。


ラオス北部のシエンクアン県は、南西部のいわゆる「ホーチミンルート」が通っていた地域であり、ラオスの中でも最も大規模な爆撃を受けた場所です。特にシエンクアン県は、不発弾撤去団体によれば、撤去される不発弾のほとんどがクラスター爆弾の子爆弾です。クラスター爆弾の子爆弾の不発弾のことを“ボンビー”と呼ぶラオスの人々が、『ボンビー』はどこにでもあるというほど、たくさんの不発弾が、田、畑、森、山のなかに残されているのです。


貧困層は、これらの不発弾を金属加工会社へ売ることでお金になることから、不発弾を回収し、事故に遭うケースも多く報告されています。シエンクアン県の中でもノンヘット郡は、ベトナム国境に接する地域で、ラオス政府の最貧困地域の一つに指定されている、少数民族モン族が多く暮らす地域です。

 

 

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[ 1 ] 不発弾撤去支援活動

 

不発弾撤去を専門とする団体、MAG-ラオスと提携し、不発弾撤去を実施します。撤去後の開発支援も視野に入れた人道的な不発弾撤去活動を支援しています。MAGについて、詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

[ 2 ] 学校建設支援プロジェクト

 

中学校建設は、現地の教育支援をしているラオス赤十字シエンクアン事務所と、現地教育省との提携で行いました。ノンヘット郡にあるカンパニオン村は、周辺13村の中心に位置する村です。

 

小学校はありますが、中学校がありません。そのため中学生が勉強する場所がなく、仕方なく小学生の教室を借りたり、プレスクールとしての教室を使用しています。中学校がないために、小学生の教育が制限されたり、プレスクールが運営できないなどの問題が生じており、この地域が貧困から抜け出すために必要な人材を育成する教育環境の整備の必要性が高まっています。そして、不発弾撤去後の安全な土地を活用し、最貧困層の開発支援となるように活用することが求められています。その1つとして、子どもたちが集まる学校の敷地を安全にすることは、非常に重要なことです。  

 

 学校建設支援プロジェクトの詳細は、コチラ

 

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ラオス不発弾撤去活動支援プロジェクト

プロジェクト名

ラオス不発弾撤去支援プロジェクト

対象地域

ラオス人民民主共和国シエンクアン県

実施期間 2008年~継続中 
対象者/受益者数

1. 不発弾撤去チーム活動資金の提供(2008年~)
中学校建設用地撤去活動資金の提供

(不発弾撤去団体MAG-Laoシエンクアン県ノンヘット郡カンパニオン村)
水道建設用地撤去活動資金の提供

(不発弾撤去団体UXO-Laoシエンクアン県カム郡パハーン村)

2. 不発弾撤去チームへの新型金属探知機2基の提供
不発弾撤去団体MAG ラオス人民民主共和国(シエンクアン県)(2010年)

プロジェクト目標

・シエンクアン県における不発弾事故を防ぎ、人々が安心して生活できる環境を創造する。

 

 

[ 1 ] ラオスの不発弾被害と撤去の現状

 

■ 世界一の激しい爆撃を受けた国 9年間8分ごとに1回 200万トン、1人当たり1トン以上 ー

 

ラオスは世界でもっとも激しい爆撃を受けた国であり、人口一人当たりの落とされた爆弾の量が世界一になります。ベトナム戦争中、大規模な地上戦が繰り広げられ、同時に激しい空爆を受けました。50万回以上のアメリカ軍による爆撃が、1964年から1973年の間に実行され、ラオス全土に200万トンを超える爆弾がシエンクアン県を中心としたラオス北部とホーチミンルートの通る南東部の県に集中して落とされました。この9年間には、8分ごとに1度、米軍機1台に積載される爆弾が落とされてきたと言われます。また、1k㎡あたり約20トンラオス人1人あたり1トン以上の爆撃がされてきました。

■ 対仏独立戦争、旧日本軍、内戦での地上戦の不発弾、地雷も残る ー


アメリカ軍の爆撃に加えて、フランス植民地時代の独立戦争時代や、第2次世界大戦中の旧日本軍の進駐時パテート・ラオとラオス王国軍の戦争を含む地上戦で使われた不発弾、例えば大型の爆弾、ロケット弾、手榴弾、大砲、迫撃砲、対人地雷、簡易爆発装置なども、ラオスの国土がさらに膨大な量の不発弾で汚染されている原因となっています。そのような不発弾は地中に残り続け、人々を殺傷し続けるとともに、社会経済的発展と食料の確保を妨げています。

■ 全土の村の25%が不発弾で汚染…貧困地域と不発弾の存在の相関関係 ー


こうしたすべての爆発物の30は、爆発せず、地上や地中にいつ爆発してもおかしくない状態で残り続けているのです。20年に及ぶ交戦状態が終了したあと、1996年から1997年にかけて、不発弾の社会経済的に与える影響の全国調査が実施され、ラオス全土の村の25で不発弾の存在が報告され、17県中15県において深刻な不発弾汚染が判明しました。ラオス全土が23万6,800平方キロメートルなのに対し、8万7,200平方キロメートル以上の土地が不発弾の危険にさらされていると推測されています。1996年、国連は、ラオスの農村に残された不発弾は、約50万トンにも及ぶと推定しています。ラオス政府の国家社会経済的開発計画は、貧困層地域と不発弾の存在には、明らかな相関関係にあると発表しています。貧困層地域は、ほとんどが不発弾によって影響を受けているのです。

■ 不発弾被害者の50%以上が子ども ー


1975年以降、ラオスの不発弾の犠牲者は、約1万3000人と見積もられています。1999年以降、UXO-ラオが活動した地域でも938の被害者が記録されています。これらの数字は、被害者の50%以上が子どもであることを示しています。その事故のほとんどは、被害者の日々の日常生活のなかで起きています。ラオスでの不発弾事故のよくある原因には、農民が土を掘るために土壌表面にあった不発弾を、鍬や鋤などで打ってしまう場合があります。その他のケースでは、隠れた不発弾の上で焚き火をして爆発する場合や不発弾を移動させたり、不発弾で遊んだりしているとき、もしくは金属や火薬を売るために不発弾をいじくっているときなどに事故が起きています。

■ スクラップメタル問題 ー


ラオスでは、不発弾を含めた金属回収(スクラップ・メタル)が大人、子ども問わず、行われてきました。ほとんどは男性の仕事と思われますが、中には女性が金属探知機を使い金属を集める報告もされています。金属回収は、家族単位で一緒に行われている場合もあります。金属回収の値段は、2002年のころは1キロあたり400-500キープ(US4~5セント)だったのが、2004-05年には約1700キープ(US17セント)まで上がりました。子どもたちが金属回収から得る1日の収入は7,000-8,000キープ(US72-85セント)であるとの情報があります。5日分の服や、学校での勉強道具、キャンディやアイスクリームなどを購入するのに必要なお金は、500-1,000キープであり、それと比較すると金属回収は、いかにいい収入になっているかということが分かります。最近は、自転車に乗ったベトナム人によって、村の中に、こうした新しい商品が供給されるようになっています。子どもたちは、金属回収で得たお金を自分自身で保持する場合もありますし、親へ渡す場合もあります。ある家族では、子どもたちが両親に20,000-30,000キープ以上の金額を渡してくれる場合もあるとの報告があります。

■ 不発弾の多くがクラスター爆弾の子爆弾 撤去できたのはわずか0.47% ー


ラオスでは、森林に覆われた山や田んぼなどがあるため、このような場所に落とされた爆弾は爆発しない確率が高く、実際の状況において、クラスター爆弾の子爆弾の不発率は30と推定されています。そこから爆発せずに残った子爆弾の不発弾の数はラオス政府の不発弾撤去機関UXO-ラオは、推定7800万個、クラスター爆弾の問題に取り組むNGOハンディキャップ・インターナショナルの2006年の報告書『フェイタル・フットプリント』では2090-6260万個と見積もっており、正確な数は分かりませんが、とにかく数千万個の単位で存在することは確かのようです。ラオス政府の不発弾撤去機関UXO-ラオが1996年から2007年12月までに除去した子爆弾の不発弾の数は、371,869、この数字は、不発弾として残っていると推定される子爆弾全体のわずか0.47にしかすぎません。今まで撤去された不発弾の内訳を見るとUXO-ラオでは、48%、MAGでは80%以上がクラスター爆弾の子爆弾だったとの報告があります。いかにクラスター爆弾の子爆弾の不発弾がラオスの土地を汚染しているか分かります。

 

 

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[ 2 ] プロジェクトの概要


■ テラ・ルネッサンスの不発弾撤去支援 ー


ラオスのシエンクアン県は、ラオスの中でも最も激しい空爆を受けた地域の1つで、非常に多くの不発弾が残されています。山岳地帯の広がるこの地域では、ラオス人が「ボンビー」と呼ぶ、クラスター爆弾の不発弾が土地を汚染しています。田んぼの中や、川、山、家の庭、学校の校庭、森の中など、日常生活のなかに不発弾があり、常に不発弾の脅威にさらされながら生活しています。テラ・ルネッサンスでは、人々が安心して生活が送れるように、ラオスで最も経験があり、最初に不発弾撤去活動を始めたMAG-Laoとラオス政府の不発弾撤去団体UXO-Laoの撤去活動の支援を実施しています。


■ カウンターパート:MAG(Mines Advisory Group)-Laoの活動 ー


MAG(マグ:マインズ・アドバイザリー・グループ)は、イギリスに本部のある地雷や不発弾などの戦争残存物を撤去する人道的団体の1つです。1989年に設立されて以来、35カ国で活動を実施してきました。1992年10月に他の5つのNGOとともにICBL(地雷廃絶国際キャンペーン=International Campaign to Ban Landmines)を始め、1997年にICBLは、ノーベル平和賞受賞しています。

MAG-Laoは、ラオスで1994年より活動を開始しました。ラオスで人道的不発弾撤去活動を始めた最初の団体であり、ラオスにおいて最も不発弾撤去の経験があります。現在、シエンクアン県とカンムアン県で活動を実施しています。

 

 

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[ 活動の特徴 ]

 

■34%は女性のスタッフで構成

2008年現在、11の不発弾撤去チームが活動しており、その中には2つの全て女性で構成された不発弾撤去チームが含まれています。また9つのコミュニティ・リエゾン・チームが活動しています。231名の現地スタッフがおり、そのうち34%は女性のスタッフです。MAGは女性スタッフの割合を40%にまで上げる目標を立てており、また障害者の新規採用も積極的に目指しています

■撤去後の土地利用を考慮した撤去活動

2008年には、MAG-Laoは、98,061発の不発弾を発見し、除去しました。そして、2,763,582㎡の土地が撤去されました。この撤去された土地のうち65%が農地用、残りの35%が学校、道路、橋、灌漑施設、トイレ、水道などのために撤去されました。約45,000人の人たちがこの撤去活動によって直接的に裨益し、何万人という人たちが間接的に受益しました。

■インパクトへのフォーカス

MAGの活動は、人々の生活を守り、経済的発展を可能にします。MAGは、不発弾撤去によって、その地域のコミュニティへどんな違いが生み出せるのかという包括的な分析をもとに、プロジェクト地域を選定しています。

■コミュニティ・リエゾンとは?

コミュニティ・リエゾン・チームは、約15名のMAGのフィールド・スタッフによって構成されています。彼らの役割は、不発弾や地雷撤去の過程を通して、対象地域の人々と話し合い、彼らを巻き込んでいくことです。このことは、MAGの撤去活動が直接コミュニティの人々の利益になり、結果として貧困削減につながっていることを確証しています

■撤去方法の更新、生産性の向上

MAG-Laoは、常に不発弾に汚染された土地をより速く撤去する新しい方法を開発する一方で、安全基準を維持しています。フィールドで採用している撤去方法を精密に点検することで、生産性を2008-2009年の間に約90%も向上させています。

■ラオス政府のパートナー

MAGはラオス政府とともに国家目標や戦略を達成するために活動しています。MAG自身の活動とともに、現在ラオス政府の不発弾撤去団体であるUXO-Laoや、政府の不発弾対策機関NRA(National Regulatory Authority)へスタッフを一時配置転換しています。

■現地のキャパシティ構築

MAG-Laoは、現地スタッフの訓練に力を入れており、国内の不発弾関連セクターの組織のキャパシティを向上させています。

■不発弾撤去の重要性

不発弾撤去は基本的に、ラオスにおける貧困削減に貢献します。不発弾汚染地域における開発のイニシアティブは、不発弾撤去が実施されれば、さらに効果的になります。

 

 

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[ 3 ] プロジェクトの報告

 


不発弾撤去チーム活動資金の提供( 2008年~ )

 

■ プレマ・シャンティ中学校建設用地撤去資金提供( シエンクアン県ノンヘット郡カンパニオン村 )

( 提供先:不発弾撤去団体MAG-Lao )

 

2009年にシエンクアン県ノンヘット郡カンパニオン村に中学校を建設する際、学校建設用地の不発弾撤去の資金提供をMAGへ行いました。この不発弾撤去では、幸い不発弾は1つも見つかりませんでしたが、学校周辺の山の中や民家の近くでも、多くの不発弾が見つかっていました。そのため、建設作業を安全に実施するため、また生徒や先生たちが安心して勉強するために、不発弾撤去により安全を確認することは非常に重要でした。

 

>>> プレマ・シャンティ中学校報告書(2013年)()

 

 


■ 水道建設用地不発弾撤去資金提供 (
 シエンクアン県カム郡パハーン村 ) 

( 提供先:不発弾撤去団体UXO-Lao )

 

2013年シエンクアン県カム郡パハーン村において、水道建設をする際に、水道管を埋めるために掘削する土地の不発弾撤去資金をラオス政府の不発弾撤去団体UXO-Laoへ提供しました。不発弾は、クラスター爆弾の子爆弾BLU-26が1つ見つかり、撤去され、その後、安全に水道建設を実施することができました。詳細は、こちらの報告書をご覧ください。


 >>>ラオス水道建設用地不発弾撤去報告書 () (現在調整中)

 

 

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不発弾撤去チームへの新型金属探知機の提供(2010年)

提供先:不発弾撤去団体MAG

 

提供した2台の金属探知機はイタリアのCEIA社製のもので、以前MAGが使用していた地雷撤去用に使われている金属探知機の2倍のスピードで不発弾の撤去をすることができます。これだけの撤去スピードに違いが出るのは次の2つの理由からです。 

          


■ ラテライト、金属片、不発弾を識別可能


この金属探知機では、金属分を多く含む土壌であるラテライト、金属片、そして不発弾をそれぞれ識別できます。以前は金属探知機が反応したところをすべて掘り返して、それが不発弾なのか、そうでないのかを確かめる作業が必要であったため、膨大な時間がかかっていました。

 


■ 不発弾探知用の特別にデザインされた金属探知機

 

地雷よりも不発弾を探知するために特別にデザインされた金属探知機です。地雷撤去用に使用されている金属探知機は左右にスライドさせながら少しずつ前進して、探知していく必要があったのに比べて、この金属探知機は、真っすぐ歩いていくことで探知することができるため 、より早く探知が可能になりました。今回の2台の金属探知機の提供は、まだすべての撤去作業員が1台のこの新しい金属探知機を使用することができておらず、2人で1つの金属探知機を使用していたため、金属探知機の数が増えたことで、撤去作業員の人数を増やすことなく、効率的に撤去スピードを速くすることができます。

 

 

 

 

 


3.完了したプロジェクト

 

不発弾汚染地域ノンヘット郡中学校建設プロジェクト

プロジェクト名

不発弾汚染地域ノンヘット郡中学校建設プロジェクト

対象地域

ラオス人民民主共和国シエンクアン県ノンヘット郡カンパニオン村とその周辺14村

実施期間 2009年1月(中学校建設予定地不発弾撤去活動期間)
2009年2月-5月(中学校建設期間) 
対象者/受益者数

1. カンパニオン村とその周辺14村の小学校卒業生 2008年時点 約250名 (増加予定)

2. カンパニオン村小学校の小学生 445名 2008年時点

カウンターパート

不発弾撤去団体MAG-Lao(建設予定地の不発弾撤去)
ラオス赤十字国際委員会(学校建設)
シエンクアン県、ノンヘット郡教育省(学校建設と学校の運営)

活動内容 1. 中学校建設予定地の不発弾撤去
2. 不発弾撤去後の中学校建設(5教室、1職員室(倉庫付))
プロジェクト目的 ■上位目標:
最も不発弾被害がひどく、発展の遅れたノンヘット郡の人材育成と貧困削減

■下位目標:
最も不発弾被害がひどく、発展の遅れたノンヘット郡の中等教育への就学率の向上
ノンヘット郡の高等教育(高校、大学、職業訓練校など)への進学者数の向上

■プロジェクト目標:
1.カンパニオン村と周辺14村の子どもたちへの初等・中等教育の機会の提供
2.不発弾埋設地域における安全な教育環境の提供

 

 

学校建設支援プロジェクトの背景

 

ー 不発弾汚染地域の山岳少数民族への教育機会の必要性 ー


■ノンヘット郡の歴史的背景と不発弾汚染状況 ー

 

シエンクアン県ノンヘット郡は、ベトナム国境に接する地域(郡役所から国境まで14km)で、ベトナム戦争当時は、北ベトナム軍がラオス国内へこのノンヘット郡を通って、ラオス共産主義勢力パテート・ラオとともにラオスの村々を共産化していきました。そのため、共産化阻止を図る米軍の空爆が、シエンクアン県のなかで最もひどかった地域の1つといわれます。

 

■ ラオス政府の47最貧困地域のひとつ ー


現在は、ラオス政府の選定した47最貧困地域の1つとして、政府も特に重点的に開発を進めていくことを発表しています。この郡には、110村があり、36 ,091人(女性:17,757人)が暮らしており、ほとんどが少数民族のモン族の人々です。モン族を始めとした少数民族の教育環境は特に遅れており、いまだに多く残る不発弾が、社会経済発展の大きな障害となっている地域でもあります。

 

■ノンヘット郡教育省の方針との整合性 ー


また国際社会では、ちょうどこのプロジェクト実施時期に、クラスター爆弾禁止条約を成立させるための会議が開かれ、2008年12月3日にはオスロで調印式が開かれました。この調印式では、ラオス政府はもちろん、日本政府も署名しました。この条約で、これまで被害を受けた人々の支援も条項として盛り込まれました。今まで最も大きな被害を受けたラオスで、最も脆弱な少数民族が多く住む地域の開発をするために不発弾撤去を実施することは、 非常に大きな意味を持ちます。この条約によってラオス政府が早急にすべての不発弾を撤去することが義務付けられており、この条約はすべての人々が安心して生活できる社会を築くための大きな一歩となります。またノンヘット郡教育省は、現在取り組むべき方針として、次の3つを掲げています。

[ 1 ] 教育機会の提供(学校建設など)
[ 2 ] 教育の質の向上(教員の養成など)
[ 3 ] 教育の管理の改善(教育省の改革など)

これらの3つの方針のうち、教育機会の提供に関しては、ラオス政府や教育省のほうでは、すべての学校建設をまかなうだけの資金がなく、シエンクアン州で建てられた小学校のいくつかは日本のODAや大使館を通しての支援もあるようです。ノンヘット郡の教育省の担当官は、特にこのカンパニオン村での中学校建設の必要性を指摘しており、今回の中学校建設プロジェクトは、現地教育省の方針とも非常に整合性のあるものといえます。

 


■ ノンヘット郡の教育環境 (2008年12月)ー


ノンヘット郡には、2008年12月現在、小学校:103校(生徒数:8,696人)、中学校:5校(3校は新しく建設中)、高校1校(中学校、高校合わせて、生徒数:1880人)があります。ラオスの教育制度は、2009年3月13日付教育制度改革に関する教育大臣令(No.223/ME.09)によりこれまで5・3・3制の教育制度を取ってきたラオスで、2009/10年度より5・4・3制とすることが発表されています。ノンヘット郡教育省によれば、6-10歳までの小学生の小学校への就学率は、2007-08年では89.6%と報告されています。それ以上の年齢では、調査が行われておらずデータがないようですが、家庭の経済的な理由などで学校へ通えなくなる子どももいるようです。中学校、高校となると、その数が圧倒的に少なく、多くの小学校を卒業した子どもたちは、学校や教室がないために中学校へ通うことができない状況にあります。また現在ある中学校も、十分な生徒を受け入れるだけの教室がなく、午前と午後で生徒が入れ替わる2部制で授業を実施するなどしており、授業時間が十分になく、教育の質も低下せざる負えない状況にあります。

■カンパニオン村と周辺14村の基本情報 ―


カンパニオン村は、ノンヘット郡役所から16kmのところに位置しており、周辺14村の中心に位置しています。この中学校がカバーする地域がこの15村で、人口4499人(女性:2736人)、約700家族が生活しています。これらの村のほとんどは、モン族が居住しています。

■ カンパニオン村と周辺14村の教育事情 ー


カンパニオン村には、2000年に小学校とプレスクール(保育園)用教室ができました。しかし、2006年から小学校を卒業して中学校へ進学する生徒が出てくると、中学校がないために、小学校の1教室とプレスクールとして使用していた2教室を、中学生用の教室として代替してきました。しかし、毎年中学校へ通う生徒は増えており、現在はすべての生徒を受け入れるだけの十分な教室がありません。また小学校用の教室を借りたり、プレスクールの教室を借りたりしているために、小学生の受け入れやプレスクールとしての教室が制限されている状況です。

 

[ 小学生数 ]
2007-08年 445人(女性:194人)

[ 中学生数 ] 
2002-03年 39人(女性:10人)
       増 ↓ 加
2007-08年 169人(女性:64人)
 1年生:80人、2年生:59人、3年生:30人

 

2008-09年 250人(女性:94人)

 

 

プロジェクトの内容

ー 不発弾処理後に学校を建設する意味と効果 ー


このプロジェクトでは、学校建設用地の不発弾撤去と、撤去後の土地での中学校校舎の建設という2つの活動を実施します。不発弾撤去では、ノンヘット郡で不発弾撤去活動を実施している不発弾撤去団体MAG-Laoと提携し、不発弾撤去活動資金を提供し、学校建設用地の不発弾撤去を実施します。撤去後の中学校校舎の建設は、ラオス赤十字国際委員会と提携し、5教室、1職員室(倉庫付)の校舎建設と、各教室への黒板、教卓、生徒用机椅子の提供を実施します。



■ 学校建設用地不発弾撤去活動 ー 安全な土地の有効活用 ー

 

ラオス、特にシエンクアン県では、激しい空爆が行われたために、あらゆる場所に不発弾が残っており、まだそのほとんどは撤去が完了していません。その多くが、地元の人が「ボンビー」と呼ぶクラスター爆弾の子爆弾で、今現在撤去活動しているMAGは、特に人々の生活圏内にある不発弾を優先的に撤去しています。カンパニオン村の中学校の校長先生や村人たちによれば、この地域もあらゆるところに「ボンビー」があると話しています。不発弾撤去後の安全な土地は、開発が遅れ、最貧困層の少数民族の多く住む地域の開発支援となるように活用することが求められています。その1つとして、子どもたちが集まる学校の敷地を安全にすることは、非常に重要なことであり、また学校を建設する際にも、安全に基盤工事を行うことができるようになります。

 


■ 不発弾撤去後の土地への中学校校舎建設 ー 教育環境の改善 ー


中学校建設により、中学生の教育環境が改善されるだけでなく、現在中学生が小学生用の教室とプレスクール用の教室を借りていることから、小学生の教育環境も改善されると考えられます。十分な教室が確保されることにより、小学生、中学生の教育の質が大きく改善されることも期待できます。特に今まで小学校を卒業したけれども、中学校がないためにその後の勉強をあきらめなければならなかった子どもたちに、教育の機会を提供し、将来の選択肢(高校進学、大学進学、専門学校への進学)を広げることになります。

 

 

 

プロジェクトの実施状況と報告

 

>>> プレマ・シャンティ中学校報告書(2013年)()

 

 

 

 

 

 

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