認定NPO法人テラ・ルネッサンスの活動内容について l ラオス事業

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活動内容 活動内容

ラオス事業

 

 

世界で最も激しい爆撃を受けた国、ラオス。2007年からラオスでの調査を重ね、2008年より、現地の不発弾撤去団体と協力関係を築き、撤去活動の支援を継続しています。また、不発弾被害がひどく、発展の遅れた不発弾汚染地域に住む学生を対象に、小学校・中学校の建設を行いました。これら2つの統合プロジェクトを実施し、人々に安心した生活を提供するとともに、クラスター爆弾の啓発漫画を日本語・英語で作成し、根本的な問題解決を進めています。

 

目次

 1. なぜラオスなの?

 2. テラルネの活動

 3. ラオスからのメッセージ

1.なぜラオスなの?

 

 

「東南アジア最後の桃源郷」とも称され、欧米の人々からも観光地として大人気のラオスですが、実は、世界で最も激しい爆撃を受けたという歴史を持っています。ベトナム戦争中の1964年から1973年の間、ベトナムだけでなく隣国のカンボジアとラオスも戦場となりました。

特に、北ベトナムの補給路 ホーチミン・ルートが通っていた地域である、ラオス南東部からカンボジア東部にかけて、米軍による多くの爆撃が繰り返されました。9年間で、爆撃機の出撃数は58万回以上、世界一と言われる200万トン以上の爆弾が落とされました。

当時のラオスの人口に鑑みると、1人あたり1トン以上の爆弾が落とされたことになり、24時間休みなく、8分に1回の割合で爆撃を受け、これが9年間続いた計算になります。人口1人あたり世界で最も爆撃を受けたというこの事実を、米軍はラオスが中立国であることを理由に否認し、この爆撃は「秘密の戦争」とも呼ばれています。

 



爆撃で特に多く使用されたのは2億7000万~8000万個投下されたと言われるクラスター爆弾でした。大きな親爆弾が爆撃機から投下されて空中で開き、中に入っている多数の子爆弾が広範囲にばらまかれるこの爆弾は、不発率が30%と言われ、ラオスの広大な大地を汚染しました。

米軍の爆撃に加えて、フランス植民地時代の独立戦争や、第2次世界大戦中の旧日本軍進駐時の地上戦で使用された不発弾も、不発弾汚染の原因となっています。日本の本州と同程度の面積であるラオス全土において、1万以上ある村の約25%が不発弾に汚染されています。

不発弾事故による被害者数は、1964年~2008年の間に、報告されているだけで合計50,000名以上であり、そのうちの23%が18歳以下の子どもです。このように、不発弾は地中に残り続け、戦争が終わった後も人々を殺傷し続けるとともに、社会経済的な発展と食料の確保を妨げています。

2.テラ・ルネッサンスの取り組み


新たな不発弾事故を防ぐために、現地の不発弾撤去団体MAG-Lao、UXO-Laoへ撤去活動に必要な資金や金属探知機を提供することで、不発弾撤去活動を支援しています。

また、不発弾汚染地域に住む人々の人材育成を通して貧困を削減するため、撤去後の土地において小学校・中学校の建設支援を実施し、モニタリングを行なっています。加えて、根本的な問題解決に向けて、クラスター爆弾啓発漫画の日本語・英語版を作成し、世界中の人達に問題を伝えています。



 ■ 不発弾撤去活動支援プロジェクト

 

 

ラオスのシエンクアン県は、ラオスの中でも最も激しい空爆を受けた地域の1つで、非常に多くの不発弾が残されています。山岳地帯の広がるこの地域では、ラオス人が「ボンビー」と呼ぶ、クラスター爆弾の不発弾が土地を汚染しています。

田んぼの中や、川、山、家の庭、学校の校庭、森の中など、人々の日常生活の中に不発弾があり、常に不発弾の脅威にさらされながら生活しています。シエンクアン県における不発弾事故を防ぎ、人々が安心して生活できる環境を整備することを目的に、当会では、最初に不発弾撤去活動を始め、ラオスで最も経験のあるMAG-Laoと、ラオス政府の不発弾撤去団体UXO-Laoの撤去活動の支援を実施しています。

 

 

 

2008年、2015年には県内の教育施設建設用地の撤去活動費をMAG-Laoへ提供しました。2009年には、2基の最新の深部探査可能な金属探知機をMAG-Laoに提供し、より効率的でより早い撤去作業が実施されるようになっています。

2013年にはUXO-Laoへ、県内の水道建設予定地における不発弾撤去費用を提供しました。また、2016年には、MAG-Laoの第31不発弾撤去チームの運営資金1年分を提供しました。これまでの活動により、約55,600㎡(四国3個分)から不発弾の脅威を除去し、1,334名に安心して暮らせる土地を提供しました。(2016年8月末時点)撤去後の土地は、現地のコミュニティに必要不可欠なインフラのために利用されています。

 

■ 産学民連携による持続可能な森林保全のための自然共生型産業の普及活動
    ラオス不発弾汚染地域における養蜂の技術向上と普及を目指した"farm miel"プロジェクト


ラオスのベトナム戦争中に爆撃された不発弾が残るシエンクアン県において、安全に活動ができ、森林を保全しながら、すでにある自然資源を生かして収入を得られる養蜂を通して、森林の直接利用の代替となる産業の確率を目指すものです。


ラオス・シエンクアン県での養蜂プロジェクト


テラ・ルネッサンスと株式会社坂ノ途中、神戸大学篠山フィールドステーション、現地農林局との産学官民協働で、養蜂技術支援、商品化、生産体制の構築、環境教育などの活動を実施します。


ラオスの不発弾汚染地域であるシエンクアン県ペック郡ムアン村、ポンカム村の2村を対象に、村人たちの伝統的な養蜂技術を発展させることによって、不発弾の危険性を回避しながら、豊かな森と伝統的な文化を守り、村人たちの持続的な生活を守っていきたいと思います。
三井物産環境基金の助成金により2017年10月から2019年9月までの2年間の事業になります。

ラオス シエンクアン養蜂支援


 

■ 不発弾汚染地域学校建設プロジェクト

 

 

ラオスの中でも最も大規模な爆撃を受けたシエンクアン県において、不発弾被害がひどく発展の遅れた地域の人材育成と貧困削減を目的に、当会では不発弾撤去後の土地における学校建設を実施しました。2009年には、ノンヘット郡カンパニオン村で5教室の中学校を建設しました。

周辺の村を含む計15ヶ村の子ども達が中学校へ通えるようになり、生徒数は建設前から200名以上増加しています。また、2015年にはクーン郡ポーンサイ村で3教室の小学校と職員室を建設しました。これにより、周辺の村を含む5ヶ村の約200名の子ども達が、ラオス政府教育省の基準である1部制の授業を受けられるようになりました。既に学校建設は完了しているため、現在はモニタリングを実施しています。

 

 

■ クラスター爆弾啓発漫画作成

 

 

「ラオス」や「クラスター爆弾」と聞いて、何を思い浮かべますか?クラスター爆弾禁止条約(通称:オスロ条約)の存在はあるものの、「カンボジア」や「地雷」に比べると、認知度が低いのが現状です。問題は人々に認識されなければ、問題にさえなり得ず、解決に向けて「まずは知ること」が重要だと考えて、2013年にラオスを舞台としたクラスター爆弾の啓発漫画を作成しました。

また、世界中の市民から問題解決の時流を作り出すために、2014年にはクラウドファンディングを通して漫画の英語版を作成しました。その後、ラオス政府からの出版許可を得て、国内の宿泊施設や不発弾関連団体に配布し、世界中の人達にラオスの現状を伝えています。

3.ラオスからのメッセージ

 


ー不発弾汚染地域ノンヘット郡中学校建設プロジェクトよりー

2008年より協力団体として不発弾撤去を共に推進しているMAG-Laoは、ラオスで最初に人道的不発弾撤去活動を始めた団体です。その特徴のひとつは、514名のラオス人スタッフのうち、129名(25%)が女性スタッフで構成されていることです。(2016年2月時点)

2016年に支援をした第31不発弾撤去チームのスタッフは、12名全員が女性です。チームリーダーであるチャンパトォンさんは、MAG-Laoで5年間不発弾撤去活動をしてきました。彼女は、「第31不発弾撤去チームの活動で、村からボンビー(クラスター爆弾の子爆弾)を撤去することで多くの命を救うことができます。

また、皆さんからのご支援は、私たちのチームのメンバーの家族を支える重要な収入源ともなっています」と語ります。不発弾撤去活動を支援するということは、安心して生活できる土地を取り戻すだけでなく、その活動に従事する人々や家族の生活もサポートすることに繋がるのです。

 

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