認定NPO法人テラ・ルネッサンスの活動内容

メニュー

活動内容 活動内容

小型武器

 

最も辛かったのは、銃で人を殺させられたこと。

その記憶は今も頭から離れません

 

アオル・ジャネット(仮名)さん、22歳、

女性ウガンダ共和国グル県 

 

 

私は7歳のときに誘拐され、2002年、19歳のときに保護されるまで、12年間反政府組織LRAの子ども兵として戦わされました。軍隊では、いじめられ、殴られました。大人の兵士や、年長の子ども達からもいじめられることがありました。そして、移動するときは、水不足や食糧不足に苦しみながら、重い荷物を背負わされ長い距離を歩かされました。

 

でも、最も辛かったことは、銃を持たされ、人を殺させられたことです。私は、スーダンで戦う為の訓練を受けて、そして戦闘で5人を殺しました。その記憶は、今も頭から離れません。 私はうまく逃げてくることができました。そして、私の夫も10年以上、LRAの兵士として戦ってきましたが、LRAから抜け出し逃げ帰ることができました。しかし、夫は戦闘で銃弾を受けて失明し、今は目が全く見えません。私も戦闘中、手に銃弾を受けて怪我をしました。 それでも、今は2人で子どもを育てながら幸せに暮らしています。それだけでも私は、十分幸せなことだと思っています。将来の希望は、夫とずっと一緒に子どもを育てていくことです。  

 

 

目次

 

 

1.小型武器って?

 

正式には、「小型武器・軽兵器」(small arms and light weapons)のことで、以下のような、一人もしくは数人で運搬・使用可能な武器を指すことが多いです。このページでは、以下の[ 1 ]小型武器と[ 2 ]軽兵器を総称して、「小型武器」と呼んでいます。

 

[ 1 ]一人で携帯・使用が可能な「小型武器」

 

 拳銃、自動小銃、短機関銃など

 

    

 

 

[ 2 ] 数名で運搬・使用が可能な「軽兵器」

 

 重機関銃、携帯式地対空ミサイル、携帯型手榴弾発射台、携帯型発射砲など

 

 

 

 

(注) 弾薬及び爆発物

 

小型武器・軽兵器用の弾薬や、地雷、爆発物などについては、「小型武器・軽兵器」の定義に含まれないことも多いですが、小型武器・軽兵器に関する国際的な議論の枠組みのなかで議論されることもあります。

 

           

 

 

 

 

2.何が問題なの?

 

1分につき1人、小型武器によって

命を落とす人がいます。

 

 

■ 多くの被害

 

近年、約100カ国の計1000以上の企業が、小型武器を製造していると言われており、毎年の国際貿易の額は約85億USドル(1ドル120円換算で約1兆円)と推計されています。そして、この小型武器を使った暴力によって命を落とす人は、毎年約50万人にのぼるとみられています。これは、約1分に1人、1日に1440人の命が地球から消えていく計算になります。1990年代に起こった49の武力紛争のうち、46は小型武器が主要兵器として使われていました。武力紛争がなくても、アメリカ、メキシコ、南アフリカをはじめとする多くの国で、小型武器は日々の犯罪に使われています。


このような状況をみて、2000年に当時のコフィ・アナン国連事務総長は「小型武器は事実上の大量破壊兵器である」と述べました(UN Doc. A/54/2000. We the Peoples: The Role of the United Nations in the Twenty-First Century. Report of the Secretary-General, para. 238)。    


■ 世界中に存在し、その多くが民間人によって所持されているー


2007年版「スモール・アームズ・サーヴェイ」(Small Arms Survey)によると、世界には8億7500万の小型武器が存在し、そのうち75%が民間人によって合法的に所持されています。


■ 紛争中も紛争が終わったあとも、市民を苦しめるー


武力紛争は、人々の生活の基盤を破壊し、貧困を助長します。武力紛争下で故郷が破壊され、攻撃にさらされて、国内の他地域や他の国々に逃れざるをえない人々もいます。2015年に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、2014年末には全世界の難民・国内避難民の数がUNHCRの記録上最も多い約5950万人にのぼり、その20パーセントは武力紛争が続くシリア出身者であったことを発表しました。

(こちらを参照:http://www.unhcr.org/558193896.html 

 

さらに、紛争後に人々が故郷に帰還しても、市民の死亡率が下がらないばかりか、ときには上がることさえあります。小型武器の蔓延により、治安が安定せず、紛争後の社会も危険な場所であり続けるのです。

 

■ 安価で、手に入りやすいー

 

小型武器が大量に出回り、以前の紛争地から次の紛争地へと移転されるような場合、その値段は安価になり、入手しやすくなります。ケニアでは、1967年には銃1丁が約60頭の牛と同じ値段だったのに比べ、2001年には5頭の牛と同じになっていました。

 

ケニアにおける銃の値段の推移

 

 

… … … … … … … … … … … … …

 

 

■ 子どもでも簡単に使うことができる


近年出回っている小型武器は、子どもでも簡単に使えるものがたくさんあります。例えば、通称カラシニコフと呼ばれるAK47が多く用いられています。これは、旧ソ連軍の設計技師ミハイル・カラシニコフ氏が1947年に開発した自動小銃です。
このタイプの銃は、重さ3~4キロと軽く、子どもでも十分持ち運べます。

また、簡単な構造で、10歳の子どもでも組み立て・分解が可能です。耐久性があり、雨風やゴミに強く、専門的に手入れをしなくても弾詰まりが起こりにくいです。こうした扱い易い兵器の拡散は、子どもが兵士として戦闘に参加することを容易にしています。

 

 

 

 

3.国際社会の取り組みは?

[1] 国連小型武器行動計画

 

1990年代に入ると、国連において、旧ユーゴスラビア、ソマリア、ルワンダなどにおける武力紛争への対応が検討されました。そして、ブトロス=ガーリ国連事務総長が 1995 年 1 月に国連安全保障理事会に提出した『平和への課題:追補』は、小型武器や対人地雷の問題に国際社会が緊急に取り組む必要があるとし、そうした取り組みを「ミクロ軍縮」(micro disarmament)と呼びました。

 

その後、国連での議論や交渉を経て、2001年7月、ニューヨークの国連本部において、「国連小型武器会議」が開催され、会議最終日に「あらゆる側面における小型武器非合法取引の防止、除去、撲滅のための行動計画」が採択されました。

 

この文書には、各国における小型武器の製造・刻印・輸出入等の規制に関する国内法や手続きを整備することや、紛争後に効果的な DDR プログタムを実施することなどが盛り込まれました。しかし、この文書はあくまで政治的な文書であり、条約のような法的拘束力はありません。そのうえ、この文書では、輸出入などの国際貿易規制に関しては各国が国内法や手続きを整備することになっていたものの、どのような規制にすべきなのかは明確ではありませんでした。

 

 

 

 写真:ニューヨークの国連本部前のオブジェ

 

 

… … … … … … … … … … … … …

 

 

 

[ 2 ] 武器貿易条約(ATT:Arms Trade Treaty)

 

小型武器を含む通常兵器全般の国際貿易に関する各国の規制が弱く、どのように規制すべきかに関する各国共通の明確なルールを設けて確実に実施していないことが、武器の拡散と不正使用の一因になっています。

 

2003年より、テラ・ルネッサンスは日本の他の団体とともに、国際的な「コントロール・アームズ」キャンペーンを日本で展開し、小型武器を含む通常兵器の国際貿易を規制するための各国共通のルールを定める武器貿易条約(ATT)の締結や、ATTに盛り込まれるルールの内容強化を求めて活動しました。その結果、2013年4月に国連でATTが採択され、日本も2014年5月にATTを批准し、2014年12月24日にATTが発効しました。

 

ただし、この条約が本当に平和構築や持続可能な開発に資するかどうかは、各国がこの条約をいかに実施し、そしてその実施を確保するためのプロセスや制度をいかに構築するかにかかっています。テラ・ルネッサンスは、世界の全ての国に対して武器貿易条約(ATT)に加盟するよう求めるとともに、日本を含めたATT加盟国に対して、この条約を確実に履行し、2015年以降の締約国会議のプロセスを通じて条約の実質的な強化に取り組むよう求めています。

 

 

 

写真:2013年ニューヨークにて、ATT採択を祝う「コントロール・アームズ」キャンペーン

 

 

… … … … … … … … … … … … …

 

 

■ 国際小型武器行動ネットワーク(IANSA:International Action on Small Arms)


IANSAは、小型武器による暴力をなくすために1999年に結成された、NGOや研究者などの国際的なネットワークです。IANSAは、銃規制のグループや女性団体、研究・援助機関、人権団体、研究者など、小型武器の規制に賛成するさまざまな組織や個人で成り立っており、積極的な取り組みをおこなっています。例えば、政策決定者やメディアへの働きかけ、小型武器によって引き起こされる人権侵害などに対する啓発活動、これまでの経験やスキルをNGO同士で共有する場を設ける、被害者やその家族の声を集め発信する、などの活動をおこなっています。

IANSAの公式HP(英語)

 

 

 

 … … … … … … … … … … … … … 

 

 

■ UANSA (the Uganda International Action on Small Arms)  


テラルネッサンスが活動している東アフリカ地域のウガンダにおいても、東アフリカ小型武器行動ネットワーク(EAANSA)やウガンダ小型武器行動ネットワーク(UANSA)などのNGOネットワークがあります。UANSAは、ウガンダ国内の62のNGOが加盟する小型武器に関するNGOネットワークです。地域リーダー、税関職員、警察など、あらゆるアクターを対象に小型武器の問題を啓発するワークショップの実施や、適切な小型武器のコントロールの導入、平和の文化の創造など、各NGOの多様性を活かしながら、小型武器を減らすためにウガンダ国内で積極的な取り組みを行っています。


■ UANSAの具体的なプロジェクトには以下の2つがあります。


[ 1 ] 小型武器に関する調査と啓発


国内・世界における小型武器への問題認識を拡大し、小型武器やコミュニティーの安全に関する問題への理解を強化することを目的としています。そして、UANSAは被害状況や取引の現状に関するデータを集め分析し、ワークショップを通じて地元と国内の組織に広めます。こうしたワークショップはまた、小型武器の不法取引や不正使用を防ぐ戦略的方法を発展させることも目的としています。UANSAは、小型武器の蔓延を制御し拡散を防ぐための第一段階として、こうしたプロジェクトをおこなっています。


[ 2 ] 国内ネットワークの構築とキャパシティービルディング(組織能力の向上)


この取り組みは、活動にかかわる新しい組織と個人を新たに巻き込むことによって、UANSAのネットワークを広げることを目的としています。このプロジェクトはまた、小型武器の問題に取り組むためのネットワーク組織のメンバーを訓練し、小型武器問題の対策を各組織のプログラムやプロジェクトに取り入れるように奨励しています。 

 

 

 

 

  • 会員お申し込み
  • 寄付お申し込み