認定NPO法人テラ・ルネッサンスは、アフリカの元子ども兵(少年兵)の社会復帰支援活動に取り組んでいます。

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活動内容 活動内容

ウガンダ事業

元子ども兵社会復帰支援プロジェクト

 

2005年より駐在スタッフを派遣し、ウガンダ北部で、元子ども兵(元少年兵)に対する社会復帰プロジェクトを開始しました。現在までの元子ども兵と貧困層住民の受け入れ数は1078名です(元子ども兵168名、貧困層住民やその家族。2015年3月現在)。また、ウガンダ小型武器行動ネットワーク(UANSA)と協働して、一般市民への不法小型武器問題の啓発活動を行っています。

 

 

目次

 

1.なぜウガンダなの? 

アフリカの東部に位置するウガンダでは、1980年代後半から内戦が始まり、反政府組織「神の抵抗軍(LRA:The Lord’s Resistance Army)」と政府軍が約23年間戦闘を繰り広げました。LRAは、これまでに約6万6千人もの子どもたちを誘拐し、兵士に仕立ててきました。平均年齢が約13歳の子ども兵だけの軍隊も作られました。2006年8月に、LRAと政府の間で停戦合意が結ばれましたが、最終的な和平合意には至っておらず、2009年5月現在LRAは隣国のコンゴ民主共和国北東部で活動を続けています。

内戦の激しかった北部では、停戦合意に伴い治安が少しずつ回復しているものの、未だに100万人近い国内避難民がいます。そして、たくさんの元子ども兵が、精神的・肉体的なトラウマを抱え、社会復帰できずに困難な生活を余儀なくされています。

 

 

支援対象者は?

元子ども兵の中でも特に、LRA の兵士との間にできた子どもを連れて帰還した元少女兵(チャイルドマザー)は、経済的に自立が困難な上に地域社会からの差別や偏見、女性に対しての暴力、 HIVエイズなど様々な問題を抱え、社会復帰が最も困難な状況にあります。そのような背景を踏まえて、当会は自立が最も困難である、元少女兵(チャイルドマザー)や戦闘で障がいを負った元少年兵を優先して受け入れています。このような元子ども兵たちは、当会の事業を通じて支援を受けるまでに、以下のような過程をたどります。

 

 

元子ども兵が社会復帰するまで

ウガンダ軍との交戦中に救出された、あるいは脱走した子ども兵(あるいはその子ども)は、以下の過程を経て社会復帰を目指します。

[ 1 ]政府軍の児童保護局で健康面のチェック、衣服の支給や事情聴取を受けます。
[ 2 ]保護後、48時間以内にNGOなどの機関が運営する社会復帰センターに移送されます。

    (怪我をしている場合、カンパラ市やグル市の病院に搬送され、その後センターへ)

[ 3 ]ここで2~6週間生活し、カウンセリングや職業訓練を受けます。
    (妊娠中や小さな子どもを抱えた元少女兵は長く滞在することもあります。)
[ 4 ]プログラム終了後、自分の故郷に帰るか、新たな土地で生活を始めます。
[ 5 ]NGOなどの支援を受けます。  

 

 

 

2.テラ・ルネッサンスの取り組み

帰還した元子ども兵の3年以内の自立を目指します。当会ではグル県の現地NGOであるGUSCO(現在調整中)が運営する社会復帰センターと連携し、そこでリハビリを受け、集落に帰還した元子ども兵を対象にプロジェクトをおこなっています。※ マイクロクレジット・・・銀行から融資を受けられない人々や失業者への少額で低金利の融資をおこなう金融サービス。多くの場合女性の事業主が貧困を脱却することに成功しており、債務返済率もきわめて高いのが特徴。


元子ども兵の社会復帰に必要な科目をカリキュラムに組み入れ、プロジェクト目標達成の為に下記4つの活動を通して包括的に支援しています。また、元子ども兵と近隣住民の和解促進、関係改善の為に貧困層の近隣住民も受け入れ、元子ども兵と共に平和教育や和解促進の為のワークショップ、小規模ビジネスの指導を行っています。

 

 

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1. BHN 支援活動

 

●プロジェクト前半のフルタイム訓練期間中、受益者とその家族の状況に応じて毎月の食費と医療費をクーポンで配布しています。食費・医療費にのみ使用することが目的のため、現金は渡していません。


●クーポン券は受益者各自の近くの食料品店、地域の診療所でのみ使えるよう当会と契約しており、そこで治療できない病気や怪我は総合病院や専門の機関で診療できるよう調整しています。

●また受益者の状況に応じて、(チャイルドマザーの)子どもの学費、家賃などの支援も行い、訓練期間中、 受益者が訓練に集中できるよう本人とその家族の生活を支援しています。

 

 

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2. 能力向上支援活動

 

●受益者が収入向上活動を始めるために必要な職業技術、識字・計算能力などの能力向上のための訓練をしています。

 

●洋裁、手工芸、服飾デザイン、木工大工の4つの職業訓練科目と基礎教育(識字、算数、英語)や基本的な健康管理のクラスを開講。カリキュラムの約半分は職業訓練科目で構成されています。

 

 

 

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3. 心理社会支援活動


●受益者個別に悩みやトラウマの程度も様々なので、個別カウンセリングとグループカウンセリングのクラスを開講し、クラス活動では音楽や伝統ダンスなどを行っています。

●また、週に1回、元子ども兵とその近隣住民を対象に平和教育の授業を開講。アチョリ民族(ウガンダ北部に住むナイル系民族)の伝統的な和解方法などについて共に学ぶ機会を提供しています。また、受益者の状況に応じて伝統的儀式を通して精神的な安定を図る取り組みも行っています。

 

 

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4. マイクロクレジット支援活動


●ビジネスのクラスを週1回開講し、貯蓄の重要性、ビジネスの基礎的な知識などマイクロクレジットを使って収入向上活動をしていくために必要な知識、方法の習得を目指しています。

 

●この活動では元子ども兵の受益者に加え、各自の近隣の貧困層の住民をパートナーとして受け入れています。


●支援開始から約1年半経過を目処にマイクロクレジットを供与し、収入向上活動を始めます。その間は定期的にビジネスに関する相談を行っています。

 

 

 

 
 

3.完了したプロジェクト

 

 

プロジェクト名

スマイルハウス建設(元子ども兵社会復帰施設住民参加型建設)プロジェクト

対象地域

ウガンダ共和国 グル県

実施期間 8ヵ月間 (2005年10月~2006年5月) 完了
ターゲット
グループ
元子ども兵士/地域住民
受益者数 約400人
プロジェクト目標

元子ども兵が職業技術(主に洋裁技術)を身につけ収入向上活動を始めていくための施設の整備。

元子ども兵と住民の施設の建築補助共同作業、和解促進のためのワークショップを通じて元子ども兵と住民の和解を促進する。

 

スマイルハウス建設プロジェクトの詳細は、コチラをご覧ください。

 

 

 

プロジェクト名

グローブハウス建設(元子ども兵社会復帰施設住民参加型建設)プロジェクト

対象地域

ウガンダ共和国 グル県

実施期間 5ヵ月間 (2006年7月~2007年11月) 完了
ターゲット
グループ
元子ども兵士/地域住民
受益者数 約250人
プロジェクト目標

元子ども兵や貧困層住民が基礎知識や平和教育、環境教育などを学ぶための施設の建設。

元子ども兵と住民の施設の建築補助共同作業、和解促進のためのワークショップを通じて元子ども兵と住民の和解を促進する。

   

クローブハウス建設プロジェクトの詳細は、コチラをご覧ください。

 



 

プロジェクト名

クラージュハウス建設(元子ども兵社会復帰施設住民参加型建設)プロジェクト

対象地域

ウガンダ共和国 グル県

実施期間 9ヵ月間 (2006年7月~2007年3月) 完了
ターゲット
グループ
元子ども兵士/地域住民
受益者数 約400人
プロジェクト目標

元子ども兵が社会復帰に必要な能力(手工芸 などの職業技術など)を身につけ、収入向上活動を始めていくための施設及び、給食調理施設、倉庫、水道の整備。

元子ども兵と住民の施設の建築補助共同作業、和解促進のためのワークショップを通じて元子ども兵と住民の和解を促進する。

 

クラージュハウス建設プロジェクトの詳細は、コチラをご覧ください。

 

 

 

 

4.活動紹介映像

[ 1 ] 活動紹介
テラ・ルネッサンスのウガンダでの取り組みを紹介しています。

 
[ 2 ] 活動紹介映像vol.1
ウガンダ元子ども兵社会復帰支援事業を紹介しています。vol.1では、現地での授業、職業訓練について説明しています。

 
[ 3 ] 活動紹介映像vol.2
vol.2では、現地スタッフ トシャ・マギーによる「テラ・ルネッサンス社会復帰支援センター」についての説明です。元気いっぱいの彼女の姿とともに、社会復帰のための職業訓練に取り組む、生徒(元子ども兵)の様子をどうぞご覧ください。

 
[ 4 ] 活動紹介映像vol.3
2011年のウガンダ元子ども兵社会復帰支援センターの様子の映像です。元子ども兵たちがみんなで楽しそうに伝統的な衣装を着て民族の唄を歌ったりしている様子を、是非ご覧ください。

 
[ 5 ] 活動紹介映像vol.4
2005年からはじまった、テラ・ルネッサンス元子ども兵社会復帰支援事業。事業開始から2011年までの活動の様子をまとめました。施設が建築される様子、生徒(元子ども兵)の様子、変化をご覧ください。
 
 
 
 
  
 

5.ウガンダ事務所・スタッフ紹介

ウガンダ事務所には、それぞれの役職の異なるスタッフが日々活動しています。どんな人物が、どんな活動に従事しているのか。スタッフプロフィールとに加え、現地からのメッセージ動画と一緒に、ウガンダ事務所のスタッフたちをご紹介致します。

 

 

 

Cace.01 オドン・ベンソン [ 木工大工訓練技師 ]

 
[プロフィール ]
 

・2010年勤務開始

・担当業務

 ー 木工大工訓練講師

 ー シラバス作成、必要な資材・道具の管理など

 ー 生徒指導主任

 ー セメスターごとの時間割作成、出欠確認など

・2人娘のお父さん

 
 
 


『モットーは、ハードワーク』

「時には読み書きができない受益者もいます。その場合、理論の説明に時間を割くよりも、実践的なトレーニングをより多く取り入れます。彼らの自立にとって何が最も必要か、常に考えながら授業を進めています。」「受益者らが自立を果たし、誰にも依存せずに自らの力で生きていけるよう、全力でサポートするのが自分の役目です。」

 
 
 

Cace.02 アティム・クリスティーン [ BHN支援担当 ]

 
[プロフィール ]
 

・2006年勤務開始

・担当業務

 ー 施設全体の清掃

 ー 給食の提供

 ー 受益者のカウンセリング

・5人の子どものお母さん

 
 
 


『グルから日本に届け「ピース」』

「私の夢は、自分の仕事を通して受益者の人生を変えること。辛い過去を経験した彼ら彼女らに、ここで『家族のあたたかさ』に触れてもらうことが大切です。私たちは全員家族なのです。」「ここは本当に平和な場所です。スタッフも受益者も、そして私もいつも幸せを感じています。日本にも『ピース』が届きますように。」

 
 
 

Cace.03 オチャカ・ジャコブ [ セキュリティ担当 ]

 
[プロフィール ]
 

・2006年勤務開始

・担当業務

 ー セキュリティ全般

 ー なんでも屋

 ー 中庭の掃除、バイク修理など

・8人の子どものお父さん

・ラジオを聴くのが好き


 
 


『すべての人に「安心・安全」を』

「とにかくここを安全に保つことが私の仕事です。宿直の時には3、4時間おきに寝る場所を変えています。安全のためなら、自分の睡眠時間を削ることも惜しくありません。」「ここに訪れるすべての人が安全で、幸せな気分になって帰ってほしい。そして、家に帰るまでの道のりでも安全と幸せが続くことを願っています。」

 

 

 

Cace.04 オテマ・ジミー [ ウガンダ事務所・所長 ]

 
[プロフィール ]
 

・2006年勤務開始

 ー 服飾デザイン担当講師、管理業務主任を経て2011年から現在の役職に。

・担当業務

 ー ウガンダ事業全活動のコーディネーター

・1人娘のお父さん(2014年8月誕生)

・日本に2回来たことがあり、和食が大好き


 
 


『一人ひとり同じ「人間」』

「事務所所長として、個性豊かなスタッフをまとめ、様々な問題を抱える受益者らに対応するのは、簡単なことではありません。しかし、施設を出てビジネスを始めた受益者が、自らの力で生きられるようになったのを目にした時、この仕事をして本当に良かったと感じます。」「私たちはみんな同じ人間です。日本の皆様が傷ついた時には、アフリカにいる私たちも悲しくなります。」「私の夢は、より多くの人の人生を変えることです。紛争で傷ついた人たちをできるだけたくさん救うことが、世界平和につながると信じています。共に、平和な世界をつくりましょう。」

 

 

6.受益者の最新情報

ウガンダ共和国で実施している「元子ども兵社会復帰支援プロジェクト」では、これまでに192名の元子ども兵を受け入れてきました。(2015年8月15日現在)様々な課題・困難に直面しながらも、明るい未来を手にするために前を向いて進んでいる受益者の最新の状況をお伝えします。

 

  • 2015年6月より受け入れを開始し、プログラム前半期の8期生

  • 1年半のプログラム前半期を修了し、2015年2月より実際にビジネスを始めた7期生の状況

  • 2014年7月に、3年間の支援を完了した6期生

 

 

 

 

「元子ども兵」といっても、それぞれの抱える課題・状況は様々です。 10人いれば10通りの社会復帰の方法が必要だと考え 可能な限り一人ひとりに寄り添ったオーダーメイド型の支援を心がけています。 そのためには、それぞれの家庭訪問・職場訪問の時間も惜しみません。

 
 

支援対象となる元子ども兵の選定の流れ

 

 
 

受け入れた元子ども兵のプロフィール(6〜8期生)

 
 
  
 

8期生の場合

 

受け入れ時の平均月収は700円程度です。そして、24名のうち11名は自力による収入がなく、14名は貯金もゼロの状態です。また、従軍中に戦闘で受けた傷や、体内に残る銃弾による痛みを抱えている者も少なくありません。そのような中でも、家族を養うため、自分の子どもに教育を受けさせるため、自立を果たし幸せな生活を送るために、プログラム前半期(1年半)のフルタイムでの社会復帰訓練に一生懸命取り組んでいます。平均徴兵期間13.8年、平均除隊年齢25.8歳と、人生の約半分を兵士として過ごした8期生が、明るい未来を手にするために日々の授業に励んでいる様子をお伝えします。

 

[ 木工大工の授業 ]

 

 

 

[ 洋裁の授業 ]

 

 

 

[ 基礎教育(算数)の授業 ]

 

 

 

[ 心理社会カウンセリングの様子 ]

 

 

 

 

7期生の場合

 

2015年2月より、プログラム後半期の実地訓練の段階に入り、それぞれが自分の技術を生かしてビジネスを始めました。同年、7月よりビジネス状況のインタビューを行っており、その結果をお伝えします。(2015年8月10日現在、19名中8名にインタビュー実施)

 

受け入れ時には800円程度だった平均月収が、1年半の技術訓練を経て約8,000円にあがりました。ビジネスに関する授業の成果もあり、平均して約13,000円の貯金に成功しています。今では自身だけでなく、家族の生活も支えられるようになっており、確実に自立への道を歩んでいます。ところが、すべてがうまくいっているわけではありません。皆が口にする「布や木材の輸送費の高さ」をはじめとし、一人ひとりが様々な課題に直面しているのも事実です。もがき苦しみながらも決して諦めることなく、どうすれば収入向上が可能かを自らの頭で考え、乗り越えていこうとしています。

 

 

  

 

  

 

 

・最初は町の一角で洋裁の店を始めました。ところが、お客さんがなかなか来ず、村に移転することを決意しました。それからというもの、商品の売れ行きも良くなり、今では自分の生活をまかなえるだけの収入を得られるようになりました。

(女性/受け入れ時14歳/軍の中で生まれ、両親は死亡している)

 

・今はミシンが故障していて商売は思うようにいっていません。収入の大部分が母の医療費に充てられており、修理代がたまらないのです。お客さんの数も少なく、家畜を売ることも考えています。現在はこのような状況ですが、3年以内に洋裁技術をもっと高めて、テラ・ルネッサンスの洋裁講師になることが目標です。

(男性/受け入れ時23歳/誘拐時9歳/拘束期間3年3ヶ月)

 

・木材の輸送費と商品の価格が見合っておらず、少し苦しい状況です。収入向上に向けて、ボンドなどの木工大工関連の用具を同業者に売るビジネスも始めようと考えています。木工大工の仕事は安定した収入を得るのが難しいので、自分の弟には医者になってほしいと思っています。弟のための学費を稼ぐことが、当面の目標です。

(男性/受け入れ時25歳/誘拐時12歳/拘束期間4年7ヶ月)

 

 

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6期生の場合

 

受け入れ時の平均月収は約800円ほどだったのが、3年間の支援完了時には約6,000円(現地の公務員の月収と同程度)にあがりました。また、心理社会的な側面においても、悪夢を見る回数の減少や近隣住民との関係改善など、コミュニティで安心して生活することができるようになりました。ただし、そのプロセスにおいてすべてがうまく進んでいたわけではありません。一人ひとりが様々な課題に直面しながらも、自立を果たすという目標に向かって諦めずに乗り越えてきました。

 

[ マイク(仮名)の場合 ]

 

 1999年12月25日、当時10歳という幼さでLRA(神の抵抗軍)に誘拐されました。約11年の厳しい拘束期間を経て、2010年に政府軍によって救出され、欧米の大手NGOの支援を受け、家族のもとへと帰還しました。

 しかし、彼を待ち受けていたのは土地争いに起因する、家族(とりわけ、祖母・父)からの差別・非難・嫉妬でした。また、当会を含め、数多くの支援機関が彼の社会復帰をサポートしたことも彼への嫉妬を生む原因となりました。特に、欧米の大手NGOの支援によって建てられた彼の家は、家族が住む家に比べると格段に大きく頑丈なものであり、祖母はその家を「コニー」(LRA指導者の名前)と呼び、嫌悪をあらわにしました。家族は彼を「裏切り者」と呼ぶようになり、祖母の命令で親戚の一人が建設中だった家の壁を押し倒し、彼が命を落としかける、というような事も起こりました。

 加えて、彼の頭には弾丸がいまだに残っており、社会復帰訓練中、これによる絶え間ない痛みを幾度となく訴えていました。当会のメディカルケアでは十分な処置ができず、大病院での手術が必要だったのです。

 

 このように、精神的にも身体的にも大きな困難を抱えていた彼ですが、決して諦める事はありませんでした。彼は地域のリーダーに家族との間に起こっている問題を伝えるよう努め、解決の手助けを求めました。そして、当会と現地NGOの仲介により、2015年2月10日、村の評議会やクランのリーダーなども出席する大規模な会議の開催に至ったのです。会議では主に、あらゆる問題の原因となった土地争いについて話し合われました。彼の潔白も証明され「裏切り者」のレッテルはもはや間違いである、という宣言もなされました。効果は即座に現れ、家族からの非難・差別はなくなったのです。そして、クランのリーダーによる土地問題の解決も約束されました。

 また、当会と他の現地NGOの連携により、頭に残る弾丸を取り除く手術が受けられるよう、彼のサポートをする事が決まりました。

 
 
 
 

 2015年7月21日、彼の経営する店と家庭を訪問しましたが、家族みんなで笑顔に暮らしている様子がうかがえました。ビジネスに関しても、当会のマイクロクレジット支援を受けて始めた自身の店で、今では約6,000円の月収を得られるようになり、貯金も30,000円を超えています。さらに、2014年には結婚をし、2015年に入ってから赤ちゃんも生まれたようです。辛い過去を想像させない、とても幸せそうな、自信に満ちた笑顔を浮かべていました。

 
 
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