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クラスター爆弾

 

片目しか見えないせいで

子どもの頃の夢は叶えられなかった

 

ラオス・シエンクアン県
サイカムさん 24歳

   

8歳のある日、友達と3人で牛を放牧しに田んぼへ行きました。偶然見つけたクラスター爆弾の子爆弾“ボンビー”で遊び始めると、突然それが爆発してしまいました。

2人の友達は即死でした。私はボンビーの破片が左目を直撃し、気を失いました。そのうち視力はどんどん落ちてしまい、今では全く見えません。政府からのサポートや補償は一切なく、病院での治療費もすべて自腹です。

私の子どもの頃からの夢は、警察官でした。でも、「目が1つしか見えないので、警察官にはなることができない…」と言われ、夢をあきらめました。そこで、私は学校の先生になりたいと考え、ある日、先生に尋ねました。「私は先生になることができるでしょうか?」その先生の答えは、無情でした。「あなたは片目しか見えないから、教員にはなれない…。」2つ目の夢もかないませんでした。

結局私は今、おじさんが所長を務めるラオス赤十字のシエンクアン事務所で働いています。今の夢は、英語とビジネスをすることです。私をはじめ、最貧困層と呼ばれる人たちは、もっとチャンスがあれば、貧困から抜け出すことができると私は思います。なので私は、自分と同じように"機会"が失われている人たちに、"チャンス"を提供できるようサポートしたいと思っています。

 

 

目次

 

 

1.クラスター爆弾って?


1つの親爆弾の中から、大量の子爆弾がばらまかれる方式の爆弾のこと。(写真:ラオスで最も多く落とされたCBU-24という親爆弾の中に入った子爆弾BLU-26)

 

クラスター爆弾の仕組みは、1発の容器(親爆弾)に数個から数百個の小さな爆弾(子爆弾)が入った爆弾で、親爆弾が空中で開くと、たくさんの爆弾が広い範囲にばらまかれるというものです。集束爆弾や親子爆弾とも言われます。


 

 (写真:Cluster Munition Coalition ホームページ

 

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 「投下型と発射型」

 主に飛行機から落とされたり(空中投下型)、地上から打ち上げられ(地上発射型)、空中で親爆弾から子爆弾が大量に、広範囲にばらまかれます。

 

 

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「空中投下型」
前もって設定された高度(90メートルから900メートルくらい)まで落下すると、親爆弾の後部が自動的に開き、数個から数千個の子爆弾がばらまかれます。親爆弾1発がもたらす被爆面積は、サッカー場3面分におよびます。

 

「地上発射型」

大砲やロケット発射システムから砲弾やロケット弾を発射する方法です。発射された親爆弾は設定されていた時間に空中で爆発して、攻撃目標の上空で子爆弾をばらまきます。

 

 

2.何が問題なの?

■「第2の地雷」としてのクラスター爆弾

もともと爆弾には一定の割合で不具合(不発弾)が出ますがクラスター爆弾は5%~30%が不発弾となります。30%という不発率は、100発中30発が爆発しないで残ってしまうということであり、空から「地雷」をばらまいているようなものです。戦闘が終わってからも、不発弾が被害を与え続けることから、クラスター爆弾は「第2の地雷」と呼ばれているのです。



■「大量破壊兵器」としてのクラスター爆弾

1回の作戦で200発以上の親爆弾が投下され、1発の親爆弾から子爆弾が数個から数千個ばらまかれるため、被害は広範囲に及びます。子爆弾は1個でも人の命を奪ったり、戦車を破壊するのに十分な破壊力をもっています。


ピンポイントではなく、面で制圧するための兵器であるクラスター爆弾は、広範囲に及ぶフットプリント(被爆面積)になるため、ベトナム戦争以降のほとんどの紛争や戦争で、現在のようなタイプのクラスター爆弾が使われてきました。

 

■ 困難な不発弾撤去

不発弾は外気温の変化や小さな振動、金属探知機のわずかな電磁波でも爆発してしまうほどセンシティブで、慎重に爆破処理しなければなりません。しかも爆破威力は、飛び散る金属片が防護服を貫通してしまうほど強力です。撤去活動は多大な時間が必要なうえ、とても危険な作業なのです。

  

■ 攻撃対象が無差別

大量の子爆弾が広範囲にばらまかれるため攻撃対象を限定することが難しく、多くの民間人の犠牲者を出してしまいます。ハンディキャップ・インターナショナルの報告書によれば、これまで被害に遭った人の98%が一般市民だという報告もあります。また、紛争が終わってからも不発弾が残るため、長年にわたって被害をもたらします。


農地は土壌が柔らかく、落とされたクラスター爆弾が不発弾になる割合が高くなってしまいます。そのため、農民が土を掘るために、土壌表面にあった不発弾を鍬や鋤などで打ってしまう場合があります。また、子どもが爆弾と知らずに子爆弾で遊んで被害にあうことや、金属を集めるとお金になるために自ら爆弾を解体しようとして不発弾をいじくっているときなどに事故が起きることがあります。

 

 

3.どんな国で使われてきたの?

クラスター爆弾が最初に使用されたのは第二次世界大戦の時です。それ以降、様々な戦争・紛争で用いられ、多くの犠牲者を出してきました。


■ 地雷とクラスター爆弾の汚染状況

 

 

出典:(http://lm.icbl.org/index.php/publications/display?url=lm/2009/maps/maps.html

 

 

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白:汚染されていない地域
黒:地雷に汚染されている地域
灰色:クラスター爆弾に汚染されている地域
青:地雷とクラスター爆弾両方に汚染されている地域

■ 使用された国と地域 :36の国と地域

(以下参照:Cluster Munition Coalition / Handicap International、データ発行年:2009年)
湾岸戦争(1991年)、コソボ空爆(1999年)、アフガニスタン攻撃(2001年~)、イラク攻撃(2003年~)などでクラスター爆弾が用いられました。その結果クラスター爆弾による何らかの影響が及ぼされてきた国・地域は36に及びます。

■ 使用したことのある国: 15カ国
モロッコ(1976年に西サハラで米国製のクラスター爆弾を使用)
イスラエル(レバノンで1976年、1982年、2006年に使用)
ソ連(1979年以降のアフガニスタン侵攻で使用)
イギリス(1982年のフォークランド紛争で使用)
スーダン(1980年代からの内戦で使用)
エチオピア(1990年代初頭のエリトリア独立紛争で使用)
アゼルバイジャン(1993-1994年の内戦で使用)
ロシア(1994年以降のチェチェン紛争で使用)等が存在しています。

■ 製造したことのある国:34カ国
フランス、イギリスなどは、かつてはクラスター爆弾を製造していましたが、今は製造を行っていません。日本もかつては製造を行っていた国の一つです。クラスター爆弾の製造を禁止しているオスロ条約を批准していない国はまだまだ多く存在しており、アメリカ、中国など17カ国が未だにクラスター爆弾の製造を続けています。

■ 保有している国: 85カ国
クラスター爆弾を使用・製造したことは無くとも、国内に保有・備蓄している国は85カ国も存在しています。

 

4.犠牲者の数は? 少なく見積もっても5万5000人、最高で10万人


いつ爆発するかもわからない状態の子爆弾が今でも世界25カ国以上に存在しており、その数は3億個ともいわれています。(参考:2007年5月、ハンディキャップインターナショナルの報告)被害者の98%が一般市民であること、35%が男の子であること、84%の被害が日常生活の場で起きていること、被害国は途上国がほとんどであることが分かっています。


■ クラスター爆弾による被害者の内訳 

 

(ハンディキャップインターナショナルの資料より作成)

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5.国際社会の取り組みは?


■ オタワ条約(対人地雷禁止条約)
1999年に発効されたオタワ条約では対人地雷の使用・貯蔵・生産が禁止されており、クラスター爆弾も同様に禁止されています。現在150カ国を超える国がこの条約に参加(批准)しています(2010年3月29日現在)。>>詳しくは「地雷を規制する条約」ページ(link)

■ オスロ条約(クラスター爆弾禁止条約)
2008年に締結されたオスロ条約では、オタワ条約と同様にクラスター爆弾の使用・貯蔵・製造が禁止されています。批准国は、条約が発効するとすぐに、使用、製造、輸出入が禁止されます。また、8年以内に今持っているクラスター爆弾を全て廃棄しなければなりません。さらに、10年以内に、国内に残っている不発弾を全て除去することが義務付けられます。

それに加えてオスロ条約では、爆弾による被害者への支援が批准国に求められています。2010年2月16日に批准国数が発効要件に達したため、同年8月1日に発効が予定されています。現在30カ国がこの条約に参加(批准)しており、同意の意を示している(署名)国は104カ国に上ります(2010年3月29日現在)。しかしアメリカ、中国などの軍事大国が参加していないなど不完全な点も多く、これから取り組むべき問題は多く存在します。

■ 地雷禁止国際キャンペーン(ICBL: International Campaign to Ban Landmines
対人地雷廃絶に向けて取り組んでいる国際ネットワークです。当会もメンバーの一員として活動に加わっています。

■ クラスター兵器連合(CMC:Cluster Munition Coalition
約300の団体が参加して、クラスター爆弾によるあらゆる問題を解決するためのキャンペーンに取り組んでいます。オタワ条約締結を主導するなど、積極的な取り組みを見せています。国際社会での取り組みを推進するためにテラ・ルネッサンスが取り組んでいるプロジェクトにご協力ください

 

 

6.被害者の声

■ クラスター爆弾で3人の子が死亡

 

「2007年10月ラオス・シエンクアン県ジャール平原サイト3」


牛飼いの3人の子どもたち。ラオス最大のミステリー、ジャール平原。大昔の人の遺産が転がる平原もクラスター爆弾の被害を受けている。この日は、MAGの活動するサイト3の近くの村の撤去現場へ向かった。この不発弾撤去チームのリーダーに聞いた話だ。2005年だった。

 

パーサイ郡シェンディ村の子どもたち3人が牛の上に乗って、ジャール平原のサイト3を移動していた。3人は牛を放牧させるために牛を追っていたのだ。そこは、MAGが当時撤去作業をしようとしていた場所。しかし、村人たちにとって不発弾があろうとなかろうと生活のためにはどうしても入らなければならないところであり、牛を放牧させるためにこの3人の子どもたちも普通に入っていたのだ。一人の少年が牛から飛び降りた。そのときだった。


ちょうど飛び降りたところにクラスター爆弾、ボンビーがあったのだ。少年の体重の重みでボンビーが爆発。牛に乗っていた2人の子どもも合わせて、3人とも死んでしまった。当時もこのサイト3で撤去チームのリーダーを務めていたボープヘット氏は、悲しそうに当時の事故を振り返った。それでも運が良かった。


■ シエンクアン県被害者


「2007年10月ラオス・シエンクアン県カンドン村、ルー氏」


シエンクアンで不発弾の被害者に話を聞くことができた。カンドン村。ルー氏、31歳。奥さんと3歳の息子の3人暮らし。モン族の方だ。2005年10月25日、午後2時だった。ビエンチャンに引っ越した両親からある種類の薬用のハーブがビエンチャンで高く売れるので、探して採取するようアドバイスをもらい、森へ探しに出かけた。村から1kmほどの森の中で、薬用のハーブを見つけ、根元を鎌で強く撃ちつけたときだった。そこにあった不発弾が爆発し、ルー氏は気を失ってしまった。

その晩、いくら待っても帰ってこないルー氏を心配した家族は、次の日の朝、ルー氏を探しに森へ行き、午前9時、ルー氏が不発弾の爆発によって倒れているのを発見した。両目とお腹と心臓の近くに破片が刺さっており、病院へ連れて行くために彼の従兄弟が車を用意した。

しかし、ようやく病院についたのは、午後になってからだった。病院では一命をとりとめたものの、両目は失明し、いまだに3つの破片は体の中に入ったままだという。もし取り除こうとすれば、彼の心臓に負担をかけるためにかなり危険な状態になると医者は判断したそうだ。ルー氏は、事故が起きてからのことを次のように振り返った。

事故が起こってから病院に着いて、ようやく意識を取り戻した。ただ、あまりにもひどい痛みで、何も話すことが出来なかった。でも自分は運が良かったと思う。なぜなら多くの場合、村の近くで爆発音がしても、それは日常茶飯事のことなので、村人は気にしない。

牛や動物達が森のなかで事故に遭うことはよくあることだ。自分の場合、家族が家に帰らないのを心配して、森の中に探しに来てくれたから助かった。しかも家族が見つけてくれた日の夜は、ものすごい雨が降ったんだ。もし次の日の朝に見つけてくれなければ、確実に死んでいただろう。

通訳をしてくれたMAGのスタッフは、地雷と違って、クラスター爆弾や不発弾の事故の場合、多くは亡くなってしまうという。他の事故のケースでは、破片で即死したり、森の中で誰にも見つけられずに亡くなってしまうことはよくあるのだ。ルー氏が、『運が良かった。』と言ったのには驚いたが、命の大切さを改めて思った。


その後、彼は目が見えないために仕事ができず、家にいるだけで、すべて奥さんが生活の面倒を見ている。奥さんは、栽培した野菜などを売って生活している。生活はとても厳しく、特に彼の面倒を見てくれる奥さんが病気になったときには、他に彼の生活を支える人はいないことを心配していた。

NGOや政府からの支援は、何もないという。それどころか、不発弾の事故の治療費もすべて自分たちで払わなければならなかったという。彼は、稲やジャガイモ、とうもろこしを山で育てていたが、こうした仕事は奥さんだけでは大変な作業であり、できれば自分も何かトレーニングを受けて生活を助けたいと語っていた

 

 

7.クラスター爆弾啓発用マンガ本「クラスター爆弾 ラオスからのメッセージ」

 

 

 

漫画で初登場!クラスター爆弾の啓発本。

『クラスター爆弾 ラオスからのメッセージ』好評発売中

 


原作:江角泰 

漫画:西原大太郎

デザイン:小田起世和

発行:特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス

 

【目次】

漫画『ラオスからのメッセージ』

補足1: 不発弾の撤去について

補足2: クラスター爆弾禁止条約について

補足3: クラスター爆弾の種類について

テラ・ルネッサンスの活動について

  

 

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(1) 本を作るきっかけ 〜新たな時流を造り出すために

 
地雷問題の事業でカンボジアに滞在していた私は、2007年からラオスへ何度も足を運んで来ました。そこでラオスに残る不発弾の問題を知った私は、2013年2月に、このラオスの不発弾の問題とラオスの魅力をもっと多くの人に知ってもらおうと思い、スタディ・ツアーを企画しました。しかし、申し込みはわずか2名。十分な参加者を集めることができず、ツアーは中止となりました。

 

素朴で温かい人々、美味しい食べ物、多くの少数民族の多様な文化、まだ多く残る豊かな自然・・・。

 

不発弾という問題の負の部分だけでなく、ラオスの大きな魅力を知ってもらうスタディ・ツアーの行程は、参加していただければ、絶対満足してもらえるという自信があったにも関わらず、ラオスという国、そしてクラスター爆弾の認知度の低さを改めて、思い知らされる結果でした。正直、本当にショックで、そして残念でした。

 

しかし、考えてみれば、私もラオスに行くまで、何も知らなかったのですから、当然の結果ではありました。そのとき私は決意しました。ラオスという国をもっと多くの人に知ってもらい、そして同時にラオスに残る不発弾の問題、クラスター爆弾の問題にもっと関心を持ってもらおうと。

 

そこで、誰でも気軽に読めて、そしてラオスの状況やクラスター爆弾の問題をイメージしやすい漫画でストーリーを作ることにしました。

 

この本は、条約はできても注目されないラオスやクラスター爆弾の問題をそのままにするのではなく、多くの人たちに知ってもらい、関心を高めることで、今でもクラスター爆弾禁止条約に入っていない大国や、使用している国もクラスター爆弾を禁止できるような、新しい時流を私たち市民の中から作り出す、最初のきっかけとなる本になればと思い作成しました。

 

ぜひ、お知り合いの方やご友人、ご家族そして、中学生、高校生ぐらいのお子さんにも薦めていただき、読んでいただけたら嬉しく思います。

 

ラオスからのメッセージ 原作者
特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
アジア事業担当 江角 泰

 

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(2) 漫画で描かれた初めてのクラスター爆弾啓発本

 

“漫画”という日本の独自に大きく発達した文化は、世界に誇ることができるものの一つと考えています。子どもから大人まで幅広い年齢層の方に読んでいただき、そしてクラスター爆弾がどんなものかイメージしにくい人たちにも、ラオスに行ったことが無い人たちにも、漫画は物語や絵を通してイメージし、そして、ストーリーを伝えられるところが何よりも優れています。

 

  

 

こうした漫画の特性を存分に活かして、世界で起きている問題を通して、平和について考えてもらうきっかけとなるような本を造りたいと考えてきました。そこで、地雷問題のように、まだ誰もが知っているわけではないクラスター爆弾と、認知度の低いラオスについて知ってもらう本を、漫画で描くことにしました。

 

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(3)ラオス現地取材のエピソード

 

この本を製作するにあたり、JICA関西の助成金を頂くことができました。そして、漫画を描いていただくのに、やはり漫画家の方には実際の現場を見てもらおうと考え、2013年9月25日〜10月1日まで漫画家の西原大太郎さんと、ラオスに渡り、現地取材をしました。ラオスのビエンチャンから、米軍による空爆の最もひどかった地域の一つ、シエンクアン県へ飛びました。 

 

撤去できたのはわずか0.34%。不発弾撤去現場を視察。そこでは、不発弾撤去団体の不発弾撤去現場を2カ所視察したり、実際見つかったクラスター爆弾の子爆弾の爆破作業も見せてもらいました。


小さなテニスボールほどの大きさの爆弾ですが、爆発の威力は想像以上で、数百メートル飛び散ると言われる子爆弾の金属片を、飛び散らないようにするために置かれたサンドバッグが、空中に破裂するように吹き飛ぶのが、何度も見えました。

 

後から視察した場所は、道路からすぐ横の農地にしようとしていた土地。トラクターで耕した跡から、たくさんのボンビーが見つかっていたのです。爆発しなかったのが、本当に運がよかったと言える状況でした。不発弾撤去チームのリーダー、シータット・シティヴォンセンさん(右写真)は、ラオスだけでなく、世界中でクラスター爆弾がこれから製造され、使われないように禁止していかなければならないと話していました。


そのために多くの人たちに知ってもらわなければなりません。私にできるのは、まず多くの人たちにラオスにあるクラスター爆弾の問題、不発弾の問題を伝え、知ってもらうこと。だからこそ今回の調査をもとに、漫画をこれから造りますと伝えました。

 

 

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「伝えるために決して忘れない。不発弾被害者の話」

ある男の子(右写真)は、小学校からの下校途中、友達と二人で田んぼのなかのあぜ道を歩いていました。前を歩いていた友達の前で不発弾が爆発。ただ歩いていただけで爆発するのは、とても珍しいことです。友達は、爆発によって多くの破片が体中に刺さり、即死。後ろを歩いていた男の子も全身に破片が刺さり、爆発と親友が目の前で亡くなったショックから狂乱状態になり、ちょうど近くで畑仕事をしていたおじさんから連絡のあったお父さんが現場にかけつけて、抱きついて止めるまで、辺りを叫び回っていたそうです。


漫画の中で描かれているノイのように、この子はインタビューしたときも、下を向いたままでした。全てお父さんと家族が話をしてくれたのです。その痛々しい男の子の様子は、本当に悲しい気持ちになりました。今回インタビューに答えてくれた人たちには、本当につらい想いをして答えてくれました。だからこそ、もう2度と同じような悲劇が起きないようにするために、世界中の人たちに、話してくれたことを伝えますと約束をしました。人は誰でも苦しみを希望に変える力をもっている。

 

でも、今回の漫画の中では、その悲劇的なクラスター爆弾の残酷さだけを伝えたいとは思っていませんでした。これまでラオスで出会って来た被害者の人たちのなかで、事故に遭って、本当につらい想いをした人が、苦しみを乗り越え、希望を持って前向きに生きている人たちにも、たくさん出会って来たからです。

 

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2009年にシエンクアン県で中学校建設を一緒に実施した、ラオス赤十字シエンクアン事務所のスタッフ、サイカムさん(右写真)もその一人でした。彼は中学校建設の時に、一緒に調査や通訳をしてくれて、その中で左目が見えないことを教えてくれました。それは、今回の漫画のなかで描かれているノイとノックのような田んぼでボンビーを見つけて遊んでいて、事故にあったからです。当時8歳ぐらい。3人で遊んでいたときに、ボンビーが爆発し、2人の親友は即死。サイカムさんは左目に破片が突き刺さり、気を失いました。 

 

 

次に学校の先生になる夢も、この事故がどれだけ本人につらい想いをさせることになったのか知りません。最初は警察官になる夢も、片目しか見えないからということで、あきらめなければなりませんでした。しかし、今はおじさんが所長を務めるラオス赤十字のシエンクアン事務所で働いて、自分と同じような被害に遭った人たちや、貧しい生活をしている人たちにチャンスを提供したいと、夢を話してくれました。これだけ前向きに生きようと、そして、他の人たちにも希望を与えたいという気持ちに感動しました。(右写真:テラ・ルネッサンスとラオス赤十字が、2009年に不発弾撤去後の土地に協同で建設したプレマ・シャンティ中学校)

 

 

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「ラオスから日本へ、そして世界へ伝えるメッセージ 」

これまで何度もラオスに行くたびに、なぜかものすごい幸福感を感じました。それは、被害者の人たちが、苦しみを乗り越え、未来へ希望を見いだして、前向きに生きようとしている姿から、大きな勇気をもらったからに他なりません。そして、そうした被害者をラオスの人たちが、自分にできる方法で手助けをしようとしていたのです。その人々の温かさは、決して被害者だけではなく、外国からきた私たち日本人にも同様に接してくれました。とても素朴で、控えめでありながら、他人への思いやりと敬意を払うことを忘れず、自然に振る舞えるその人々に、いつも大きな勇気をもらってきました。

(4)本の申込方法

■商品概要 

タイトル:クラスター爆弾 ラオスからのメッセージ

原作:江角泰

漫画:西原大太郎
デザイン:小田起世和
発行:特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス

サイズ:B5
ページ数:50ページ
表紙:カラー
本文:モノクロ

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1冊:540円(税込)

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認定NPO法人テラ・ルネッサンス(担当:くりた)
電 話:075-741-8786
メール:contact@terra-r.jp

  

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