【イベント開催報告 Part2】海外駐在員+鬼丸昌也!世界をめぐるミートアップ アフリカ・カンボジア・ウクライナ・ハンガリー「激動の時代に、『平和の種の育て方』」
こんにちは!啓発事業部インターンの安田です。
2025年7月7日から8月4日まで全5回にわたり、オンラインイベント【海外駐在員+鬼丸昌也!世界をめぐるミートアップ アフリカ・カンボジア・ウクライナ・ハンガリー「激動の時代に、『平和の種の育て方』」】を開催しました。
インターン山田のPart1に引き続き、開催報告 Part2をお届けいたします!
第4回 7/30(水)アフリカ―コンゴ・ウガンダの回(小川真吾)

「緊迫した状況の中でこそ、mustではなくwantを忘れない」
第4回は、アフリカーーコンゴ・ウガンダの回
海外事業部長の小川真吾が登壇しました。
小川は約20年間アフリカに駐在し、主にウガンダ、コンゴ民主共和国、ブルンジでの活動を担当してきました。彼は紛争地域における元子ども兵や紛争被害者への支援活動について説明しました。
ウガンダでは1986年から紛争が続き、2005年当時はまだ紛争中でした。その後、ウガンダ北部は停戦合意により平和になりましたが、反政府軍である「神の抵抗軍」は隣国のコンゴや中央アフリカ共和国に移動し、そこで紛争を続けています。
小川はプロジェクトから得た大切な学びとして、元子ども兵の社会復帰に最も影響を与える要因が「自尊心」であることを挙げました。
自尊心の高さに共通していたのは、「他者に対して何かをしている」という点です。
自分の子どもに服を作ってあげられる、近所の貧しい人に食料を分けてあげられるなど、他者に何かを提供できることが自尊心を高め、それが社会復帰の成功につながると言います。
参加者の皆様より
- 同じ地球に生きていても、マラリアや性暴力などの脅威にさらされている地域がある一方で、安全な暮らしを当然のように享受している自分たちがいる。そのギャップに目を背けず、「正しい情報を正しく伝える」ことの重要性を改めて感じました。
- 子どもたちが平和を求め、育む人へと成長していく姿を支えること、それこそが“平和の種”をまくことだと感じました。
- 元子ども兵への支援において、「自尊心を育むこと」がその後の人生を大きく左右するという視点に深く納得しました。心の回復を支える関わりを意識したいです。
- 「戦争」ではなく「紛争」という呼び方が、現実の深刻さを薄めてしまっているのではないかという指摘にハッとしました。情報があふれる今、自分の中に“平和の感度”を持ち続けることが求められているのだと感じます。
- 現地の声を通じて、「平和」という言葉が抽象的な理想ではなく、実際に生きる人々の生活に根ざした“現実的な希望”であることが伝わってきました。
というお言葉を頂きました。
第5回 8/4(月) 特別回(鬼丸昌也)

「解決策よりも常に問いを持ち続けること」
バトンリレー最終回の第5回
テラ・ルネッサンス創設者である鬼丸昌也が登壇しました。
鬼丸は、「どうしたら世界は平和になるか」「今の自分に何ができるか」という問いを持ち続けることが、変化し続ける世界での力になると伝えました。
活動の根底にあるのは、「すべての人に未来をつくる力がある」という信念です。
これは、鬼丸が高校3年生の時に出会ったスリランカのサルボダヤ運動を率いたアリヤラトネ博士の教えに通じています。
相手の中にある可能性を信じ、引き出し、伸ばす姿勢が、平和の種を育てるテラ・ルネッサンスの活動の核になっています。
参加者の皆様より
- 鬼丸さんの熱い思いを伺い、長年にわたり多くの支援者の方々に支えられている理由がよくわかりました。お話を通して、人と人とのつながりの強さ、そしてそれを支える信頼と情熱の重要さを実感しました。
- 支援活動を行う中で、「支援している自分に酔わないこと」、そして「支援が分断を生まないようにすること」の重要性に気づかされました。相手と対等な立場に立ち、共に歩む姿勢を忘れないようにしたいです。
- 小さな行動の積み重ねがやがて共感を広げ、平和への大きな波となっていく可能性を感じました。
- 「平和づくりは人づくり」という言葉が、子を持つ親として心に強く残りました。子どもたちが平和を求め、育む力を身につけていく姿を支えていきたいと思います。また、高校生が現地に赴いて実際に行動している事例にも、大きな希望を感じました。
- 直接支援を行うことが難しくても、広い視野で「自分にできること」を考えることこそが、“平和の種を育てる”第一歩だと実感しました。
といったお言葉を頂きました。
平和の種の育て方 ー 夏季募金キャンペーンを終えて

「二頭の象が出会ったら、傷つくのは草木である」
これはイベントの中で小川が紹介した、力ある者同士の衝突で犠牲になるのは、弱い立場に置かれる女性や子どもたちであることを示すアフリカのことわざです。
平和は突然訪れるものではなく、草木のように一人ひとりの心に蒔かれた種が、時間をかけて育つものの過程のように感じます。
昨年の冬季募金からインターンとして参画し、特にイベント運営を中心に担当しました。
ご参加くださった方の声、イベントでの対話、活動地からの報告、活動のすべてが平和は「つくるもの」だと教えてくれました。
そして多くの方が、家庭の中で、コミュニティの中で、関心を持ち続けることで、すでにその過程にいることに勇気をもらいました。
今回の夏季募金キャンペーンを通じていただいたご支援、ご関心もまた、世界10カ国にわたる活動地で芽吹く平和の種を支える力となっています。
イベントにご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
記事執筆
啓発事業部インターン 安田 楼那