【タイ=カンボジア国境紛争】最前線で孤立した村に寄り添う 緊急食糧支援のご報告

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【タイ=カンボジア国境紛争】最前線で孤立した村に寄り添う 緊急食糧支援のご報告

紛争の被害を大きく受けるのは、いつも最も脆弱な人びとです

7月24日(木)からタイ・カンボジア両国の国境地帯で始まった武力衝突を受け、国境地帯には避難勧告が出されました。

しかし居住地をかんたんに離れることができない方々も多く、テラ・ルネッサンスでは、活動地周辺の国境地帯の村で、取り残された人々に緊急支援を行うことを決定しました。

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事業地のプレア・プット村の子どもたち。元気に遊んでいましたが、7月28日時点で、その日食べるものもない状況に追い込まれていました。



担当者からのコメント

(認定NPO法人テラ・ルネッサンス カンボジア事務所所長 江角 泰)

いつもテラ・ルネッサンスの活動をご支援くださり、ありがとうございます。

テラ・ルネッサンスでは、これまで、カンボジア内戦終結後に残された地雷や不発弾の除去支援をしながら、地雷埋設地域で生活する最脆弱世帯の自立支援をしてきました。

しかし、今回のカンボジアとタイの国境紛争の激化によって、これまで実施してきた自立支援を停止しなければならず、さらに最も脆弱な人々が、大きな被害や影響を受けていることは、残念でなりません。

国境地域には、逃げたくても逃げる先のあてもなく、村に仕方無く滞在している村人たちは、政府や民間からの支援も受けにくい状態にあります。こうした取り残された人々に、テラ・ルネッサンスでは、緊急の支援をしていきたいと思います。



緊急食糧支援を実施しました

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1世帯当たり50キロの米を配布。子どもたちを今日明日、飢えから守るため。

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食べるものがなく、こぼれた果実を探し拾いに行く親子

◯7月28日 孤立した26世帯に、1世帯あたり50キロ 合計1.3トンの米を配布しました。

事業地であるカムリエン郡プレア・プット村で孤立した最貧困層26世帯に、1世帯あたり50キロの米を配布しました。この村ではヤギ飼育支援などを行って自立を支えてきました。村の生活はまだ厳しい状況だったところに国境紛争の影響で5月末から国境が封鎖され、経済が止まり、今日明日食べるものがないほど困窮していました。
子どもたちはまだ元気に遊んでいましたが、大人たちは地面に落ちたこぼれ果実を拾い集めて少しでも食べるものを探しているような状態でした。

◯7月29~30日 追加で合計73世帯に、1世帯あたり50キロ 合計3.7トンの米を配布しました。

ロカブッス村の33世帯:
これまで順調に野菜栽培&家畜飼育の支援を行い、最近は農村の次世代を担う人財育成、若者たちの農業訓練に取り組んでいる地域です。こちらでは、タイからの帰還者30世帯と、避難できず村に残っていた最脆弱世帯3世帯を支援しました。
サムロート郡の40世帯:
こちらは家畜飼育で自立支援をしていた地域です。自分たちは一旦避難しながら家畜飼育は親戚などに預けてなんとか継続しいる人たちや、本当は避難したいがツテがなくできない、畑仕事も怖くてできず、食料や薬などもないといった方々もいます。


他にも支援が必要な世帯を把握しています。今後の活動は追ってご報告します。



これまでの経緯と活動について

◯タイ=カンボジア国境における武力衝突の激化と職員の退避

タイ=カンボジア国境で7月24日に発生した両国の武力衝突が激化。テラ・ルネッサンスは26日に国境近くのサムロート郡にある当会の事務所を閉鎖し、スタッフは安全確保のために同郡からバッタンバン市内に退避しました。スタッフの安全を最優先に考えると同時に、28日には提携団体職員および支援対象者の安否確認を行いました。

◯国境付近の脆弱層への緊急食糧援助の実施

武力衝突がカンボジア西部にも広がり、これまで実施してきた自立支援は、一時停止せざるをえません。しかし、国境地帯で孤立した最脆弱層の人々は、日雇いなどの仕事もできなくなり、食べ物も手に入らない状況でした。そこでテラ・ルネッサンスは7月28日に、バッタンバン州カムリエン郡プレア・プット村の最脆弱層26世帯に、1世帯あたり50キロ分、合計1.3トンの米を緊急で配布しました。

◯今後の活動予定

現地のニーズ調査を進めており、引き続き事態を注視しながら活動方針を策定してまいります。直近では、これまでに支援をしてきたロカブッス村、サムロート郡、︎プレア・プット村の最脆弱世帯へ、さらにお米の支援を行っていく予定です。

◯これまでのテラ・ルネッサンスの取り組み

これまでテラ・ルネッサンスは、タイ=カンボジア国境に接するバッタンバン州カムリエン郡とサムロート郡で、地雷被害者や貧困層の人々を対象とした生計向上支援を進めてまいりました。2016年からは家畜飼育支援を始め、2025年3月末時点で、カムリエン郡では78世帯が家畜飼育をしています。さらに2023年1月からは、タイ=カンボジア国境に近いサムロート郡で、現地農協が自律的な運営をできるようサポートすることで、地雷被害者や貧しい人々など、特に支援が必要な40世帯に家畜支援制度を通じた生活向上支援を行ってきました。

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村ではヤギ飼育支援も行い自立をサポートしてきました

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支援により設置したブランコで遊ぶ子どもたち

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教育支援で授業を受ける、幼稚園の子どもたち

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農村部の村には子どももたくさんいます。紛争が落とす影に負けないよう、これからもあたたかいご支援をお願いいたします。

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