【コンゴ緊急報告】女性や少女を性暴力から守る――給水ポイントの設置が急務
あたたかいご支援・ご関心をお寄せいただき、ありがとうございます。
コンゴ民主共和国で、今年2月14日に 武装勢力M23 の活動が激化したニュースを覚えておられるでしょうか。
テラ・ルネッサンスでは緊急支援のクラウドファンディングを実施し、292人の皆さまから合計370万円の温かい支援が寄せられました。
その後も私たちはコンゴ民での活動を続けていますが、南キブ州の治安は安定していません。特に女性や子どもたちは依然として命と暮らしの危機に瀕しています。
深刻な危機の一つが、性暴力です。
■性暴力と水の関係

南キブ州、カロンゲという地では、10月から、湧き水を利用した給水設備の整備を急いでいます。この地域では、今、公的な医療機関は機能不全の状態にあり、マラリア、コレラや腸チフス、下痢など、本来は予防、治療可能な病気で命を落とす子どもたちが増えています。
そしてもう一つ、治安が悪化する中で、遠くへ水汲みに行くのは大きなリスクを伴います。単に銃撃に巻き込まれるだけでなく、女性や少女にとっては、性暴力の被害に遭うリスクが高まっているのです。
実際に、今年の1月以降(コンゴ東部へのM23の侵攻が始まってから)、ほんの数ヶ月間の間に、約1万人の少女や女性が性暴力の被害を受けました。その後も含めると、実際にはさらに多くの少女、女性たちが紛争下において性暴力の犠牲者となっていると推察できます。
■日本からの支援で、3箇所に給水設備が完成

カロンゲはもともと緑も、水も豊かな場所です。しかし紛争の影響でインフラ整備が乏しく、多くの人々は、雨水や、水たまりの水などを生活水として使用しており、安全な水にアクセスすることができません。加えてこの地域は、小規模な手掘りの金鉱山や、タンタルの採掘が行われている場所でもあり、金採掘によって水質が悪化することもあります。
こうした状況を踏まえて、湧き水を利用して給水設備を整備し、安全な水を確保することに尽力しています。現在までに、日本の皆さまからのご支援により、3箇所に給水設備が完成しました。
ローテクで、見た目のよい規模の大きい設備ではありませんが、現地の専門家と一緒に整備し、水質チェックも済ませて、安全な水を確保することができています。



■9,000人が利用する、命の水場
この給水設備ができてから、早朝から、子どもや女性がポリタンクを持って、並んで水汲みに来ています。推定、1箇所の給水設備を利用する人たちの数は、約400世帯〜500世帯(2000人〜3000人以上)です。その設備が3基、現在約6000人~9000人以上が利用しています。


近隣の住民たちにとっては、様々な面で、この給水設備が命と暮らしを守っています。この水場を守り、可能な限り早急に、4つ目、5つ目の給水ポイントを増やしていく必要があります。
そのためにも、皆様のご協力を心より、お願い申し上げます。
テラ・ルネッサンスでは現在、冬季募金キャンペーンを実施中です。できる範囲で結構です。この情報に触れた皆さまからの、あたたかいアクションをお待ちしています。(クリックで冬季募金キャンペーンページへ)
報告:海外事業部長 小川真吾
編集:広報室 下野久美








