【タイ=カンボジア国境紛争】お粥を分け合い、池でカニを獲る――国境の村のいま
いつもあたたかいご支援を、ありがとうございます。
タイ=カンボジア国境紛争について、最近の様子をお伝えします。
国境地域にはまだ両軍が配備されたままですが、大きな武力衝突は起きていない状態を保っています。
しかし人々にとっては、依然として苦しい時期が続いており、一刻も早く平和な朝が来てほしいと願っています――。
少ない食糧を分け合い、今を耐えしのぶ人々
8月以降国境から40km圏内に渡航制限がかかっているため、テラ・ルネッサンスの職員は入れない地域がありますが、これまで協業していた現地の農協を通じた支援を行い、国境の村の様子を把握しています。
テラ・ルネッサンスでは7月28日より、皆さまのご支援をお米にかえて、緊急食糧支援の対応にあたってきました。
国境近くのプレア・プット村では、すでに支援したお米が切れた世帯があり、今のところ、まだお米が残っている世帯がお粥などを作ってシェアしている状況です。
また、日頃子どもたちが遊んでいる村の池で、カニや巻貝などを捕ってきて食べたりしています。

池で釣りをする村人。カニや貝も貴重な食料源として採取しています。

写真はプレア・プット村ではありませんが、台所で炊事をしている女性。
国境の村では少ないお米をお粥にして、食べるものがないご近所と分け合っています。
タイで働いていたカンボジア人91万人が帰国。厳しい生活が続いています
カンボジアでは現在、タイで働いていた人々が91万人も国内に帰ってきており、彼らに国内で仕事を提供できるかどうかという大きな問題があります。
多くの人は、村に戻っても収入がなく、食糧や生活用品が足りない状況になっていると見られています。
近隣のロカブッス村には、タイからの帰還者が100名ほど戻ってきました。
ここは、テラ・ルネッサンスが野菜栽培と家畜の飼育による自立支援を行ってきた地域で、最近は、次世代の農村リーダーとなる若者の教育事業を始めています。
家畜飼育の支援を希望している世帯もあり、まだ何をどのように支援するかは未定ですが、現地で寄り添いながら活動してまいります。
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国境で紛争が勃発する前の様子。各世帯を回り支援活動を行っているテラ・ルネッサンス職員の江角泰
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国境で紛争が勃発する前の様子。家畜の飼育支援をしている世帯に、農協職員とビジネス計画(今年と3年後までの家計計画)を指導している風景。
これまで行ってきた支援の歩みを止めないために、今できることを確実に進めていきます。
ひき続き、ご理解とあたたかいご支援をお願いいたします。
●8月のカンボジア活動レポート