【冬季募金2019キャンペーン企画】「秘密の戦争」大量の爆弾を落とされた国、ラオス

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【冬季募金2019キャンペーン企画】「秘密の戦争」大量の爆弾を落とされた国、ラオス

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クラスター爆弾の被害が最も大きい国


約209万
2900トンの爆弾ーそのトン数は第二次世界大戦中欧州と太平洋戦線の両方で米空軍が落とした量に匹敵します。

こんなに大量に爆弾を落とされた国をご存じでしょうか?

その国とは、東南アジアに位置し、ベトナムと長く国境線を共有するラオスです。

ラオスは、ベトナム戦争の時に主戦場の一つになりました。なぜなら、北ベトナムから南ベトナム解放戦線へ、食料や兵器を運んだホーチミンルートの多くがラオス国内を通っていたからです。


アメリカ軍は、補給路を断つため、ホーチミンルートを集中的に空から爆撃しました。

さらに、アメリカ軍はべトナム戦争で落とし損ねた爆弾を使い切るために、ラオス上空で投下して基地に帰るということまで行ったと言われています。

戦時中にラオスに落とされた爆弾は、実に国民一人当たり2トンともいわれ、人口1人あたり世界で最も爆撃を受けたというこの事実を、米軍はラオスが中立国であることを理由に否認したことから、この爆撃は「秘密の戦争」とも呼ばれているのです。

「第二の地雷」と呼ばれるクラスター爆弾

爆撃で特に多く使用されたのは2億7000万~8000万個投下されたと言われるクラスター爆弾でした。

大きな親爆弾が爆撃機から投下されて空中で開き、中に入っている多数の子爆弾がばらまかれるのですが、1発の親爆弾から子爆弾が数個から数千個出てくるので、その被害はとても広い範囲に及びます。

そして、クラスター爆弾の最大の問題は、その不確実性にあるのです。

もともと爆弾には一定の割合で不具合(不発弾)が出ますが、一度に大量の子爆弾をばらまくクラスター爆弾なら、その確率は大きくなります。また、そもそも子爆弾は硬くないものに当たると不発のまま残ってしまいます。

実際に爆弾が投下された場所は、コンクリート上ばかりではなく、水田や畑、沼地やジャングルなど様々なので、爆発せずに残ってしまった子爆弾は数多くあるのです。

そうして不発のまま残ってしまった子爆弾は、地雷のように人の手で埋められたものではない為、そのまま地面や草原に転がっていることが多くあります。子どもが鉄くずと間違えて拾い集めたり、おもちゃにして遊んでしまい、爆発してけがをしてしまうことも少なくありません。

このように、戦闘が終わってからも、兵士と一般市民の区別なく無差別に被害を与え続けることから、クラスター爆弾は「第二の地雷」とも呼ばれています。

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不発弾汚染地域に発生する様々な障害、そこで暮らす人々

そうして「第2の地雷」に汚染された地域は、ラオス全土の25%を占めていると言われています。


ラオスに落とされた約2億7000万個のクラスター爆弾による小爆弾のうち、約30%にあたる約8000万個がラオスに残り、そこに暮らす人々を苦しめ続けているのです。

不発弾に汚染された地域では、困難な問題が次々と起こります。

不発弾事故による被害者数は、1964年~2008年の間に、報告されているだけで合計50,000名以上であり、そのうちの23%が18歳以下の子どもです。このように、不発弾は地中に残り続け、戦争が終わった後も人々を無差別に殺傷し続けます。

それに加え、不発弾が土壌に残っているという事実は、その土地の利用を制限し、農業活動を始めとするあらゆる社会経済活動を阻害します。

農業ができないことで食料が確保できず経済的に困窮してしまうだけでなく、交通やエネルギーインフラ、学校、病院、水供給施設などの建設のコストも高めてしまうため、国全体の発展をも阻んでしまうのです。

こうした不発弾問題に直面する地域はラオスの貧困地帯とも一致し、不発弾と貧困の負のサイクルに陥ってしまっているのが現状なのです。

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そのような中、テラ・ルネッサンスは
不発弾撤去活動を支援したり、不発弾汚染地域における養蜂の技術向上と普及を目指した"farm miel"プロジェクトなどを実践てきました。

しかしながら、戦後40年間で除去された、もしくは破壊された不発弾は全体の1%に満たないという厳しい現実があります。

なぜなら不発弾の調査と撤去にはお金がかかるからです。1ヘクタールの不発弾を処理するのに、1500万キープ(約20万円)の費用が必要となります。

さらに、「カンボジア」や「地雷」に比べると、ラオスのクラスター爆弾の不発弾の問題は認知度が低く、国際的に資金も集まりにくいというのが現状なのです。

ラオス国内すべての不発弾の完全撤去には100年から200年かかるとも言われ、その数字は途方もないもののように思えるかもしれません。

しかし、当会は皆様から温かいご支援をいただきながら、前を向いて立ち上がろうとするラオスの方々に寄り添い、これまで活動を続けてきました。

ひとり一人の力は微々たるものかもしれませんが、無力ではありません。

世界のクラスター爆弾の不発弾被害の半数以上がラオスで起こっているという現状がありながらも、不発弾を一日でも早くラオスの地から取り除くことを目指して、当会はこれからも活動を続けていきます。

現在、テラ・ルネッサンスは冬季募金キャンペーンを行っております。

皆様からいただいたご支援は、着実に、一つずつ不発弾を除去し、不発弾汚染地域で暮らす人々の生活を向上させる活動に使わせていただきます。

また今回の冬季募金で集まったご支援は、ラオスの不発弾撤去活動やその地域の人々の生活を向上させる支援を始め、アジアやアフリカなどの様々な地域での課題解決に役立てられます。

多くのみなさまのお力添えを心よりお願い申し上げます。


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記事執筆/

啓発事業部・インターン

元浦菜摘

 

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