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【2025夏・キャンペーンブログ vol.3】いま、平和が始まる場所を目指して(ウガンダ)

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みなさま、海外事業部ウガンダ駐在員の田畑です。
テラ・ルネッサンスは6月5日から8月6日まで、1,300万円を目標に寄付を呼びかける夏季募金キャンペーン2025『平和を求める声に、今、応えたい。』を実施しています。

 

期間中、テラ・ルネッサンスが活動するアフリカ・アジア・ウクライナの各事業地の現状、テラ・ルネッサンスの支援活動をお伝えする連載ブログをお届けします。


私は今、ウガンダ北東部 カラモジャ事務所からこのメッセージを書いています。

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あなたたちがもう少し早く来てくれていたら、
何人が命を落とさずに済んだだろうか。
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この言葉がすべての始まりでした。

私がウガンダに駐在し始めた2022年春。ウクライナ戦争が始まり、その影響でアフリカ全体で食料価格は高騰。そしてカラモジャでは干ばつの影響も重なり、1,600名以上の人々が飢餓によって命を落としました。

半乾燥地帯のカラモジャでは食料生産が限られており、恒常的な食料不足の状況にあります。そしてこの極度の飢餓・貧困が、住民たちを生きのびるための暴力へと誘います。

食料の強奪等を目的とした若者による犯罪・襲撃等の被害も含めると、2022年、この地域では3,000人以上が命を落としました。

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【窃盗団の襲撃によって家族を失った世帯】

それは私がこれまでの人生において、一度も直面したことのないような絶望でした。

それでも村の奥地を尋ねると、人々は一日一日を必死に生きていました。

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仕事がほしい。
お金を稼ぎたい。
家族を守りたい。
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自らの力で、家族や地域の人々を支えたいという意志をもった若者たちの存在は、この地域の希望でした。

もし住民たちが、この乾いた大地を自ら耕し、地域住民の胃袋を満たすことができるなら。飢餓・貧困・暴力が支配するこの場所で「平和」を始めることができるのではないかと考えました。

 

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【農業を通した自立支援開始。地域住民が荒野を耕す】

こうしてテラ・ルネッサンスでは、2023年2月より、飢えに苦しむ地域住民150世帯(約1,000名) とともに、農業を通した自立支援事業を開始しました。

半乾乾燥地帯でも一年を通して農業ができるよう、灌漑インフラ設備を建設しました。それと同時に、住民による食料生産活動も始まりました。

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食料援助に頼って生きるしかない。
私たちには何もできない。
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事業開始当初、そのように語る支援対象者も少なくありませんでした。

実際に、私たちはたくさんの困難に直面しました。乾燥地帯ならではの天候不順・害虫など自然の問題。そして本来事業に協力してもらえるはずの政治家や行政官による妨害など、想像を超えるような課題もありました。

それでも、課題に直面するたび支援対象者である住民たちと手を取り合い、解決策を探りながら少しずつ前に進んできました。

事業開始から、2年。灌漑農業が軌道に乗ってきました。

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【飢餓の大地を覆うトマト、そして住民たちの笑顔】

当初は飢えや乾き、そして「できない物語」を語っていた住民たちの顔つきや発する言葉が変わってきたことを感じています。

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私には、野菜を作ることができる。
農業でお金を稼いで、家族を養うことができる。
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食料を乞うていた人々は今、食料を生産し、地域に供給する側へと変化しているのです。

中には、農業によって、それまでと比較し2倍の収入を得ることができた住民もいます。

共同農場で学んだ農業技術を近隣住民に伝えてくれている人もいます。

さらに、このように仲間たちを鼓舞する人もいます。

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窃盗団に入る必要がない。
俺たちは農業で生活できるんだから。
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それはまさに、テラ・ルネッサンスが目指してきた平和のカタチでした。

農業を営む住民たちは今、自らの手で食料を作り、貧困や飢餓に立ち向かっています。

そして、それは住民の生活向上だけでなく、将来の紛争・暴力予防、つまり地域全体の平和にも貢献できるはずです。

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【平和が始まる場所となる、住民たちの共同農場】

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ここはカラモジャの平和が始まる場所だ。
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ある時、支援対象者がそう言いました。

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この農場でやっていることが地域に広まれば、
きっと、窃盗や襲撃はなくなるはずだ。
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貧困・飢餓・紛争が支配するこの場所で、命の危機に直面する人々。

彼らが望んでいるのは暴力ではなく、「平和に暮らすこと」なのです。

しかしながら2022年以降、カラモジャでは餓死者が出るほどの事態には至っていないものの、深刻な食料不足人口は毎年増加傾向にあります。住民たちは今も、天候や社会情勢など突発的なリスクに脅かされています。

それでもテラ・ルネッサンスは平和を諦めず、地域に根付き、その土地の人々とともに未来をつくるための支援活動を続けていきます。


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【農作業に励む地域の若者たち】

どうか私たちの活動を、命と暮らしの危機のなか懸命に生きる人々の自立を、一緒に支えていただけないでしょうか。

 

お寄せいただいた寄付は、カラモジャ事業をはじめとする、テラ・ルネッサンスのすべての事業で大切に活用させていただきます。

  

ご支援とご協力、よろしくお願い申し上げます。


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テラ・ルネッサンスでは、2025年6月5日(木)~2025年8月5日(水)まで、夏季募金キャンペーン「平和を求める声に、今、応えたい。」を実施しています。

お寄せいただいたご寄付は、今起きている紛争を終わらせること、そしてその紛争によって被害を受けている人々の自立を支援すること、さらに、過去の紛争によって残された地雷や不発弾の影響を受けている人々が、安心して暮らせる環境を整えるために、大切に使わせていただきます。

ぜひ「寄付」という形で私たちの活動を応援していただけないでしょうか。

     


▼夏季募金キャンペーン2025▼

[実施期間]6/5-8/6

[目標金額]13,000,000円

詳細はこちら:https://www.terra-r.jp/kakibokin2025.html



________________________________________

記事執筆/
海外事業部 ウガンダ事業担当
田畑 勇樹


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