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【2025夏・キャンペーンブログvol.6】平和の、その先へ 未来を作る教育の力(ラオス)

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 こんにちは!テラ・ルネッサンス啓発事業部インターンの村瀬です!

東南アジアのラオス。戦争の爪痕が今なお色濃く残るラオスで、平和と安全のために日々奮闘するスタッフの思いを聞きました。


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ラオスの現状 ~史上最大の爆撃を受けた『中立国』のいま~

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 国土を縦断するように流れるメコン川が土地を潤す東南アジア唯一の内陸国、ラオス。 
 ベトナム戦争下、当時ラオスは中立国であったにも関わらず、1964年から1973年の間、アメリカ軍により大量の爆弾が投下されました。投下された爆弾のうち爆発せずに地中にとどまった不発弾は、戦争終結後50年が経った今もラオスの人々の命と生活を脅かし続けています。
 ラオスには現在約58万個の不発弾が存在しているとされており、それらをすべて取り除くには100年以上かかると言われています。
 除去が急がれますが、そのような状況でも被害は拡大していきます。毎年複数の不発弾爆発事故が発生し、幼児を含む人々が命を落とし、傷を負っています。


テラ・ルネッサンスの活動

 テラ・ルネッサンスは、2007年からラオスでの調査を重ね、2008年より現地の不発弾撤去団体と協力関係を築き、撤去活動の支援を継続しています。また、不発弾被害がひどく、発展の遅れた不発弾汚染地域に住む学生を対象に、小学校・中学校の建設を行いました。これら2つの統合プロジェクトを実施し、人々に安心した生活を提供するとともに、クラスター爆弾の啓発漫画を日本語・英語で作成し、根本的な問題解決を進めています。  
 ラオスでのプロジェクトについてはこちらをご覧ください。


ラオス事務所スタッフ・ペンさん
 

 今回私はインターンの栗本さんと共に、ラオスで回避教育トレーナーとして不発弾回避教育に従事しているペンワン・サイチョンスーさん(以下、ペンさん)にお話を伺いました。

 テラ・ルネッサンス入職以前はホテルスタッフだったというペンさん。当時から不発弾問題に関心を持っており、自分に何かできることはあるのか考えていたところテラ・ルネッサンスと出会い、2022年に職員となりました。現在は幼児からその両親まで、幅広い年代層に向け不発弾の危険性や対処法を教育しています。

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幼稚園児への教育の様子


現地での教育

 ペンさんは、子どもたちが不発弾から自分で自分の身を守れるよう、教育しています。  
 しかし3~7歳のまだ幼い子どもたちに対してただ危険性を言葉で説明するだけでは、効果的とは言えません。

 ペンさんは「辛抱強く、時間をかけて教育を行うこと、わかりやすくゆっくりと話すことが大事」と話していました。ただ学校の授業のように講義をするだけではなく、パズルや塗り絵、歌などを通して理解を深めているとのことです。ペンさんは不発弾回避の歌を実際に歌って聞かせてくださいました。身振り手振りを添えた歌を共に歌うことで子どもたちが楽しみながら不発弾の危険性を学ぶことができ、最初は緊張していた子どもたちも打ち解けて、不発弾について、またその回避について学んでいくことができるそうです。

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不発弾回避の歌の様子

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子どもたちとその家族を対象にした不発弾回避教育


私たちにとって、平和とは?

 インタビューの最後に、3人で「平和とは?」という大きなテーマについて考えてみました。
 
 ペンさんにとって平和とは、「自分が何をしていても、何も心配することがなく幸せに生きていくことができること」だと語りました。

 戦争がないことは、すなわち平和とは言い切れません。ラオスでは現在戦争は起こっていません。しかし、不発弾のリスクにさらされながらの生活は、平和と呼べるでしょうか。

 それは現在の日本でも同じです。戦後80年を迎える今、私たちの生活は豊かになりました。しかし差別や環境問題などが存在する社会は、本当に平和と呼べるでしょうか。
 このように考えると、「平和」を実現することは、どうしようもなく難しいことであり、このような状況に無力感すら感じます。では、私たちに何ができるのでしょうか。

 ペンさんは、「何かをすることから始める」ことが大事だと語り、私たちも同じ考えを持っていました。「千里の道も一歩から」という言葉がありますが、不可能を可能にするのはいつも「行動」なのだと思います。テラ・ルネッサンスの行動規範の一つに「Keep Challenging」があります。私たちは何か大きいことをして大きな変化をもたらさねばならないと考えてしまいがちですが、自分の限界を決めつけず、まずは行動してみることが大切であると考えています。課題に直面しても諦めずにそれを繰り返すことが、平和な社会を実現させていくことにつながると考えています。


おわりに

 ペンさんは、テラ・ルネッサンスに入職したことで不発弾に関する現状についての理解が深まり、またその生存者の方々と会うことでよりその課題解決に貢献したいと考えるようになったと語りました。不発弾によって被害を受けた人々が安全に生活できるよう、よりよい未来をつかむことができるよう、これからもテラ・ルネッサンスで活動し続けたいと言います。
 ペンさんの夢は、ラオスにおける不発弾被害を0にすることです。これは今日明日で実現できることではありませんが、決して不可能ではありません。このことによって、今を、また未来を生きる人々が自らの可能性を広げ、未来を切り開いていくことができるはずです。子どもたちの、またその先の人類の未来のために、テラ・ルネッサンスは活動を続けています。

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左上:インターン村瀬 右上:インターン栗本 右下:ラオス事務所ペンさん



_________________________

記事執筆/
啓発事業部
インターン 村瀬みゆ


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お寄せいただいたご寄付は、今起きている紛争を終わらせること、そしてその紛争によって被害を受けている人々の自立を支援すること、さらに、過去の紛争によって残された地雷や不発弾の影響を受けている人々が、安心して暮らせる環境を整えるために、大切に使わせていただきます。

 詳細については、ぜひ特設ページをご覧ください。>詳細はこちら


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