【ウガンダ】カラモジャを訪れて見つけたもの ~ウガンダ・カラモジャ事業地からの報告~
【2025年8月 活動レポート/ウガンダ】
啓発事業部の佐藤です。
元ウガンダ駐在員・田畑勇樹の著書『荒野に果実が実るまで』の舞台となった、ウガンダ北部カラモジャの事業地を訪問してまいりましたので、現地の「今」をご報告します。
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【事業対象者が育てたホウレンソウ 太陽光を浴びてキラキラ輝いている】
「荒野に実った果実」の今
グルから車に揺られること7時間。どこまでも続く赤土の道と神々しい岩山の連なる道を越え、カラモジャに到着しました。乾季(12月〜3月ごろ)には土地が干上がり、人々が飢えに苦しむ過酷な環境と聞いていたので、事業の現場を見て、正直驚きました。
「ここが荒野だったなんて、誰が想像するだろう?」
目の前に広がるのは、どこまでも続く豊かで湿った黒い大地。太陽の光を浴びて穏やかに揺れるトウモロコシ畑、みずみずしい葉をつけたホウレンソウ、そして、ずっしりと身の詰まったスイカ。飢餓によって命を落とす人さえいたという話が信じられないほどの、生命力に満ちた光景がそこにありました。
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【実ったスイカを支援対象者(左)とスタッフのナディア(右)】
この奇跡のような変化は、雨季の自然の恵みだけで生まれたわけではありません。支援対象者が、自らの手で荒野を耕し、種をまき、水をやり続けた努力の結晶です。雨が全く降らない乾季も、灌漑システムを導入した事業地では農作を続けることができます。
インタビューに答えてくれた支援対象者の一人は、少しはにかみながら、しかし真っ直ぐな瞳でこう語ってくれました。「このプロジェクトに参加してから、読み書きを覚えることができ、コンスタントに食べ物を確保することができている。今後ももっと学んで、子どもにも良い教育を受けさせたいです。」その優しい笑顔に、私たちの仕事が確かに彼らの未来につながっているのだと、胸が熱くなりました。
大陸を越えてつながる人の想い
そして、インタビューの最後に、スタッフ・支援対象者の誰もが決まって日本の支援者の皆さまへの感謝を口にしてくれました。「遠い国から、私たちのことを想ってくれる人たちがいる」。その事実が、日々の厳しい農作業に立ち向かうための、大きな勇気になっていると語ります。
物理的には何千キロも離れたカラモジャと日本が、皆さま一人ひとりの温かいご支援によって、確かに心で結ばれている。そのつながりを現地で実感し、私自身も胸がいっぱいになりました。
現地スタッフと駐在員が信じる「ローカルパワー」
もちろん、課題がなくなったわけではありません。依然、「与えるだけ」の食糧支援に頼ってしまう人もいます。しかし、現地スタッフは「未来を創るのは“ローカルパワー(そこに住む人々の力)”だ」と信じ、支援対象者自身の力で生活を守れるようになり、地域のロールモデルを目指して日々活動を続けています。
ローカルパワーを感じた瞬間の一つに、大きく実ったスイカのエピソードがあります。
「この土地でスイカを育てるなんて、やめた方がいいよ。」
実際、たくさんの手間がかかるスイカは、カラモジャの厳しい気候の中では大変困難で、どの農家も避けがちな作物の一つだそうです。それでも支援対象者とスタッフはあきらめずに挑戦し、見事に大きなスイカを実らせました。
現地スタッフたちが口を揃えて言う、 “Everything is possible.”(すべては可能だ) という言葉と屈託のない笑顔に、私もたくさんのエネルギーをもらいました。
皆さまのご支援が、カラモジャのみんなの、「できるわけがない」を「できる!」に変える力になっています。荒野にまかれた一粒の希望の種が、今、たくさんの果実を実らせ、カラモジャの未来を育んでいます。いつも応援してくださっている皆さまに、心より感謝申し上げます。
アラカラ、ノイノイ(ありがとうございます)!
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【左から駐在員川島、理事長吉田、支援対象者アリオレさん、現地スタッフブライアン、筆者(アリオレさんご自宅前にて)】
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記事執筆
啓発事業部ファンドレイジング担当
佐藤翔