【ブルンジ】バイク修理ビジネス開業後の受益者の様子
【アフリカレポート/2022年5月_Topic01】

昨年11月から訓練を開始した子どもの保護と自立支援プロジェクト。
洋裁・バイク修理・小規模ビジネスと3種類の訓練を行っており、今月はバイク修理ビジネスの受益者の様子をお届けします。
約3ヶ月の職業訓練を終えて、実は3月から12名の受益者が、既にビジネスを始めています!
「今日食べるものを今日稼ぐ」といったその日暮らしをしていた彼らには、技術を身につけても開業するための軍資金はもちろんありません。そのためバイク修理を行うにあたって必須の修理ツール等は当会から支援しました。私たちが行う自立支援では、職業訓練から開業後のフォローアップまで一貫して行います。

↑実際に供与したバイク修理ツール
ブルンジでは3月以降に大きな外部環境の変化が2つありました。
1つ目が政府の方針転換により首都でバイクタクシーが働くことができないエリアが拡張されたこと。首都で職を失った多くのバイクタクシー運転手が当会事業地カヤンザ県に出戻り、カヤンザ県内のお客さんの数は変わらないのにバイクタクシーの数が圧倒的に増えたため、運転手一人あたりの収入は減ることに。
そして2つ目が燃料不足の悪化。ブルンジは元々燃料不足が続いていたのですが、ロシア・ウクライナ危機によってそれが加速されました。
この2つの変化から、主なお客さんであるバイク運転手の収入が減ったため、意気揚々と開業したバイク修理ビジネスの受益者は、厳しい環境に晒されることになりました。

↑バイク修理ビジネス開業場所の様子
また、例え技術はあったとしても、お客さんは新入りの修理工よりも熟練修理工を好みます。これは世界中どこだってそうですよね。開業したての3月はお客さんに顔が知られていないこともあり、12名ともあまり収入を得られていませんでした。

↑バイク修理を行う受益者の様子
それから約3ヶ月経った今、受益者が1ヶ月に得られる収入が少しずつ増えてきています。また、バイク修理の技術を取得したことで自転車や発電機の簡単な修理もできるようになったり、身につけた技術を確実に活用している嬉しい様子が見られます。
まだまだ「十分な収入が得られるようになった!」とは言えない受益者の方が多いですが、
これからも彼ら一人ひとりの「未来をつくる力」を信じて、時に優しく時に厳しく、自立への道のりを見守っていきたいと思います。

↑バイク修理ツールと受益者
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記事執筆/
海外事業部アフリカ事業担当
川島綾香