【児童労働反対世界デー】世界の子どもと児童労働

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【児童労働反対世界デー】世界の子どもと児童労働

6月12日は児童労働反対世界デーです。テラ・ルネッサンスが参加するCL-Net(児童労働ネットワーク)では、6月いっぱい児童労働の撤廃を訴える「レッドカードアクション」を行っています。レッドカードアクションとは、国際労働機関(ILO)が世界的に展開するキャンペーンの一環で、児童労働の問題を伝え、問題解決に向けた取り組みの必要性を訴えかけるため、児童労働に反対する意思をレッドカードを掲げることで表明する取り組みです。



第一回目の今回は、意外と知らない児童労働の定義や、児童労働が生まれる原因、世界的な取り組みなど紹介します。

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世界で児童労働を強いられている子どもの数は、約1億6000万人にのぼります(*1)。
この数は、世界の子ども(5〜17歳)の10人に1人の割合です。さらにILOとUNICEFが去年出したデーターによると、これまで減少傾向にあった児童労働の数が2000年以来初めて増加しました(*1)。

条約で決められた「児童労働」にあたるのは次の3パターンです。

1. 12歳未満の軽い労働

2. 義務教育を終えていない15歳未満の労働

3. 18歳未満の子どもの危険で有害な業務、「最悪の形態」と言われる労働 (*2)

つまり、単に働く子どもという訳ではなく、幼すぎる年齢の労働や、教育を妨げる労働、危険な仕事を行う子ども達のことを指します。この危険労働に従事する子ども達は、世界に約7900万人(*1)もいて、彼らは健康・安全・道徳を害するような危険な労働を行っています。例えば有害な農薬や不衛生な環境での労働により、病気になったり、怪我をしてしまうケースなどです。そしてテラ・ルネッサンスが関わる「子ども兵」も、この危険で有害な業務に当たる、児童労働の1つです。

この危険な労働の他に、児童労働の問題として挙げられるのは、労働が教育の妨げになっている事です。実際に児童労働に従事する5歳から11歳の28%、12歳から14歳の35%が教育を受けられていません(*1)。その原因は様々ですが、労働に多くの時間や体力が割かれ、学校へ行く余裕がない事や、労働の代わりになるような質の高い無料の学校が近くにない事、そして進学を決定する親が教育の重要性を認識出来ていない事などが考えられます。

■なぜ児童労働は無くならないのか

児童労働の原因には、貧困、差別、慣習、武力紛争や自然災害、教育の機会の欠如、政府の対策の不備など、様々なものが挙げられます。


その中でも貧困は、子どもが家計を助けるために労働を始める、とても身近な原因です。さらに、義務教育が有料である場合や近くにない場合、貧困層の子ども達は児童労働に就く選択肢しかありません。また、現在も続いている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機は、急激な貧困を増加させ、家族の更なる児童労働への依存が高まる可能性が懸念されています(*1)。児童労働のうち約72%の子どもが家庭内で就労していることから、貧困対策の中でも、子ども達の家族に対する社会的保護や支援、また子ども達の労働力に依存しない生計手段に改善する必要があります(*1)。

しかし、我々消費者や製品を売る企業行動も児童労働がなくならない大きな要因になっています。安さを求める消費者行動や、それに答えようとする企業行動が、比較的安価(賃金が支払われていない場合もある)な児童労働を増幅する原因になっているからです。この現状を打破しようと、近年、企業へ向けた取り締まりや、認証マークによるインセンティブを課すなどの動きがみられます。

■世界の児童労働撤廃に向けた動き −私たちに出来ること−

2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の目標8のターゲット7にて、2025年までに全ての形態の児童労働を撤廃するという明確な目標が立てられました。しかし、2000年台から順調に減ってきていた児童労働の数が、2016年頃からその速度が低下し2020年に増加を記録しました。このペースのままだと2025年までの児童労働撤廃の目標達成には厳しくなると予想されています(*1)。

私たちに出来ることは、児童労働撤廃に向けて活動する団体を支援するほかに、製品のサプライチェーンを確認できるものを積極的に消費するという方法があります。

児童労働白書2020(*3)によると、次の9産品が生産過程による児童労働の存在を指摘され、なおかつ多くの日本企業がサプライチェーンの中で調達に関与しているとされています。

<カカオ、コーヒー、砂糖、パーム、魚介類、タバコ、コットン、金、コバルト>

例えばカカオは、取引される市場価値が低価格な事に加え、西アフリカ地域では家族単位の小規模農家が大半を占めることから、各農家は労働者を雇うことができず、児童労働によって補うケースが多く発生しています(*3)。

そうした背景を知ることで、例えば100%サステナブルカカオ(公正取引・人権尊重・環境配慮など)を使用している会社を探し、日々のチョコレートを変えてみる。そんな小さな消費の選択で、少しずつ状況を改善する事ができます。

■まとめ

近年フェアトレード認証などの付いた製品などを積極的に消費する、エシカル消費が広がっています。日々の暮らしの中で口にするもの、身につけるものの中に、子どもの労働や彼ら・彼女らの教育を犠牲に生産されたのかも…と想像することが、エシカル消費の意識を高め、児童労働撤廃への大きな一歩になると思います。

「児童労働反対世界デー」をきっかけに皆さまも児童労働についての記事を読んでみたり、ご友人やご家族とお話ししてみてはいかがでしょうか。

~「レッドカードアクション」に参加してみませんか?~

1.まず『ILOレッドカード』を以下のURLからダウンロードし

2.そのレッドカードと共に写真を撮り、 #STOPCL とハッシュタグをつけてSNSに投稿して、シェアします。


詳細はこちらから↓

https://stopchildlabour.jp/2021/redcard/


ぜひ皆様も「児童労働反対世界デー」にご友人・ご家族と写真を撮って、レッドカードアクションに参加してみて下さい。

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記事執筆/
啓発事業部インターン

富山 もも

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