『景色はつながる』02.大槌復興刺し子プロジェクト

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『景色はつながる』02.大槌復興刺し子プロジェクト

※この記事には、東日本大震災に関する表現や写真があります。くれぐれもご無理のない範囲でお読みいただき、読んで苦しくなってしまいそうな方は、閲読をお控えください。

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『景色はつながる』は、冬季募金キャンペーン2021『この景色の先に。』期間中に配信する特別連載ブログです。本シリーズでは、様々なことを乗り越え一歩ずつ進んできたからこそ見えるものを「景色」とし、テラ・ルネッサンスが支援する方々が「これまで見てきた景色」、そして「今見えている景色」をお伝えします。

 

「針と糸から、復興への糸口を。手仕事から、未来の働き口を。」復興の先を見据え、みんなに愛される商品を願った「大槌復興刺し子プロジェクト」は、10年の歩みを重ねてきました。

 

震災から10年。刺し子さんやスタッフ、そして被災地の方々が、忘れてはならない犠牲と哀しみを抱えながら進んでこられました。そして、寄り添ってくださった支援者のみなさん、刺し子を手に取ってくれたみなさんのおかげで、刺し子さんたちは、今や「復興」の先に立ち、手仕事の価値を伝える職人としての新たな10年を踏み出しています。

このブログでは、刺し子さんが見てきた景色をたどっていきます。

※大槌復興刺し子プロジェクトは、東日本大震災により、町や大切な人、家、仕事を奪われ、綻んでしまった大槌という町を、伝統文化である「刺し子」を通して、もう一度みんなが誇れる、美しくたくましい町にしていきたいという想いから2011年6月に始まった、女性たちによるプロジェクトです。

それぞれの復興の中で、刺し子との出会い (2013年)

2011年3月11日。当時国際支援を主な活動としていたテラ・ルネッサンスは、被災地の支援に踏み出すか迷っていました。そんな時、ウガンダの活動地からの、被災地の安全を願う電話に背中を押され、緊急物資支援などを開始することに決めたのです。

 

そして約2か月後の5月。避難所で「何もやることがない」というおばあちゃんの一言を耳にしました。生きる気力も奪われそうな日々。何もすることがなくなってしまったおばあちゃんたちが、肩身の狭い思いをすることなく、避難所で過ごすにはどうしたらいいだろう。そんな問いから、大槌復興刺し子プロジェクトが始まりました。

 

初めは避難所で集まって、それから集会所や事務所で「刺し子会」をするようになりました。だんだん仲間が増え、和やかに刺し子をする時間をつくることが出来るようになりました。

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【刺し子会の様子(2016年頃)】

私たちと出会ってくれた刺し子さん、後藤富子さんの言葉を紹介します。


2011年11月に、友達に誘われて、集会所でやっていた刺し子の見学にいって、刺し子を始めました。私、縫い物が好きなんだけど、仕事があったからまずは見学で。どんどん楽しくなってきて、今は仕事が終わって寝る前の1,2時間に刺し子をするのが至福の時間です。

私は、(震災による)環境の変化というのは、家のあるなしだけで、あまりないんです。仕事も相変わらずやっているし、運動も旅行も相変わらずやっているので。


ただ、私はヘルパーの仕事をしているから、いろいろなところにいって話を聞くんですね。受け入れずにさらっと流せばいいんだけど、全部受け入れてしまって、一緒に泣いてしまうんです。泣き虫になったというのが一番の変化かな。精神的な変化が大きいです。震災前は、眠剤なんて飲んだことがなかったんですが、震災後は飲むようになりました。それでも、眠気がこないから、本を読んだりして眠気をさそっていたんですが、眠れなかった。ところが、刺し子をやるようになって、眠れるようになりました。刺し子のおかげで助かっています。

(2013年発行 ニュースレター『結晶母』より)

ひと針ひと針を重ねて、見える景色

それから8年。今年、刺し子さんに震災から10年経った今の気持ちを聞いてみました。

「当時は仮設住宅で塞ぎ込んでいた気持ちを押してくれたのが、大槌刺し子。」

「刺し子は大変と感じることよりも、楽しいと感じることのほうが多い。心に余裕ができたので、いろんなことに挑戦したいという気もちになっている。」

「完成した時の達成感と、きれいにできたねといわれることをやりがいに感じる。」

このように話してくれた刺し子さんたち。大槌の町自体の活気はまだまだ戻ってきてはいませんが、刺し子さんひとり一人は常に前向きです。

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【刺し子会の一場面(2015年)】

You’ll never walk alone

大槌復興刺し子プロジェクトでは、2020年7月に発生した熊本豪雨で甚大な被害を受けた熊本県人吉市でのボランティア活動を支援するため、期間限定で対象商品の定価50%を支援金として寄付しました。

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また、今年は、刺し子に多大なご支援、ご協力をいただき、応援してくださる支援者さまやお取引先さまに感謝の気持ちをこめて、会社のロゴマークを刺し子して贈らせていただきました。

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【感謝を込めて贈らせていただいたロゴボード】

 

刺し子さんたちは、それぞれの復興を歩む中で、涙を流す日や眠れない夜があったと思います。ご自身のことで精一杯な時期もあっただろうと思います。しかし、他の被災地にエールを送るために立ち上がる姿や、長年の感謝に刺し子で「恩送り」する姿からは、遠い地や周りにまで想いを馳せ、寄り添うことができる刺し子さんたちの強さを感じるのです。それは、復興を一歩一歩あゆんできたからこそ、見える景色なのかもしれません。

◆◇ 冬季募金キャンペーン2021 ◇◆ 実施中!

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震災は皆に降りかかりました。刺し子さんたちにも、大切な家族やご友人、仕事、家などをなくされた方がいます。でも、何もかもなくしたわけではない。刺し子さんたちの笑顔が語るように、悲しい出来事を乗り越えていく力や、新しいことに挑戦する力を持っています。そして進んだ先に、今見える景色がある。これからも、ひと針ひと針、進んでいく。

 

ひとり一人にあるチカラ。支援とは、その力を信じ、寄り添い、引き出すこと。これがテラ・ルネッサンスの考え方です。それは、アジア・アフリカの活動地でも変わりません。

 

テラ・ルネッサンスでは、2021年11月18日から2022年1月12日まで、冬季募金キャンペーンを実施しています。アジア・アフリカの紛争被害者の方々の自立に向けた歩みを支える、弊会の活動を継続していくために、この期間に【2,000万円】のご寄付を必要としています。

 

ひとり一人が、未来をつくるチカラを発揮し、その先の「景色」にたどり着くための支援に、寄付という形で、ご協力ください。

 
 

 

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記事執筆/

啓発事業部スタッフ 津田理沙

執筆サポート/
啓発事業部インターン 田代啓

啓発事業部インターン 小川さくら 

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