【カンボジア】再挑戦の仕組みを生かし、家畜世帯の拡大へ

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【カンボジア】再挑戦の仕組みを生かし、家畜世帯の拡大へ

【アジアレポート/2021年3月_Topic03】

2020年10月に発生した大洪水や新型コロナウイルスによって経済的に影響を受けていた脆弱な世帯への緊急自立支援をするためのクラウド・ファンディングを12月に実施しました。おかげさまで多くの方にご支援いただき、2020年度にはカムリエン 郡の39世帯への家畜飼育支援をすることができました。

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↑プレア・プット村で新たにヤギ飼育を始めたハック・ルンさんの世帯

同郡ロカブッス村では、2016年から牛、ヤギ、2017年には鶏、アヒル、2018年には豚の家畜銀行を設立しました。プレア・プット村では、2018年からヤギ、2019年には鶏を支援し、サムロン・チェイ村では牛銀行からの牛の貸し出しを、それぞれ数世帯ずつからはじめました。それが、2021年3月末までに、3村合計109世帯へ家畜の貸し出し、2020年度には、54世帯に合計US$20,960の収入と自家消費分による支出の削減につながりました。2020年度中では、1世帯平均192ドルの収入となり、2020年度の収入合計は、2019年度の2.18倍に上りました。

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↑ロカブッス村で最も豚の飼育に成功し、すでに何度も繁殖させているミアック・パットさん

もっとも収入につながったのは、ロカブッス村の豚飼育で、11世帯でUS$11,527.5の収入につながっており、全家畜の合計の半分以上の収入になりました。 


家畜銀行の仕組みでは、貸し出した家畜の数だけ繁殖した後に返却してもらい、対象者はそれらを販売して収入を得ていくため、貸し出してからすぐに収入につながるわけではありません。

 

しかし、家畜の飼育に失敗した世帯も再挑戦できるように、繁殖に成功した世帯から貸し出した同数の家畜を返却してもらい、再度貸し出しをしています。この仕組みの元では、繁殖の成功と同時に、家畜を次の世帯へ貸し出していくことで、家畜飼育世帯を拡大することができます。

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ロカブッス村で2021年1月に豚の飼育を始めたばかりのコム・コンさん

ロム・ソッピィさんの世帯では、今年1月に家畜銀行から貸し出した3頭の豚が死んでしまいました。しかし、家畜銀行の仕組みを生かし、繁殖に成功したティン・ターさんの世帯から返却してもらった豚を、3月より新たに貸し出しています。

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ロカブッス村のソン・ポムさん(写真左)の世帯に生まれた子豚の様子を確認する農業専門家のサリー氏(写真右)

村では多くの村人が、タイへの出稼ぎで生計を成り立たせていましたが、新型コロナウイルスの影響によりタイ国境が閉鎖され、カンボジアへ戻ってきたものの生計を成り立たせることが難しい世帯がいます。

 

その影響で、村では、大きな農地を必要とせずにできる家畜飼育へのリクエストが殺到しています。これまでタイへ出稼ぎに行ってしまう世帯へは、支援をしたくても、村に滞在していない限りは支援ができませんでしたが、このような形で村に戻ってきた人々が、村の中できちんと生活がしていけるように支援できるチャンスでもあります。できるだけ多くの村人たちへ家畜飼育ができるように2021年度も支援をしていきたいと思います。

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記事執筆/
海外事業部アジア事業担当
江角 泰

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