【夏季募金2019キャンペーン企画】忘れられたブルンジ内戦 脆弱な経済を乗り越えるために

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【夏季募金2019キャンペーン企画】忘れられたブルンジ内戦 脆弱な経済を乗り越えるために

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ブルンジ・シングルマザーのエメリンさん(仮名)、34歳。母親と、2人の子どものうちの1人と暮らしています。

支援を受ける前は売春で収入を得ることもあったというエメリンさんがテラ・ルネッサンスで洋裁の訓練を受けることを決めたのは、ミシンがあれば家でも仕事ができるようになると考えたからです。

「努力することで、将来子どもや自分自身の生活を自らが支えることができる」という想いで、一生懸命に訓練に取り組み、今ではブルンジのムワロ県というところでグループビジネスをしています。

収入も得られるようになり、子どもをサポートするための費用を家族に送ることができるようになりました。

エメリンさん(仮名)の記事はこちら

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【外務省HP ブルンジ基礎データから引用】

ところで、彼女が住んでいるブルンジという国がどこにあるか皆さんは知っていますか?


ブルンジ共和国は東アフリカの内陸に位置し、コンゴ民主共和国、タンザニア、ルワンダと国境を接しています。1962年に独立して以来、多数派のフツと少数派のツチの間で対立があり、1993年の選挙で選ばれた、フツのンダダイエ大統領がツチ族強硬派に暗殺されました。

それ以降もツチ系の国軍を抑えることが出来ず、1993~2005年にブルンジ内戦が起こりました。

同時期に起こったルワンダの内戦は世界から注目を浴び、内戦以降の成長も著しかったのですが、ブルンジ内戦は国際社会から忘れ去られていました。

内戦中、18 歳未満の子どもたちが「子ども兵」として徴兵され、内戦時には30万人の命が奪われ、多くの住民が家族を亡くしました。また、2015年5月にも国軍によるクーデター未遂事件が発生し、内政が安定せず、経済成長も滞っています。

 

現在ブルンジでは民族間の権力分有と和解が進む一方、貧富の格差(特に都市と地方)は大きく、 国民の大部分が住む地方では、小規模零細農家が主要穀物やコーヒー栽培などで生計を立てていますが、十分な収入はなく、経済的に脆弱な状態に置かれています。

 

当会はブルンジ共和国で、紛争被害を大きく受けた地域で最貧困層など紛争被害を受けた人々の自立と自治を促進するために、2013年に活動を開始しました。

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ブルンジでは、2018年度に以下の2つのプロジェクトを行いました。

  • ●紛争被害者及び最貧困層住民の能力開発を通したコミュニュティーレジリエンス向上プロジェクト フェーズ2~生産者協同組合の基盤整備支援~

 

このプロジェクトは、生産者協同組合を設立した紛争被害者及び最貧困層が組合運営の能力を向上し、自律的に収入を確保し、財政基盤を整えることを目的に行いました。

2015 年~2018 年に実施した事業のフォローアップとして、養蜂・窯業生産者協同組合の組織運営能力の強化、共同貯蓄活動、養蜂・窯業・農作物の一次加工ビジネスの支援を行いました。

組合内の内紛等の問題にも直面しましたが、研修で学んだ帳簿付けや内部統制を実践し、組合を運営しています。また、新たに精米機ビジネスや豆や米等を販売する小規模ビジネスもはじめるなど、組合が収入を増やす方法を考え、自立的に収入が得られはじめています。

 

  • ●ブルンジ農村部コミュニティにおける社会的弱者(EVIs)世帯の自立と自治支援プロジェクト

 

このプロジェクトでは、社会的弱者が農村コミュニティ内で、周囲とのつながりを強化し、

基本的ニーズを満たした生活ができる環境を整えることを目的として行いました。

 

対象地域において、養蜂・洋裁・ヘアドレッシングの技術訓練を行い、その間の訓練参加に応じた生活支援と状況に応じた個別カウンセリングを行いました。

加えて、自治体(郡)をパートナーとし、郡の所有地に施設を建設し、郡の社会的弱者に対する公共サービスが向上するための土台が整備されました。

訓練当初は対象者の大半が各技術に対して未経験であったものの、10ヶ月間の技術訓練を通して、収入を得るために必要な技術や知識を習得できました。

41 名全員が最終試験に合格し、次年度より供与した資機材を使用し、学んだ技術を活かして収入向上活動を実施し、その活動をフォローアップし、自立と自治を促進していきます。

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また、今年度は上記の同プロジェクトを続けていくと共に、2019年5月末より、国際移住機関(IOM)とパートナーシップを組み、帰還民や国内避難民(IDPs)の方々への生計向上支援も開始しました。

2015年の政情不安定により隣国のタンザニアに流れていった難民がブルンジに帰還していますが、帰還民の生活は困窮しています。

彼らは帰還時の支援や住居支援・自然災害の被害防止策だけでなく、リスク下でも安心して暮らせるよう、農業だけに頼らない定期的な収入を得る手段を必要としています。

当会が実施する生計向上支援内容は、対象者の希望や能力、地域のマーケットなどを鑑みて①石鹸作り、②ヘアドレッシング、③木工大工、④レストラン、⑤養鶏、⑥山羊飼養、⑦養豚、⑧小規模ビジネス(小売業)の8種類あります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください


現在、テラ・ルネッサンスは夏季募金キャンペーン中です。

今回の夏季募金でいただくご寄付は、当プロジェクトだけではなく、アジア・アフリカで夢に向かって挑戦する受益者のために活用させていただきます。多くのみなさまのお力添えを心よりお願い申し上げます。

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記事執筆/

啓発事業部・インターン

中野 みなみ

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