【2025冬・キャンペーンブログ vol.5】”乾いた大地に自立という種をまく” ウガンダ最貧地 カラモジャ支援の「今」
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執筆:インターン 山﨑 |
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〇隣り合わせの飢餓と暴力
ウガンダ北東部に位置するカラモジャは、牛を最大の財産とする価値観や一夫多妻制、独特のファッションやダンスなど、豊かな伝統文化が色濃く残る地域です。
その反面、半乾燥地帯であるために野菜の生産や持続的な水源の確保が極めて難しく、2022年には深刻な食糧不足によって2,000人以上の命が失われました。特にカラモジャ地域の9県の中でもコティド県の状況は凄まじく、人口の95%にあたる約9万5,000人が飢餓に苦しんでいるという調査結果もあります。
さらに、ウクライナ情勢の悪化に伴う世界的な食料価格の高騰が追い打ちをかけ、現在も多くの人々が困窮しています。
飢餓の深刻化は、地域に深刻な「負のスパイラル」をもたらします。極度の食糧不足から、生きるために他者の家畜を奪う窃盗団に加わる若者が増え、違法な武器の流入などにより治安が急速に悪化しているのです。また、飢餓による免疫力の低下で病気にかかりやすくなるなど、人々の命は常に危険にさらされています。
〇現場で進む自立へのプロジェクト

テラ・ルネッサンスは、一時的な食糧配布に留まらず、自分たちで食糧を生み出すための「自立支援」を150世帯(約1,050名)を対象に実施しています。
具体的な活動内容は、灌漑農業、魚の養殖、そして共同貯蓄(VSLA)の3つです。
もともと放牧が主流だったこの地域では、雨季と乾季の影響により、一年の半分しか作物を育てることができませんでした。そこで、半乾燥地帯で雨が降らない時期でも農業ができるよう「ため池」を掘削しました。ドリップラインやスプリンクラーを用いた灌漑設備を整えることで、ソルガムなどの穀物に加え、ナスをはじめとする野菜の継続的な収穫が可能にな

さらに、このため池を活用してティラピアとナマズの2種類の養殖も開始しました。カラモジャ地域では、輸送コストの問題から市場には干物しか流通していませんでしたが、この取り組みによって、貴重なタンパク源である新鮮な魚を届けられるようになりました。想定外の豪雨による池の氾濫など、自然環境ゆえの課題は尽きませんが、収穫の日を目指して、日々熱心に餌やりとお世話に励んでいます。
また、生活基盤を安定させるため共同貯蓄(VSLA)の仕組みも導入しました。150世帯を5つのグループに分け、手元にあるお金をすぐに使ってしまうのを防ぎながら計画的に管理する習慣を養っています。また、メンバー同士でお金を貸し借りできる資金のサイクルが生まれ、その資金を元手に自らビジネスを始めた支援対象者の方もいます。
これらの支援により、支援対象者の平均収入を以前の1.5倍にまで向上させることができました。

〇駐在員が語るウガンダ最貧地

ウガンダの最貧地域、カラモジャで活動する川島綾香が12月19日、東京で開催された対面イベントに登壇し、カラモジャ支援の「今」を語りました。
当初は、この広大な大地で本当に作物が育つのかという不安もありました。周囲からは「カラモジャでの自立支援なんて無理だ」という声も上がっていたそうです。しかし、そこには確かな希望がありました。それは、「機会さえあれば働きたい」と願う現地の人々の強い意志でした。
現在は、ゼロをイチにした手応えはある。けれど、支援がなくても自分たちだけで回していける「仕組み」として定着させるには、あと5年の月日が必要だと話します。次なる挑戦は、150世帯を一つの組合として組織化し、毎年変わる厳しい天候にも負けない持続可能な体制を築くことです。
朝7時から泥にまみれて働く日々は、決して楽なものではありません。しかし川島は、思い通りにいかない自然や文化の中に身を置くことで、多様なものさしを持つ豊かさを学んだと微笑みます。
「微力だけど、無力ではない」 住民としつこく、粘り強く関わり続ける。
その泥臭い一歩一歩の先に、誰もが安心して暮らせる「平和」というゴールが続いています。
〇冬季募金キャンペーン2025「紛争を終わらせる。~その歩みを止めないために~

テラ・ルネッサンスでは、2025年11月11日から2026年1月15日まで冬季募金キャンペーンを実施しています。
皆さまからお寄せいただいたご寄付は、今、世界で起こっている紛争を一つでも終わらせるために、そして、紛争の被害を受けた方々の自立支援をはじめ、テラ・ルネッサンスのすべての事業で、大切に使わせていただきます。
500人の元子ども兵を故郷に戻し、長年続く紛争に終止符を打つ。そのために皆さんの力をお貸しください。
▼冬季募金キャンペーン2025▼
[実施期間]11/11 - 1/15
[目標金額]50,000,000円
詳細はこちら:







