【カンボジア】「ここにある資源」を活かした、訓練生の挑戦。
【2025年4月 活動レポート/カンボジア】

カンボジアの農村リーダー育成事業が、今年の2月にいよいよスタートしました!このプロジェクトは、村にある資源を最大限に活用し、農業や家畜の飼育といった様々な仕事を通して自立できる人材を育てることを目指しています。
具体的には、村で生活に困っている若者たちに、1年間の住み込み訓練の機会を提供しています。バッタンバンにあるクメール財団が運営する孤児院を「農業訓練センター」として活用することで、この長年構想してきた計画が実現しました。
本事業実施の背景については、ぜひこちらのブログをご覧ください。https://www.terra-r.jp/blog/20250219.html
2月10日に最初の訓練生を迎えて以来、着実に人数は増え、現在では10名の若者が熱心に訓練に取り組んでいます。

【農業を学ぶ、訓練生たち】
さて、4月はカンボジアのお正月(クメール正月)で、休みが1週間もありました。ただ、故郷に帰らずセンターに残る訓練生がいることが分かりました。せっかくセンターにいるのに、何もしないのは勿体ない…。
ということで、彼らと一緒に、「焼き鳥屋さん」を期間限定でオープンしてみることにしました。!ちょっとしたビジネス体験を通して、お金の管理や商売の感覚を身につけてもらうという狙いもありました。
農業訓練センターは町の郊外に位置するため、村から多くの人が集まるお正月期間中は、普段よりも車の往来が多くなります。また、お正月は軽食を販売するお店も閉まっていることが多いため、「何か売ればきっと需要があるはず!」と考えたのです。

【焼き鳥を販売するセンターの調理係さん(左)と訓練生(右)】
実際にやってみたところ、初めてにしては好評だったと思います。売っている訓練生がお腹を空かせて自分で焼き鳥を買っていく場面もありましたが(笑)、3日間で約20ドルの利益を上げることができました(これはあくまで訓練生が個人的に行ったもので、テラ・ルネッサンスの収益ではありません)。
農業訓練センターでは、訓練で育てた農作物などを販売し、将来的にはセンターの運営費をこれらの収益により賄えるようにする仕組みを作る計画があります。そのため、今回の焼き鳥屋の試みは、町の人や近隣の村の人に「ここで何かを売っている」ということを知ってもらう良い機会になったと感じています。
さらに後日、この話を聞いた別の訓練生から、「土日は訓練がないから、自分も何かを売ってみたい!」という申し出がありました。センターにある資源(人、道具、時間)を有効活用しようという意欲が見られたことが、個人的にはとても嬉しかったです。試験的な取り組みではありましたが、彼らの貴重な訓練期間をより有意義なものにする上で、今回の経験がきっと役立つと確信しています。
訓練生にとっても、みんなが遊んでいるお正月に新たな挑戦をしたことは、きっと未来で役立つはずです。これからも頑張れ訓練生!
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記事執筆
海外事業部 カンボジア事業
津田理沙