【ウクライナ】あの事業、最近どう?CSCs(社会貢献型現金給付支援)
期間限定で、事業をピックアップした特集記事を連載します!近年の活動を取り上げ、その背景や変遷を辿ります。今回は、ウクライナのCSCs(Cash for Social Contribution;社会貢献型現金給付支援)をご紹介いたします。
2022年2月にロシアの軍事侵攻を受けたウクライナでは、2023年4月時点で800万人以上が国外で避難生活を送っています。それだけでなく、ウクライナ国内では国内避難民とホストコミュニティ(避難していない地元住民)の人々が取り残されています。
特にウクライナ西部には民族的マイノリティや最貧困層の人々が集まっており、戦前から厳しい生活を強いられてきました。加えて、避難民の流入による人口増加、生活物資の不足、インフレによる物価の高騰、戦争による失業や収入源の減少などが、ホストコミュニティを苦しめています。
西部の静かな街並み
そこで、CSCs(社会貢献型現金給付支援)事業を実施しています。対象者の主体性を最大限尊重し、その人にできる社会貢献(モノ作りやサービスの提供)の機会を提供し、その対価として現金を給付する支援のことです。
対象者自身が生活費を得るだけでなく、社会貢献活動により周りの人にモノやサービス等が提供されます。最低限の暮らしを「保護」する事と、自立して暮らしていけるように「エンパワーメント」する事を同時に実施できます。
炊き出しの配布
CSCsの主軸は炊き出しです。自立支援として調理や運搬等をしてくれた人に日当を給付し、また、生活支援として出来上がった料理を配布しています。現在は合計5つの拠点で週に2回、40食分ずつ調理しています。今ではこの炊き出しが食事の支えになっている人がいるほか、調理スタッフからは仕事が励みになっているとの声を聞きます。
「元々病気がちで家にいたので、こうして必要とされて仕事をできることは、生きがいで幸せなことです。」
「仕事をして気分転換にもなるし、とても幸せだし、家にずっといるよりやりがいがあります。子供は病気で、夫も家にいないので、こうして動くことは嬉しいです。」
調理スタッフ
CSCsが今後もウクライナ国内の人々の生活と自立を支えられるよう、新拠点の整備等にも取り組んでいます。
---------------------------
記事執筆/
海外事業部
小川さくら