【カンボジア】洪水後の感染症対策に奔走する中で起きた「幸せ」

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【カンボジア】洪水後の感染症対策に奔走する中で起きた「幸せ」

【アジアレポート/2020年11月_Topic01】

 
2020年10月にカンボジアで起きた数十年に一度と言われる大洪水で、テラ・ルネッサンスが支援するカムリエン郡も作物や家畜に被害が出ました。

  
家畜銀行から、支援していた鶏が流されたり死んでしまったりなど大きな被害となりましたが、一方でヤギや牛などの家畜は直接的な洪水の影響は受けませんでした。
  
洪水発生時に「ヤギを高床式の家の上にあげて、水が引くまでしのいだ」という村人もいて、家畜を大切にしてくれていることが分かり嬉しくなりました。
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↑ 地雷被害者が飼育するヤギの感染症を確認する農業専門家

一方で水が引いた後も湿った土の状態のせいで、手足口病などの感染症が牛やヤギを中心に、カンボジア全土で発生し、カムリエン郡でも十頭前後の牛が死んだという情報が、農林水産局の農業専門家から知らされました。
  
適切に治療をすれば大きな問題にならない感染症ですが、放っておくと妊娠したヤギや牛は死産となったり、生まれてきた子どもが早く死んでしまったりするそうです。そのため、カウンターパートの農業専門家とともに家畜をしている世帯に対して、「気をつけて家畜を観察し、もし異常があればすぐに獣医に連絡するよう」に伝えました。
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↑獣医(写真左の白いシャツの男性)の薬が適切かどうかを確認する農業専門家たち

最初はそれほど関心のなかった飼育世帯も、こうした注意喚起によって感染症を早めに発見し、獣医に対応してもらうことができました。
 
今のところ、飼育しているヤギや牛は死んだりすることなく飼育できています。しかし、数世帯では妊娠していたヤギが感染症に感染してしまい、母ヤギは大丈夫でしたが子ヤギが死産となったり、生まれてもすぐに死んでしまったりするケースがありました。
  
それでも、障がい者世帯への生計向上支援事業で育成した2名の獣医さんが、連日何世帯もまわって治療してくれ、被害を最小限に食い止めることができました。
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↑ヤギの餌をバイクで採ってきた地雷被害者(左)と感染症の確認をする農業専門家のサヴォン氏(右)

また、農業専門家も感染症が報告された世帯を中心に家畜の状況を確認し、飼育世帯へアドバイスをしました。
  
このように、現地のカウンターパートの農業専門家や育成した獣医さんたちがよく動いてくれました。協力して対応してくれたことに感謝です。
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↑子牛が無事生まれ喜ぶ地雷被害者のオウク・ヴィさん

そんななか、繁殖に時間がかかり、一頭の値段が高価な子牛がオウク・ヴィさんの家で生まれました。感染症の影響で子牛に影響があるのではととても心配していたヴィさんでしたが、元気な子牛が生まれてきて、安心するとともに一緒になって喜びました。

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記事執筆/
海外事業部アジア事業担当
江角 泰

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