「希望の光」を分かち合う、特別な時間:「テラ・ルネッサンスの 小川・トシャと語るランチ会」開催レポート

平和への願いを紡ぐ、特別ランチ会
2025年6月12日(木)、東京・日比谷で、日頃のご支援に感謝を込めた特別ランチ会を開催しました。ウガンダやコンゴの元子ども兵社会復帰支援に尽力するテラ・ルネッサンスの小川真吾と、自らも紛争被害者であり、難民であった経験を乗り越え現地で働くトシャ・マギーを囲み、5名の企業・団体関係者様と和やかな昼食会となりました。
会場は、これまでにも交流会等にご協力いただいている、日比谷松本楼。創業明治36年の歴史を持ち、中国革命の父・孫文を支えた梅屋庄吉氏ゆかりの地です。
希望と回復の証言:小川真吾とトシャ・マギーが語る「今」

テラ・ルネッサンス理事・海外事業部長の小川真吾からは、元子ども兵の社会復帰支援活動に関する詳細な報告を行いました。約20年間の現地での活動は、周辺国へと広がりつつあり、さらに「子どもが誘拐され、兵士にされる」という問題の根本的な解決を図りつつあります。
武装勢力の戦闘員を帰還させることにより、部隊を解体する――新たな取り組みと現在進行形の活動について、ご説明しました。

現地職員のトシャ・マギーからは、胸を締め付けられるようなメッセージが伝えられました。
紛争が続くコンゴ民主共和国では、多くの女性たちが、小さな少女も含めて性暴力の被害に遭っていること。それを誰にも言えない社会文化の中で苦しんでいる現状が、今も多く存在すること。その中で、「テラ・ルネッサンスは、被害を受けた人々の経済的な自立だけではなく、傷つけられた人々が自尊心を回復し、ふたたび自分の人生を生きられるようになることを目的にサポートをしています。」と伝えました。
トシャはさらに力強く訴えました。
「私たちが ”なんの心配もなく” 食べることができ、病気になったら治療ができ、日々生きられる環境にいるならば、今、そうでない人たちにも同じように生きられる環境を願い、勝ち取っていくこと。それこそが、私たちにとっても、本当に安心して生きられる世界になることなのです。」
そして、「アフリカなんて遠い」「私には関係ない」と言うのは簡単だが、私たちは皆つながっているのだと強調しました。
トシャ自身もブルンジ内戦で幼くして家族を失い、難民として各地を転々とした壮絶な経験を持っています。彼女が被害者から支援者、そして事業コーディネーターへと変貌していったように、ひとり一人に未来をつくる力がある、と信じて私たちは活動しています。
遠い紛争地の問題は、実は私たち自身の平和と安心に直結しています。
支援という行動は、単なる慈善ではなく、より良い世界を構築するためのアクションなのです。
平和への共通のコミットメント、そして未来へ

(集合写真:前列左より、一般社団法人日本文化伝承協会専務理事・宮澤様、株式会社LIFUL代表取締役会長・特定非営利活動法人peace day代表理事・井上様、株式会社吉野家CMO・田中様、株式会社大丸松坂屋百貨店常務執行役員・林氏様。後列左よりテラ・ルネッサンス小川真吾、トシャ・マギー、つばさホールディングス株式会社代表取締役・猪股様、テラ・ルネッサンス鬼丸昌也、啓発事業部下野)
今回のランチ会には、平和をつくる活動に関心が高く、日頃よりテラ・ルネッサンスの活動にご理解を賜っている企業・団体の経営層の皆様にご参加いただきました。
和気あいあいと和やかな雰囲気の中、食事をしながらの質疑応答タイムでは、思わず雑談で話が弾むことも。参加者の皆さまそれぞれが取り組んでいる支援活動や、従業員の方々と向き合うにあたって大事にしておられることなど、貴重なお話を伺うこともできました。
参加者の皆さまからは、
「ここにいるのは行動も伴っている方々。ぜひこれから、世界を平和にしていくための、核となっていきたい」
といった心強いご発言も聞くことができ、とてもうれしく、また、気がひきしまるような思いでした。

終わりに
ランチ会の会場となった日比谷松本楼の窓からは、樹齢400年という大イチョウの木が見えました。
窓の外で、この木の写真を撮っている方々がいました。
トシャ・マギーは、
「この大イチョウは日本の戦争を乗り越え、今も力強く立っているんだね。写真を撮っている年配の方は、当時のことを思い出しているのじゃないかな・・・。」
とつぶやきながら、見つめていました。
「アフリカの今」と「昔の日本」が重なり、さらに未来への希望の光が見えたようにも感じた瞬間でした。

テラ・ルネッサンスのヴィジョン、「世界平和の実現」は、テラ・ルネッサンスだけでは達成できません。
世界平和を思い、テラ・ルネッサンスの活動に共感をしてくださり、お忙しい立場を縫ってこの場にご参加いただいた皆さまに心から感謝申し上げます。
また今後も、講演活動やイベントと合わせて、こうした少人数でじっくり語り合う機会や、勉強会を設けていきたいと考えています。その際にはぜひまた、ご参加ください。
私たちは「微力ではあるが、無力ではない」。
ヴィジョンの実現を目指して、これからも活動を続けていきます。
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記事執筆/
啓発事業部
下野