勉強会を開催しました ービジネスと人権を学ぶ
こんにちは!広報室インターンの栗本です。
先日、弊会内で「ビジネスと人権」をテーマに勉強会を開催しました。講師には企業の人権に対する取り組みに伴奏支援を行う継青堂の樋口利紀さんをお迎えし、啓発事業部や国際部で企業連携を担う職員が中心に参加しました。本ブログでは、その内容と学びをご報告します。
ビジネスにおける人権侵害
勉強会ではまず、ビジネスにおける人権侵害の歴史から始まりました。1970年代のグローバル化の進展に伴い、多国籍企業が世界中で活動する中で、児童労働や環境破壊、低賃金労働などの人権侵害が問題視されるようになりました。
このように顕在化した企業による人権侵害に対応するため、2011年に国連は「ビジネスと人権に関する指導原則」を承認しました。この原則では、企業には人権侵害を避けるだけでなく、起きてしまった後の是正や救済についても責任を持つことを求めています。
日本企業の取り組みから
その後は、具体的に日本の企業がどのような取り組みをしているのかという事例を、公開情報から2つほど紹介していただきました。各社がどのような取り組みをしており、それをどこまでホームページでも公開しているかということを比較することで、人権に取り組む企業でもかなり濃淡があることを感じました。
このセクションでは、参加者からの質問も多く聞かれ、「企業が人権の問題に取り組む際の課題は?」という質問にはノウハウがなかったり、資金不足があったりということを教えていただきました。
勉強会には、人権問題に詳しいUNDP(ヒューマンライツ・ナウ事務局次長)佐藤暁子弁護士と、テラ・ルネッサンスの監事でもある北浜法律事務所の河浪弁護士も同席して、職員からの質問に答えたりディスカッションに加わってくださったりしました。

セミナー風景
企業が人権に取り組むメリットについて
「企業側が取り組むメリットは?」という質問に対しては、グローバルな市場への拡大、新たな取引先の獲得、従業員の確保・定着という長期的な視点での大きなメリットがあることを学びました。他にも、ふだん企業が取り組んでいる働きやすさ(長時間労働の改善やダイバーシティ&インクルージョン)の追求なども重要な人権尊重であり、企業にとってより身近なところからでもグローバルスタンダードへと意識を高めていける、というお話も印象に残っています。

勉強会での議論の様子
NPOが果たせる役割
勉強会の後半では、人権問題に対するNPOの役割に関する議論が展開されました。樋口さんからはNPOは情報提供者、監視・評価者、専門家としての貢献などの役割を果たすことができると伺いました。企業だけでは難しい、現地で活動しているNPOだからこそ果たせる役割があるということを実感し、企業とNPOが協働して、社会をよりよい方向に動かしていけるという希望をもちました。

勉強会後の集合写真(左から、テラ・ルネッサンス啓発事業部長の藤森、理事長の吉田、継青堂の樋口さん、河浪弁護士)
学びを通じて感じたこと
普段何気なく手に取るものの先を辿っていくと、重大な人権侵害の可能性があることを改めて理解し、企業側の人権尊重の取り組みに期待するだけでなく、消費者としてもその背景を知ったうえで、選んで購入する責任があることを感じました。また、テラ・ルネッサンスの広報で働くインターンとして、人権という視点を常にもち、知識をアップデートしながら活動していきたいと感じた勉強会でした。
記事執筆/
広報室インターン 栗本