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『景色はつながる』04.ウガンダ

『景色はつながる』は、冬季募金キャンペーン『この景色の先に。』は、期間中に配信する特別連載ブログです。本シリーズでは、テラ・ルネッサンスが支援する方々が「これまで見てきた景色」、そして「今見ている景色」についてお伝えしています。

第4弾となる本ブログは、ウガンダの「南スーダン難民・ホストコミュニティの最貧困層に対する自立支援プロジェクト」に着目します。南スーダンでは、長く続く国内紛争により、今も多くの方が難民として避難生活を余儀なくされています。UNHCR国連高等難民弁務官事務所は、2021年10月時点で、100万人を超える難民が南スーダンからウガンダに入国していると報告しています。実に、全体で約240万人いる南スーダン難民の約42パーセントに上る人々が、ウガンダに逃れています。

(参考:https://data.unhcr.org/en/situations/southsudan)

テラ・ルネッサンスが活動を行うウガンダのアジュマニ県、パギリニア難民居住区も、南スーダンから逃れてきた方が暮らす地域です。テラ・ルネッサンスは、で2017年から緊急人道支援を開始し、2018年から本活動を行ってきました。

そんなアジュマニで一期生だった木工大工クラス一期生ルイスと、洋裁クラス一期生のバーバラ二人の、難民になったばかりの頃に見ていた景色、訓練生としてテラ・ルネッサンスに出会ったときに見ていた景色、卒業後の今見ている景色、そして最後にこれから見たい景色についての想いをご紹介します。

木工大工クラス訓練生ルイスさん(1期生)

木工大工クラス訓練生ルイスさん(1期生)

【一番左がルイスさん】

ルイスさんは、テラ・ルネッサンスで木工大工の訓練を受けていました。南スーダンにいるときは、父・母・兄弟で暮らしており、学校にも通っていました。しかし、政府軍対反政府軍両方から市民への攻撃が始まってからは、身を守るために逃げる生活が始まりました。もちろん学校にも通う事はできなくなり、逃げる途中で家族とも離れ離れになってしまったと言います。

パギリニア難民居住区に来た当初のことを振り返り、ルイスさんは次のように語ります。「パギリニアに来た時、はじめ生活は絶望的だった。お金もないし、学校にも行けないし、やることがなく時間が過ぎていった。ただただつらい生活だった。」


しかし、テラ・ルネッサンスでの訓練が始まってからは、彼が新しい可能性を感じ始めたことがその後の彼の言葉からうかがえます。

「少しずつ、スキルを身につけて、いろんなものを作れるようになった。次第に木工大工の技術への関心が高まり、これからも続けていきたいと思うようになった。」


その後、自分の木工大工のスキルに自信を持てたルイスさんは、不安なくビジネスをスタートしました。家族とも再会し、一緒に住み始めているだけでなく、兄弟の学費、家族の医療費、食費をまかない、家族をサポートしています。食糧支援を受けずとも、自分で収入を得るスキルを身に着けたルイスさんは、自分で食糧を調達する事ができます。


南スーダンで紛争がどのように始まり、なぜ未だに続いているのか知っているのか彼は知らないと言います。原因も分からない紛争から、とにかく必死で身を守るうちに難民となり、故郷を離れ、教育の機会も、家族と共に過ごす家もすべて失い絶望を感じていました。しかし、今ではスキルを身に着けルイスさん自身が新しい景色を見ているだけでなく、彼の景色が、家族の新しい景色にもつながっています。

洋裁クラス訓練生バーバラさん(1期生)

洋裁クラス訓練生バーバラさん(1期生)


バーバラさんは、洋裁クラスの訓練をうけました。紛争が始まる前まで、夫、子ども3人、義理の母親、義理の妹・弟と一緒に暮らし、「良い生活」を送っていたと言います。

しかし、戦争により隣人の一人が政府軍によって射殺されたことをきっかけにウガンダに逃れることを決め、難民となりました。もちろん、家具や貯蓄している財産をすべて置いて逃げてきましたたった二種類の調理器具と一つのマットレスをもって逃げてきたのです

 
パギリニアに到着したばかりの頃、彼女が見ていた景色も、深刻なものでした。食べるものも、お金も、できることも何もない中、多くの人が一カ所に集められ生活していました。そのような環境で、コレラが流行し、多くの人が病気になり命を落とし始めました。バーバラさんの親戚も命を落とします。その後、家が支給され、生活が落ち着くかと思われましたが、「変わらず経済的に厳しく、十分な生活を送れているとは言えない状況が続いた。」と彼女は振り返ります。

さらに、苦しい生活のなかから夫はバーバラさんに暴力を振るうようになりました。その当時、産後で体力が落ち、生まれたばかりの赤ちゃんの身体を洗う石鹸を買うこともできないボロボロの生活の中で、テラ・ルネッサンスと出会いました。

テラ・ルネッサンスの訓練(職業訓練)が始まったばかりの頃の気持ちを彼女は次のように述べています。

「とてもワクワクしていました。やっと、自由が与えられると思いました。訓練に赤ちゃんを連れて行くこともできたし、昼食の時間には学校に通う子たちが昼ご飯を食べに戻ってこれて、生活と両立できたのをとてもありがたく思います。トレーニングは順調で、色んな種類のドレスデザインができるようになっていったことをよく覚えています。今は仲間とスキルをシェアしながら、習ったことがないようなカバンを作ることもできます。」

訓練を終えた彼女は、自分や家族のために服が作れるようになっただけでなく、肉や野菜を買い、薬代をまかなう事もできるようになりました。夫との関係性も改善されました。

さらに、バーバラさんは今度は自分の生徒を持ち、テラ・ルネッサンスで身に着けた洋裁スキルを教えています。彼女がスキルを身に着けることで得た新しい景色は、彼女ひとりのものにとどまらず、家族や同じように困っている女性たちにも新しい希望とともに繋がりひろがっているのです。

景色は、繋がる。景色を、つなげる。

景色は、繋がる。景色を、つなげる。

【南スーダン難民居住区での物資支援の様子】

このブログでは、はじめに木工大工の訓練生であったルイスさん、そして洋裁クラスだったバーバラさんをご紹介し、お二人がこれまで見てきた景色、そしてその景色が新しい誰かの景色へと繋がっていく様子をお伝えしました。最後に、お二人が見たい景色について、ここまでブログを読んでくださった皆さまと共有したいと思います。

ルイスさんは、次のように述べます。「今はもっといい商品をつくれるように自分の技術を磨いていきたい。そしてお金をためて、いつか自分の家を建てたい。あと、今いる彼女と結婚したいな…(笑)そして、南スーダンに平和が訪れたら、国に帰って向こうで建てたい。なぜなら南スーダンが自分の生まれ育った国であることは間違いないし、そこが自分の国だから。なぜ南スーダンの紛争が始まり、今も続いているのかはわからないけど、平和に暮らせる日が来るのを待っている。」

次に、バーバラさんはこれから、どのような景色を見たいと思っているでしょうか。彼女の夢を次のように話してくれました。「自分の夢は、人から尊敬されるような人になること。そして、自分の家族に対して責任を持つことができる女性になることです。ずっと家族で平和に仲良く暮らしていきたいと思っています。また、子どもにはいい教育を受けてほしいとも思っています。なので、自分が働けなくなる歳まで、洋裁を続けて子どもたちをサポートするつもりです。そして、戦争がなくなったら南スーダン帰りたいです。今までは和平合意ができては破られての繰り返しだったので、そんな簡単には戻れると思っていません。戻れる日を夢見て、今はここ(パギリニア)で洋裁に集中したいと思います。」

◆◇ 冬季募金キャンペーン2021 ◇◆ 実施中!

◆◇ 冬季募金キャンペーン2021 ◇◆ 実施中!

今回ご紹介したルイスさんとバーバラさんは、南スーダンにいる時も、パギリニアにいる今も、いろんな景色をみてきました。その景色は、決して幸せで美しいものばかりではありませんでした。むしろ、自分の身を守り、大切な家族をまもるために何も持たずに難民となった、恐怖と絶望の景色でした。

 

しかし、テラ・ルネッサンスで職業訓練を受け、スキルを身につけ、自分自身の手で見たい景色を思い描くことが可能になり、さらにその景色を周りの人へとつなげていく様子は、とても力強く、そして美しいと思います。

テラ・ルネッサンスでは、2021年11月18日から2022年1月12日まで、冬季募金キャンペーンを実施しています。アジア・アフリカの紛争被害者の方々の自立に向けた歩みを支える、弊会の活動を継続していくために、この期間に【2,000万円】のご寄付を必要としています。

今回の冬季募金のテーマ、「景色はつながる」。テラ・ルネッサンスは、これからもご支援いただくみなさんと共に、南スーダン難民のかたをはじめ、多くの困難な状況にある人が自分の力でより良い景色を掴み、そしてその景色をつないでいけるよう、活動を続けて行きます。テラ・ルネッサンスの活動がこれからも多くの人に届きますように、寄付という形で応援頂けないでしょうか。

 

 

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記事執筆/

啓発事業部インターン 村木嘉映

執筆サポート/
啓発事業部スタッフ 津田理沙

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