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『私の一歩。』啓発事業部 栗田佳典


テラ・ルネッサンス啓発事業部職員栗田佳典の『一歩』をお伝えいたします。栗田が担当する講演会事業は、新型コロナウイルスの影響により、一時はキャンセルや延期が相次ぎましたが、オンライン講演やイベント開催など工夫を重ね、この危機を乗り越えてきました。また、これから「関西NGO協議会への出向」という新しい「一歩」を踏み出します。

そんな栗田が大切にしている「想い」や「一歩を踏み出す決断」について、綴っています。
ぜひ、ご一読ください。

 

新たな形で前進。


―栗田さんから見て、コロナ禍という時間、そしてそこから少し進んだ現在はどのように見えていますか。

 

 新型コロナウイルスが世界的に広がり始めた時は、「誰がどうなれば良いかわからない。」そんな漠然とした不安が社会全体にあったように感じます。そんなストレスが誰かに伝播し、多くの人が様々な「生きづらさ」を抱えている。そんな印象でした。

今は、少し前に進んでいるように感じます。しかし、 「光が見えてきた。」というよりかは、「ずっとそこに光はあったけど、やっと社会がその光を見ようとしている。」そんな時間を今、私たちは過ごしているのではないでしょうか。

「元に戻る」というよりかは、「新たな形で前進している」という表現の方が適しているのかもしれません。そこには、多様性の広がりも感じています。私は、大変な状況の中でも、みんなが一つひとつ乗り越え、「ニューノーマル」という言葉が生まれたことに光を感じています。

新たな形で前進。

【コロナ禍以前の講演の様子】

過去からの学び


―では、今の栗田さんはどのような状態にいますか。

今は、私自身の人生で大切にしていることを続けている状態です。

私は、関わる人に「ここに光があるよ」や「こんな光があるよ」という風に、「関わる人の選択肢を増やしていく」というのが、私自身の人生だと考えています。なので、今もそれを続けている状態です。

これは特にコロナ禍で選択肢が見えづらくなっている今だからこそ、より大切にしたいです。


―ありがとうございます。私も栗田さんから沢山の選択肢を見せて頂いたと思っています。今のお話もそうだと思うのですが、栗田さんの人に寄り添う姿勢は、私には真似できない程です。なぜ、そこまで人に寄り添えるのでしょうか。


なぜなのでしょう。もしかしたら、これまでの人生に多くの後悔と学びがあったのかもしれません。

―それはどういう意味でしょうか。

 

私の中で、自分勝手に生きた18年間がありました。

それを振り返ると、「なんで、僕はこんなに自分勝手だったのだろう」と恥ずかしくなったり、悔しくなったりすることがあります。

 

特に中学生の頃の自分は、周りの誰かの気持ちを考えることができず、自己中心的な行動をしていました。中学生時代は野球部に所属していましたが、試合に出たい気持ちが勝り、試合に出ることができない仲間への配慮に欠けていた自分がいました。今思うと、わがままだったと反省しています。

多様な価値観と出会って


―その18年を振り返るきっかけは何だったのでしょうか。

高校に進学し、野球を続けて、自分の役割、仲間への感謝を学ぶ中で、高校3年生の夏、ようやくこれまでの自分に配慮が欠けていたことに気づきました。そして、大学に入って、たくさんの友人と出逢い、多様な価値観があること、それを認めることの大切さを学ぶことができたからだと思います。

出逢いを通じて、私が今まで持っていた価値観と違う部分もたくさんあると気づきました。多様な価値観の中で、自分のわがままを押し付けるよりも、そこにいる人を尊重した方が楽しい。そして、そうすることによって、自分の可能性も広がっていくことを実感しました。


そんな時に、テラ・ルネッサンスにも出会い、アフリカに初めて行きました。「百聞は一見にしかず。」自分の頭の中だけで、決めつけるのではなく、ちゃんと自分の目でみて、物事を考えるようにしようと感じました。

中高生の時の私も、この世界に様々な価値観があることを知っていたはずなんです。しかし、ちゃんと自分の心に落とし込めていなかった。やはり、中高生時代を思い出すと、後悔がたくさん思い出されます。

多様な価値観と出会って

【学生時代にアフリカに訪問した時の様子】

「恩送り」の一歩


―今の話を伺い、「18年間の後悔」というものが今の栗田さんの「人に寄り添う姿勢」につながっているような気がします。

 

そうですね。それを表すには、「恩送り」という言葉が最適かもしれません。

「恩送り」とは、今までもらった恩を、他の人に送っていくことです。直接、「恩返し」することもできますが、いろんな人に支えられて生きてきた私が、他の困っている人に「恩」を送っていく。

この考え方に出会えた時に、自分自身の人生の在り方が見つかったような気がしました。
そして、最近の私の一歩も、この考え方が大きく影響しています。


それが関西NGO協議会への出向です。大学を卒業して、新卒でテラ・ルネッサンスの職員になり、右も左もわからない私を講演会の講師として呼んでくださったり、研修や横のつながりを作ってくださったのが関西NGO協議会でした。本当に、印象的な出逢いばかりで、今の私があるのは、NGOワーカーとして新人だった時代に、支えてくれたNGOの先輩方のおかげです。

そんな組織をより良くするためにも、今回の決断がありました。
「恩送り」の一歩

【講演で話す数年前の栗田】


―「恩送り」からつながった新しい「一歩」だったのですね。

今回の「一歩」を踏み出すときはどのような心境でしたか。そして、栗田さんが決意する時に、大切にしていることはなんですか。


今回の出向は、「今」を考えると、少し不安もあります。ただ、その先の自分やそれに関わる人の「未来」を考えると、「大切な一歩」ですし、「ワクワクの一歩」でもあります。


そして、人の決断にはタイミングがあると思っています。テラ・ルネッサンスに就職したいと鬼丸さんに話した時も、良いタイミングだったのだと思います。

時代の流れ、自分の環境、そして心境。たくさん考慮することはありますが、「今、動いていなかったら後悔する」という想いは、私が一歩を踏み出す時に大切にしていることです。もしかすると、後悔することが嫌なのかもしれません。後悔したくないから、「今」というタイミングを大切に、一歩踏み出してきたのだと思います。

どこかは必ず動いている。


ー「一歩」という言葉がありましたが、「前に進むこと」自体に栗田さんはどう思いますか。また、そんな人に栗田さんが伝えたいメッセージはありますか。


そうですね。私自身は、無理やり前進しないといけないという風潮はあまり好きではありません。私は、前に進まなくても、立ち止まっていても、それは大切な「一歩」だと思うんです。時には、立ち止まってもいいんです。


前を向いて、前進しないといけないわけではない。立ち止まっていてもそれも一歩なんだ。その一歩が二歩目に変わる時が必ず来る。それが少し先かもしれないし、すぐかもしれない。人にはそういうタイミングというものがあります。


二歩目を踏み出す背中を押してくれる人がいるのであれば、自分の弱みを見せながら相談してください。大事なのは、その生きづらさを抱えずに、進めないことを恥じずに、誰かに頼ってみることです。誰かに頼ることで、新しい選択肢があると思います。

立ち止まっていても、手が動いたり、頭が動いたり、どこかは必ず動いています。それも大切な一歩です。自分を否定しなくても良いということをお伝えしたいです。


ー栗田さん、ありがとうございました。

どこかは必ず動いている。

【インタビューの様子(左:栗田 右:福井)】

夏季募金キャンペーン実施中!

夏季募金キャンペーン実施中!


テラ・ルネッサンスでは、7月15日から8月31日まで、夏季募金キャンペーンを実施しています。カンボジア、ラオス、コンゴ、ブルンジの紛争被害者の方の「自立」支援のために、この期間に【1,200万円】のご寄付が必要としています。


インタビューで栗田が語った「立ち止まっていても一歩。」という言葉と、たくさんの元子ども兵の人々や紛争被害者の自立に励む姿が重なります。彼・彼女らの境遇はそれぞれです。戦闘中のトラウマに悩まされながら訓練を受ける元子ども兵の方。地雷の被害に遭い、体の一部を失いながらも家畜の世話をして、収入を得る紛争被害者の方。

時には立ち止まりながらも、彼・彼女らの眼差しの先には希望がありました。私たちはそんな彼・彼女らひとり1人に寄り添いって活動を続けてきました。彼ら・彼女らの自立への希望そのものによって、私たちが20年、平和を積み上げることができました。

その希望の「一歩」に寄り添う支援に、ご寄付という形で、ご協力いただけますと幸いです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。




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執筆担当/
啓発事業部
福井 妙恵

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