【ラオス】子どもたちを不発弾の危険性から守るために 〜ラオスで新事業の覚書(MOU)のためのミーティング開催

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【ラオス】子どもたちを不発弾の危険性から守るために 〜ラオスで新事業の覚書(MOU)のためのミーティング開催

【アジアレポート/2020年2月_Topic02】

ラオスでは、2020年4月からの新事業の開始のために準備を進めています。新事業は、ラオスの不発弾汚染地域であるシエンクアン県ペック郡ヨード・グム地域を対象に子どもたちへの不発弾回避教育と不発弾被害者を含む脆弱な世帯への生活基盤整備の支援をします。

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ヨードグム地域の家で聞き取り調査をする現地スタッフのセンケオ(写真中央)


この地域では、2017年に1発のクラスター爆弾の子爆弾で、13名が死傷する大事故が起きました。2017年3月21日午前11:30頃、ラブ・リーという10才の女の子とセン・リーという7才の女の子が学校から家へ帰る途中の道端で、不発弾(クラスター爆弾の子爆弾)を見つけました。彼女たちは、ペタンクという鉄球を投げるラオスで人気のスポーツのボールだと思い、友達と遊ぶために家へ持ち帰りました。

 

その日は、Lee家ではバーシーという伝統的なセレモニーが執り行われていて、子どもたちは庭先で遊んでいました。ラブ・リーちゃんが不発弾を取り出し、遊ぼうとしたとき、不発弾は地面に落ち、爆発。悲しいことにラブ・リーちゃんは即死、周囲にいた12名の従兄弟らも重傷を負いました。

 

この痛ましい事故を調査するなかで、子どもたちへの不発弾回避教育が不十分であること、そして不発弾被害者を含む不発弾汚染地域で生活する脆弱な世帯の生活基盤を整備することの重要性が明らかになりました。

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ラオス政府の関係機関を集めて開催したシエンクアン県でのミーティング


2月27日に、この事業のラオス政府の関係機関とシエンクアンで覚書(MOU)を交わすためのミーティングを開催しました。通常ラオス政府の関係する省庁と事業を実施するためにMOUを国際NGOは締結しますが、その手続きは、それぞれの省庁で審議をすると3ヶ月から下手をすると1年という時間がかかります。

そこでどうにか審議の時間を短縮できないかとラオス政府との話し合いの結果、関係する省庁、機関、部署の職員を集めてミーティングをすることで、一度に審議をする提案を受け、開催したものです。

 

テラ・ルネッサンスからは江角がカンボジアから参加し、現地スタッフたちとともに、メインのカウンターパートとなるシエンクアン県労働・社会福祉局の事務所の会議室で、ミーティングを実施しました。

朝9時から開始したミーティングは、事業内容を江角がプレゼンした後、それぞれの関係機関からコメントやアドバイスをもらいました。事業の内容に大枠に関しては、どの機関も問題ありませんでしたが、細かい点の修正をMOUに反映させて、それぞれの機関から署名をもらう作業になります。

 

一見するとのどかで平和に見えるシエンクアンですが、不発弾はまだ家の周りや田んぼのなか、学校の通学路にも残っています。子どもたちへその危険性を十分に伝えられれば、事故を防ぐことができます。不発撤去も進められていますが、まだ汚染されている土地の1%も撤去できていません。

まだこれから先の長い年月を不発弾の危険とともに生活しなければならないのです。2度と悲しい事故が起きないように、新事業を早く開始できるように現地での手続きを進めていきます。

………………………………………

記事執筆/
アジア事業部
江角 泰

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