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【カンボジア】ヤギ飼育世帯

【アジアレポート/2019年5月_Topic01】ヤギ飼育世帯

 JICA草の根パートナー事業として、2017年から実施しているバッタンバン州カムリエン郡での障がい者世帯への生計向上支援事業は、全3年9ヶ月の事業期間のうち、2019年4月から3年目の活動を開始しました。

これまで家畜銀行の牛、ヤギ、鶏、ハリナシミツバチのなかで、一番収入に繋がっているのは、ヤギ飼育。

実はこのヤギの飼育は、事業を立案するときに活動の中に入れるか迷いました。理由は、対象地域でヤギ飼育をしたことがある人は1人もおらず、やりたいという人がほとんどいなかったからです。

ただ、農業専門家とヤギ飼育の計画を考えると、この地域でのヤギ飼育は非常にやりやすいと考えていました。理由は土地がある程度広がっており、餌となる草木が豊富にあるため、餌代がかからないからです。

【1年目のヤギの対象世帯から返却されたヤギを2年目の対象世帯へ渡す際、早速えさをやる子ども】

 
テラ・ルネッサンスでは、受益者本人たちの意思も尊重するため、どうするか迷いました。事業開始前に人気があったのは、牛です。

牛はほとんどの人が飼育したことがあるか、飼育している人が近くにいて、見て知っています。そして、1頭あたり1,000-2,000ドルと非常に大きな収入になります。

ただ、問題は成長と繁殖に時間がかかること。販売できれば大きなまとまった収入になりますが、1年に1頭ずつしか子どもが生まれず、子牛も成長するまで1年から2年はかかります。限られた事業期間中に収入を得られるかどうかというところです。

それに比べてヤギは、半年に1回繁殖し、1回目は1頭ずつ生まれる場合が多いですが、2回目以降は2-3頭、多いときには1度に4頭生まれてくることも対象世帯にありました。

そして1頭あたりの値段が安い分、最初に2頭の雌と1頭の雄を同時に渡せる為、さらに繁殖サイクルは早くなります。

 

 【一度に3頭の子ヤギが生まれたペッチ・サルンさんの家族では、子どもたちが子ヤギの世話をする】

そこで、ヤギ飼育は、100世帯中90世帯が取り組むことにしましたが、最初は受益者たちが飼育をしてくれるか、不安があったのも確かです。

それは受益者たちも同じで、やったこともない、見たこともないことをやりたいかどうかと聞かれても、なかなかやりたいという人は少ないはずです。

そこで、最初の1年目の受益者を選定するときには、どうやって飼育し、何を食べ、どれぐらいで繁殖し、いくらで売れるのか、1から説明をした上で、やってみたいか聞きました。その説明を聞いた後で、やってもいいよといってくれる人たちがいました。

 

2年が終わり、ヤギの飼育は、対象にしていた90世帯のうち85世帯に渡すことができました。

すでに返却したいけれども、受け取る世帯の都合で、まだ手続きをしていない世帯が数家族いるため、ほぼ計画を達成できている状態です。今、2年目の世帯から返却があったヤギをどうしていくのか、話し合いをしています。

はじめは知られていなかったヤギ飼育ですが、生まれてくる子ヤギは、子どもたちにも大人気です。

受益者のなかには、子ヤギが可愛く、懐くので、一緒にテレビを見ている、ヤギを抱いて寝る、抱きしめる、中にはキスをするという嘘のような話も、笑顔で受益者たちがしてくれます。

2年目終了時点では、全体で35頭、2,275ドルの収入につながっていましたが、ここ2ヶ月で、27世帯でおよそ2倍の62頭、4,544ドルの収入にまでなりました。家畜銀行への返却が終わった世帯が販売できたようです。

今年度は、返却し終わった世帯からどんどん収入につながっていくと考えられます。
ヤギ飼育の件から、受益者にやりたいかを聞くことも重要ですが、やりたくない理由が、知らないからやりたくないのか、知っていてやりたくないのかを見極めることも重要だと気付かされました。

 

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記事執筆/
アジア事業部
江角 泰


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