アジア・アフリカで、紛争被害者の自立を支援する、日本発NGOテラ・ルネッサンス

2017年度


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◆  撤去が終わっても、地雷問題は終わらない。

 

  

カンボジアでは、1960年のベトナム戦争に巻き込まれて以来、約30年にわたっておよそ400万から600万個の地雷が埋められました。私たちテラ・ルネッサンスは、これまで、現地の地雷撤去団体MAGへの資金提供を通じ、2016年までに39.5万㎡以上の地雷を撤去。3,400名の方が安心して暮らせる土地を提供してきました。


 

 

しかし、地雷撤去が終わったからといって、問題が解決するわけではありません。地雷埋設地域に暮らす人々の多くは、主に換金作物栽培や農作業の日雇い労働で収入を得ていますが、2015年頃より換金作物の買取価格が下落し、換金作物の栽培による収入が減少。十分な生活費を得ることができていません。また、地雷被害者は身体の一部を失っているというだけで差別の対象となり、地域コミュニティの中で孤立しやすい状況にあります。


 

元地雷埋設地域に住む方の生活を支えるため、テラ・ルネッサンスは、MAGによる地雷撤去が完了した3村において、村落開発支援を実施してきました。(1)家庭菜園の推進のための有機野菜栽培訓練(2)家畜銀行の設立と運営、および飼育技術訓練(3)自治会の開催を通じ、多様な収入源を確保し、生活を安定させるためのサポートを行っています。昨年度、雨季に水が十分にあるときには、野菜の栽培だけで、1日5ドルの収入を得ていた村人もいました。



  

農村地域に住む方々が、これからも持続的に生活をしていくためには、カンボジアの伝統的な動植物の栽培および飼育の技術・知識を、再度訓練し、広めていく必要があります。また、設立した家畜銀行のサイクルが軌道にのるまで、フォローアップを継続し、村の方の飼育技術向上に努めていくことが重要です。

ホウトさんをはじめとする、日本から少し離れた場所にいる「ひとり」が、その暮らしを、大切な人と営むことができるように。

   

 

  

◆ かけがえのない人を、大切にするために。

 

   

「野菜をつくって!!」と頼まれるように。

テラ・ルネッサンスの技術訓練を受け、野菜の栽培に励む地雷被害者のチェン・ホウトさん(66歳)。現在はプライベートドクターとして働く傍ら、野菜の栽培と養鶏を行っています。訓練後は、家族で食べる野菜を市場で購入する必要がなくなり、食費を抑えることが可能になりました。余剰をご近所さんに分けることで、コミュニケーションも生まれています。今では、一時的に野菜の栽培を停止すると、ご近所さんから「野菜をつくって!」と頼まれるまでになりました。

 

 

 

カンボジア内戦が始まったのは、ホウトさんが20代前半の頃。看護の知識を身に付けていたホウトさんは、クメール・ルージュの従軍看護師としてオファーされ、入隊しました。戦闘に同行し、救急箱を担いで走っている際に、地雷事故にあい、左足の甲からつま先がふきとび、足首から下の骨がほとんどすべて折れてしまったといいます。その後、病院で左足の膝下を切断しました。

 

  

 

「娘たちに、大学卒業まで教育を受けさせたい。」

貧しい環境で育ち、地雷事故で左足を失っても、看護に関する知識と技術を持っていたからこそ、働き、生活することができたというホウトさん。「娘たちが生きるための技術や知識を身につけられるよう、大学まで教育を受けさせたい。もっと支出を削って、貯金をしておく必要がある」といいます。今後は、大好きな野菜の栽培を続けるとともに、収入源を増やすため、養鶏にも力をいれていくそうです。

  

◆ 「暮らし」を支える。支え続ける。

 

 

テラ・ルネッサンスでは、アジア・アフリカで、長期的な視点に経った自立支援を続けてきました。南スーダンでの難民支援のように、緊急時期における人道援助や緊急支援は必要不可欠です。しかし「働いて収入を得る」「安心して眠る」「ご飯をたべる」という日々の営みが続けられなければ、いつまでも自立することはできません。生活が安定しなければ、大切な人を養うことはできません。子供を学校に通わせることもできません。



 

わたしたちテラ・ルネッサンスが目指すのは「そこに住む人が自立と自治を達成し、わたしたちが必要ではなくなること」。多様な収入源をもち、自らの力で安定した生活を営んでいくには、家畜の飼育、野菜の栽培、昆虫飼育の方法など、必要な技能を身につける時間がかかります。一時的な緊急支援だけではなく、技術を身につけるに必要な時間の間、長期的に暮らしをささえ、自立までをサポートしていく必要があります。



かけがえのない人を、大切にして暮らしたいという思いは、どこにあっても変わらないものなのかもしれません。大切な家族、あるいはかけがえのない仲間を大切にするために。自分で生きていく力を身につけるために。ひとりの日々の営み、暮らしを支え続ける資金が必要です。

 

◆ 支援を届けるために、あと 【 350万円 】が必要です。(8/10時点)

 



私たちはこれからも、日本からご支援くださる皆さまと一緒に、海外スタッフ、国内スタッフ、一丸となって、アジア・アフリカの「ひとり」の暮らしに寄り添い、自立と自治を目指したサポートを続けていきます。

一方で、これらの支援を継続するための資金が不足しており、8月末までに、あと【 350万円 】の寄付を必要としています。(8/10 時点)

頂戴したご寄付は、カンボジアのみならず、アジア、アフリカなどテラ・ルネッサンスの事業地すべての事業に使わせていただきます。少し遠く離れた一人の、かけがえのない暮らしを支えるために。 ぜひこの機会に、寄付という方法で、わたしたちの活動に、お力添えください。

  

 

 

■ あなたの寄付でできること、例えばカンボジアでは

 

 

 

 

■ その他の地域でできること、例えば

 

 

 

 

 

■ 銀行振込、郵便振込をお選びいただけます

テラ・ルネッサンスでは、『クレジットカード』『銀行振込』などのお振込窓口をご用意しています。銀行振込をご希望の場合は、下記の申し込みフォーム下部にある【銀行振込】をお選びいただけます。皆さまのご都合のよい方法で、テラ・ルネッサンスの夏季募金にご協力ください。

 

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