【タイ】タイ・メラ難民キャンプへパルスオキシメーター3台を寄贈
【2026年8月 活動レポート/タイ】

こんにちは!タイ事務所の伊藤です。
本日は、タイ・ミャンマー国境のメラ難民キャンプの病院で働くゴン先生より届いた最新レポートと、台湾との協働による支援活動についてお伝えします。
国際支援の減額による危機と、現場に必要なツール
現在、約3.6万人が暮らすメラ難民キャンプの医療現場は、これまでにない大きな危機に直面しています。2025年以降の世界的な支援削減の影響を受け、キャンプ内の医療スタッフは約40%削減されました。
さらに雨期を迎えた現地では、デング熱や急性肺炎などの呼吸器感染症が増加し、少ない人数で多くの患者さんに対応しなければならない状況が続いています。
このような状況下でも見落としを防ぎ、誰もが客観的な数値で一目で重症度を判定できる医療機器が何よりも求められていました。
肺炎などの重い感染症では、見た目には現れなくても、体内の酸素が急激に減る隠れ低酸素症が起こります。これが見落とされると自力呼吸ができなくなり命を落としたり、遠くのタイ公立病院への緊急搬送が間に合わなくなるリスクがあります。
台湾事務所と協働し、パルスオキシメーター3台を寄贈
このようなニーズに応えるため、台湾事務所と協働し、台湾外交部からの資金提供を受けて高機能な充電式パルスオキシメーター3台を現地へ寄贈しました。
指に挟むだけで血液中の酸素濃度が明確な数値として表示されるこの機器により、数値を一目見るだけで誰が今すぐ処置や救急搬送を必要としているかを客観的に判断できるようになりました。


3ヶ月の幼い命を救うことができました
寄贈されたパルスオキシメーターは、さっそく現場で役立っています。
ある日の朝、外来の順番待ちをしていた生後13ヶ月の男の子が、高熱により突然激しいけいれんを起こして意識を失いました。呼吸障害を起こしかねない非常に危険な状態でした。
連絡を受けたゴン先生と救急チームは即座に気道を確保し、酸素投与を実施。
脳や全身への酸素供給量が危険な水準まで下がっていないかをパルスオキシメーターの数値で監視しながら、的確な薬物投与を実施。人手不足の救急室においても迷うことなく迅速な処置が行えた結果、発作は治まり、重度の全身感染症に対する治療へスムーズに移行することができました。
男の子は驚くほどの回復を見せ、その日の夕方にはお母さんから母乳を飲み、病棟でお姉ちゃんと楽しそうに走り回れるまでになりました。
「笑顔を取り戻した家族の姿に、現場の医療チーム全体が大きな安堵と喜びでいっぱいだった。」
ゴン先生は嬉しそうに話していました。

共に歩み、命を守り続けるために
今回寄贈した3台の機器は、現地スタッフへの研修と連動させ、正しく数値を読み取り、適切なタイミングで救命介入や外部搬送につなげる判定基準の普及にも役立てられています。
厳しい環境下にあっても、命を守るために立ち向かう現地医療チームの献身と住民の力強さこそが、医療を継続させる一番の支えです。
住民たちが少しでも安心できる医療体制を維持するため、引き続き皆さまのあたたかい応援をよろしくお願いいたします
記事執筆/
国際運動推進部タイ事業担当
伊藤あかり



