貧困の連鎖 Cycle of Poverty
© 上山敦司
「あきらめ」を、「希望」へ。
生まれた環境によって、人生の可能性が閉ざされてしまう。
この理不尽な「貧困の連鎖」を断ち切り、誰もが未来を描ける社会をつくる。
貧困の連鎖とは
抜け出せない貧困
貧困とは、単にお金がない状態を指すのではありません。 それは、教育の機会、安定した仕事、安全な暮らし、そして時には人と人との信頼関係といった、人が生きていく上で不可欠な様々な要素が複雑に絡み合い、一度陥ると抜け出すことが困難な「構造」そのものです。

それぞれの土地に根差した、貧困の背景
テラ・ルネッサンスは、この「貧困の構造」の根本原因が、
それぞれの地域が持つ歴史や社会状況と深く結びついていると考えています。

内戦の傷跡と、グローバル経済の波
長年の内戦は、多くの人々から教育の機会と生活の基盤となる土地を奪いました。さらに、紛争後の社会では、特定の作物(キャッサバなど)の栽培に過度に依存する経済構造が生まれました。これは、国際市場での急な価格下落が、人々の生活を直接脅かすことを意味します。種子や農薬代などの借金を返済できず、土地を手放し、貧困から抜け出せなくなる人々が後を絶ちません。紛争の歴史とグローバル経済の負の側面が、複雑に絡み合い、貧困の構造をより強固なものにしているのです。

気候変動と社会変化の狭間で
「牛とともに生きる」という伝統的な暮らしを営んできたこの地域は、頻発する干ばつによって深刻な食糧危機に直面しています。加えて、食糧を外部経済に頼った生活においては、ウクライナ戦争などの突発的な世界情勢の変化も人々の生活に悪影響を及ぼし、環境の変化に対応できない脆弱な人々はより過酷な暮らしを強いられることになります。

紛争が破壊した「人と人の絆」
植民地からの独立後から繰り返された紛争は、人々の心に深い相互不信を植え付け、コミュニティの絆を破壊しました。政治的な不安定さと相まって、人々が協力し、共に地域の未来を築こうとする力が失われたことが、経済の停滞と深刻な貧困を生み出しています。
ンダイセンガさん
空腹よりも辛かった孤独。
今、私は仲間と共に、希望の明日を生きている。
1990年代の紛争で両親が殺されて、私は孤児になりました。親戚に助けてもらって暮らしていましたが、食べ物は十分になく病気になっても病院へは行けませんでした。空腹が酷すぎてお腹が痛い日もありました。栄養失調になり、1年半の間は病院でミルクなどの栄養のある食べ物をもらうことができ、生き延びました。知り合いの紹介で結婚した夫とは関係性が良くなく殴られることもあり、次第に疎遠になりました。子どもはいますが孤独でした。
職業訓練に参加し、ビジネスを始めるための資金を得て、私は家畜を購入しました。家畜を育てて販売したり、家畜の糞を肥料として販売することで少しずつ収入を得ています。今では子ども達に毎日食事を与えることができるようになりました。
人生に困難はつきものです。でも、今、私は一人ではありません。施設で出会った仲間やビジネスを始めてからできた新しい友達がいます。支え合って生きることができます。孤独でいつ死んでもおかしくないと思っていたあの頃とは違って、今は希望があります。
「未来への選択肢」を、すべての人に
私たちの3つのアプローチ
私たちは、この「貧困の構造」を断ち切るため、
それぞれの地域の課題に合わせた、包括的な支援を行っています。
未来をつくる力を育む(教育支援)
私たちは、貧困の構造を断ち切る鍵は、その土地に根差した実践的な「知」と、未来を担う「人」を育てることにあると考えています。
カンボジアでは、農協や農村コミュニティの若者への訓練を通して、地域の課題を自ら発見し、解決へと導くことができる次世代のリーダーを育成しています。
私たちは、こうした人づくりこそが、貧困の構造を根本から変えるための、最も確かな力になると信じています。
暮らしを支える術を築く(自立支援)
援助に依存することなく、人々が自立した暮らしを営むことができるよう、私たちは各地の自然環境や文化に根ざした、多様な生計向上支援を行っています。
例えば、干ばつが頻発するウガンダ・カラモジャ地域では、天候に左右されにくい灌漑農業の技術を伝え、カンボジアでは、現金収入を得るために家畜を貸し出し、繁殖させた家畜を返してもらう「家畜銀行」を運営しています。
それぞれの地域の特性に応じた支援を通じて、一人ひとりが尊厳を持って「「生きるための術(すべ)」を身につけることが、貧困の構造を断ち切るための確かな一歩となります。
人が支え合う社会を再構築する(協同組合設立支援)
ブルンジのように紛争でコミュニティが疲弊した地域では、住民同士の和解を促進し、信頼関係を再構築します。また、ウガンダ・カラモジャでは、住民がお金を出し合い、必要な時にお互いに貸し付け合「貯蓄グループ」の形成を支援。人々が再び手を取り合い、協力して課題に取り組む「支え合う力」が、貧困を乗り越える土台となります。
メイ・ソーンさん
自分で毎日できる仕事ができて、とても嬉しかった。
私はメイ・ソーンです。現在は妻と孫の3人で暮らしています。私の人生が変わってしまったのは、1996年のことでした。戦場から戻る途中で地雷を踏み、左脚の膝から下を失ってしまったのです。
テラ・ルネッサンスと出会う前の私は、仕事もなく、心も塞ぎ込んでいました。やるせなさから、毎日浴びるようにお酒を飲んだり、あてもなく友達と出歩いたりして、ただ時間を浪費するだけの日々でした。妻が日雇いの仕事をして、なんとか生活を支えてくれていましたが、私自身の心は荒れ、家族の心もバラバラな状態が続いていたのです。
転機が訪れたのは、2017年でした。テラ・ルネッサンスの養鶏訓練に参加し、5羽の鶏を貸し出してもらったのです。正直に言うと、最初は訓練の内容に半信半疑でした。でも、習ったことをその通りに実践してみると、本当に効果が出たんです。それからは、夢中になって訓練に取り組むようになりました。何より、自分で毎日できる「仕事」ができたことが、本当に嬉しかった。家畜の世話を始めてからは、自然とお酒の量も減っていきました。
以前は出稼ぎに出ていた妻も、今では家で家畜の世話や野菜作りを手伝ってくれるようになりました。こうして家族と一緒に過ごす時間が増えたこと。それが今、何よりの幸せです。
あなたも、平和の担い手になりませんか。
あなたのご支援が、一人ひとりの未来をつくるチカラになります。

1,500円のご支援で
地雷の影響を受ける地域の子どもたちが1ヶ月間学校に通うことができます。

10,000円のご支援で
生計向上を目指す家族に繁殖用のヤギを1頭提供することができます。