子ども兵 Child Soldier
銃を握らされたその手に、
未来を築く力を。
兵士にさせられた子どもたちが、再び夢を描ける社会へ。
人が本来持つ「生きる力」を呼び覚まし、一人ひとりの「自立と自治」から始まる平和を、共に創り出します。
子ども兵とは
兵士にさせられた子どもたち
「子ども兵」とは、18歳未満で武装勢力や政府軍の兵士として利用されている子どもたちのことです。
戦闘員として銃を持たされるだけでなく、伝令係、炊事係、さらには性的な搾取の対象とされる少女たちも含まれます。その数は世界で25万人とも言われ、今この瞬間も、多くの子どもたちが過酷な現実に直面しています。
国連の最新報告書によると、2024年だけでも、世界中の紛争で7,402人もの子どもたちが兵士として徴兵・利用されたことが確認されています。
ただし、紛争地では正確なデータを収集することが難しいため、実際にはもっと多くの子どもたちが被害に遭っていると考えられています。
こうした子ども兵らは、人間としての尊厳を奪われ、心と身体に生涯癒えないほどの深い傷を負うのです。

子ども兵が存在する国々

国別の子ども兵の数
-
深刻(500人以上)
- コンゴ民主共和国
- 2,365
- ナイジェリア
- 974
- ソマリア
- 768
- シリア
- 527
-
中程度(50〜499人)
- ミャンマー
- 482
- コロンビア
- 450
- モザンビーク
- 403
- 中央アフリカ共和国
- 331
- ハイチ
- 302
- マリ
- 285
- イエメン
- 182
- レバノン
- 76
- 南スーダン
- 68
- ブルキナフォアソ
- 68
-
少数(50人未満)
- 二ジュール
- 35
- イスラエル・パレスチナ
- 27
- スーダン
- 25
- アフガニスタン
- 11
- イラク
- 7
- フィリピン
- 7
- エチオピア
- 5
- ウクライナ
- 2
出典:UN Secretary-General, "Children and armed conflict," 2025 (A/79/878-S/2025/247) をもとに作成
奪われた子ども時代

子どもたちが兵士になる理由
子ども時代は、本来、学びや遊び、安心できる家族との時間で満たされているはずです。しかし、紛争地では、子どもたちが銃を取らざるを得ない、悲しい現実があります。
- 貧困と飢え
- 家族を養うため、あるいはその日の食事を得るため、自ら武装勢力に加わる子どもたちがいます。彼らにとって、それは生きるための唯一の選択肢なのです。
- 強制的な誘拐
- ある日突然、武装勢力に村が襲われ、強制的に連れ去られる子どもたちも少なくありません。拒めば、本人や家族の命が危険にさらされます。
- 社会からの孤立
- 紛争で親を失った孤児や、保護者をなくした難民の子どもたちは、特に狙われやすい存在です。守ってくれる大人がいない彼らにとって、武装勢力は唯一の「居場所」となってしまうことがあります。
- 復讐心や憎しみ
- 紛争によって家族や友人を殺された子どもたちは、復讐心や憎しみから武装勢力に加わることもあります。

故郷に帰れても、終わらない闘い
運よく生き延び、故郷の村に帰還できたとしても、彼らの戦争は終わりません。故郷に帰った後も元子ども兵たちには、さまざまな困難が待ち受けています。
- 心の傷(トラウマ)
- 家自らが受けた暴力、そして他者を傷つけてしまった記憶は、悪夢や精神的な不安定さとなって彼らを苦しめ続けます。
- 社会からの偏見
(スティグマ) - 地域社会からは「人殺し」という負の烙印を押され、偏見や差別の対象となり、孤立してしまいます。
- 失われた機会
- 教育を受ける機会を奪われ、読み書きもできず、手に職もない。未来を描くための土台そのものが、彼らにはありません。
マーガレットさん
「元子ども兵」という烙印と、病。
それでも家族のために、今日を生き抜く。
15歳のとき、私は誘拐され、反政府軍での生活を強いられました。22歳で村に帰ってくるまでの7年間、私の人生は一変してしまいました。軍では、自分の父親と同じくらいの年齢の兵士と強制的に結婚させられました。彼には、私を含めて24人もの妻がいました。戦いの中で背中を撃たれ、心にも体にも深い傷を負いました。運よく村に戻ってきましたが、待っていたのはさらなる過酷な現実でした。自分がHIVに感染していることを知り、さらに「元子ども兵」だということで、地域の人たちから何度も激しい非難を受けたのです。私の両親はもういません。以前いた二人の子どものうち一人を亡くし、今は13歳の子と、4人の弟妹と一緒に暮らしています。病を抱え、差別にさらされながら、家族5人を養っていくのは決して簡単ではありませんでした。
※名前は仮名です。
「元子ども兵」から、「未来の担い手」へ
私たちの4つのアプローチ
テラ・ルネッサンスは、マーガレットさんのような若者たちが困難を乗り越え、
自らの人生を取り戻していくための、一人ひとりに寄り添った支援を行っています。
いのちの基盤を整える(BHN:医・食・住支援)
職業訓練期間中は、参加者が不安なく訓練に集中して取り組むことができるように、医療、食糧、住居についての支援を行います。
心の傷を癒す(心理社会的サポート)
カウンセリングや、同じ境遇の仲間と語り合うピア・カウンセリングを通じて、トラウマを乗り越える手助けをします。彼らが再び他者を信じ、自分自身を肯定できるようになるための、重要なプロセスです。
社会との絆を取り戻す(平和教育・和解促進)
元子ども兵と地域住民が対話する場を設け、相互理解を促進します。お互いの状況や境遇を社会全体で理解し、彼・彼女らが再びコミュニティの一員として受け入れられるよう、和解のプロセスを粘り強くサポートします。
生きる術を身につける(教育・自立支援)
基礎教育訓練で「学ぶ機会」を、洋裁や木工などの職業訓練で「生きるための技術」を提供します。経済的に自立し、尊厳を持って生きる力を育むことで、彼らが未来の平和の担い手となることを目指します。
マイクさん
自らの力で「家族の笑顔」を取り戻す
10歳のとき、私は誘拐され、11年もの間「子ども兵」としての生活を強いられました。 ようやく救出され、家族のもとへ帰れると知ったときは、心から安堵したのを覚えています。しかし、故郷で待っていたのは、家族からの激しい嫉妬と差別でした。 支援団体に建ててもらった家が立派すぎたことで、家族から「裏切り者」と呼ばれ、親戚に命を狙われたことさえあります。 頭に残った弾丸が絶え間なく疼(うず)き、心も体も限界でした。
それでも、私は諦めませんでした。 自ら地域のリーダーたちに助けを求め、粘り強く対話を重ねた結果、ようやく私の潔白が証明され、家族との和解を果たすことができたのです。現在は、テラ・ルネッサンスからの支援を受けて始めた店を経営し、愛する妻と赤ちゃんと共に、穏やかな毎日を過ごしています。 今の私は自信と笑顔を取り戻すことができました。
※名前は仮名です。
紛争のサイクルを断ち切るために
紛争の根本解決へ
元子ども兵の「帰還」を実現する
私たちの支援は、社会復帰を待つだけでなく、今もなお兵士として囚われている若者を故郷へ「帰還」させる活動にも力を入れています。
若者を紛争から引き離すことは、武装勢力から兵士をなくし、組織を内側から解体していくことに繋がります。私たちは、この帰還支援こそが、紛争そのものを終わらせるための、重要な一手であると信じています。

あなたも、平和の担い手になりませんか。
あなたのご支援が、一人ひとりの未来をつくるチカラになります。



