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【国内職員インタビュー連載 Vol.1】「私にも、何かできるかも」ー専業主婦からNPO職員に。 出会った人たちのあたたかさと歩んだ11年のストーリー

 

 イベントやSNSなどを通じて目にする機会の多い海外駐在スタッフ。しかし、テラ・ルネッサンスの活動は国内で働く職員の存在なしには成り立ちません。この連載では、テラ・ルネッサンスにはどのような職員がいて、どのような想いで働いているのかをインターンによるインタビューでお届けしていきます。多様なバックグラウンドを持つ職員たちの等身大の姿を通して、「国際協力との関わり方」を少しでも身近に感じていただけたら幸いです。 
 

 記念すべき第1弾は、事務局本部で寄付管理を担当する上野知子さんに広報室インターンの栗本がインタビューしました!
 

 「国際協力のNPO」と聞くと、専門知識を持った人や高い志を掲げた人が集まる場所、というイメージを持つかもしれません。しかし、今回お話を伺った上野さんは「もともと国際協力にまったく関心がなかった」と自然体で語ります。そんな上野さんはなぜ11年もの間、テラ・ルネッサンスで支援者データ管理を支え続けているのか。そこには、関わる人のあたたかさや、居心地のよさに導かれて歩んできた、上野さんの素顔と等身大のストーリーがありました。

データに向き合う日常と、支援者の方から届くあたたかい言葉
 

栗本:今日はよろしくお願いします。いつもの上野さんの雰囲気でリラックスしながらお話しを伺えたら嬉しいです。さっそくですが、現在担当している具体的な業務と1日の流れを教えてください。
 

上野さん:主に、支援者の方の情報を管理するデータベース(Salesforce)の運用を担当しています。お名前やご住所、ご連絡先はもちろん、「単発の寄付をくださった方」「毎月のご支援をしてくださっている方」など、支援者の方のカテゴリーを細かく分け、他部署がデータ分析やメールマガジンの配信などに使いやすいようシステムをカスタマイズしています。
 

 1日のルーティンとしては、まず朝一番に内部の連絡ツールやメールで届くお問い合わせの確認から始まります。ご支援の口座変更の手続きや寄付の振込名義の照合などですね。午前中はこうした確認や外部・内部との調整作業が中心です。
 

 午後からは、最近だと春に実施したクラウドファンディングのデータ登録や、年に一度お送りする年次報告書の発送に向けて、送付対象者の抽出や宛名ラベルを作成したりします。その際、「メールはOKだけど紙の送付は不要」といった支援者の方一人ひとりのご希望に合わせて確実に除外設定をするなど、細かな設定ミスがないよう条件を組んでいます。 
 

 最近は業務量も多くなったので、データ照合や封入作業などを外部にお任せしつつ、自分一人で構築してきたシステムを「誰でも作業しやすい仕組み」へと整理していくことにも力を入れています。

手帳にタスクを書き込みながら、今日の業務を整理
 

栗本:お話を伺っていると、本当に緻密で地道な業務の積み重ねで成り立っているお仕事だと実感します。そうした作業に向き合う中で、やりがいを感じる瞬間はどんな時でしょうか? 
 

上野さん:正直に言うと、普段の業務は目の前のデータを間違えないように必死で、毎日「世界の平和のために」なんて意識しながら作業できているわけではありません(笑)。エクセルの1セル1セルと向き合うような、すごく細かい作業の連続なので。
 

 ただ、職員である小川さんのドキュメンタリー映画を観たり、鬼丸さんの講演を聞いたり、25周年の記念イベントなどで支援者の方と直接お会いした時に、ハッと目の前がひらける感覚になるんです。「最前線で命がけで活動してくれている人がいて、自分がやっているこのワンクリックもその先に繋がっているんだ」って引き戻してもらえる。
 

 そして何より、支援者の方々から届くメッセージにはいつも胸を打たれます。生の声を聞くことはあまりないですが、ご寄付のコメントに「ありがとうございます」「応援しています」「スタッフの皆さん、お体に気をつけてくださいね」といった言葉を添えてくださるんです。そんなあたたかい人たちのメッセージに触れるたび、お給料をいただきながら「ありがとう」と言っていただけるなんて、あり得ないくらいありがたい仕事だなと感じています。

細かいデータ作業の合間、支援者からのメッセージに目を通す上野さん
 

国際協力とは無縁のスタートから、縁に導かれて出会った「神様みたいな人たち」
  

栗本:長年テラ・ルネッサンスで働いている上野さんですが、入職前のキャリアや、テラ・ルネッサンスとの出会いについてもお聞かせください。
 

上野さん:若い頃は普通の会社で事務や会計などを経験し、その後は家業の手伝いを経て、長らく専業主婦をしていました。国際協力というものに出会うこともなかったし、紛争や戦争ってニュースとかで知っていつつも、特に何か支援をしなければという想いまで至りませんでした。出会いは16年ほど前、PTAの役員をしていた時に創設者の鬼丸さんの講演を聞いたのがきっかけです。講演内容は……実はあまり覚えていないんです(笑)。でも、聞いていて直感的に「私にも何かできるかも」と思ったんです。何かできるかも、というのは職員として関わろう、ということでは全くなくて、一つの生きてるものとして、何かできるかもと思いました。それで、その場で個人賛助会員の申し込みをしたんです。
 

栗本:講演の内容よりも直感で心が動いたのが印象的です。そこから、どのような経緯で実際にスタッフとして働くことになったのでしょうか? 
 
上野さん:数年ほど一支援者として関わる中で、「具体的にどんな活動をしているんだろう」と気になり、事務局に問い合わせた際、職員の方に一度事務局に来ませんかと誘っていただきました。そうしたら、たまたまお礼状の作成などでパートタイムの仕事があるのでどうですか、というお声がけがあって、私でよければ、ということで2015年8月に週3日くらいのパートタイムでスタートすることになりました。
 

 そこから徐々にSalesforceなどの専門的なシステム作業も増えていったのですが、周りのスタッフが本当に丁寧に教えてくれたんです。何回同じことを聞いても絶対に怒らず、自分の持っている知識を惜しみなく隅から隅まで教えてくれる。「今までこんな人に出会ったことがない」と驚きましたね。
 

栗本:未経験からのスタートをあたたかく迎えて、惜しみなく教えてくれる仲間がいたんですね。周りのスタッフや支援者の方のことを「神様みたいな人たち」と語る上野さんですが、11年間、テラ・ルネッサンスでの仕事を続けていらっしゃいます。長年続けてこられた理由や、その原動力を教えてください。 
 
上野さん:たまたま縁があって入れてくれたところだったので、長く働くというのは思っていなくて。ただ蓋を開けてみたら私にとっていいことばかりだったんです。
 

 まず、居心地がいい。楽できる、という意味ではなくて、学びが多いし、自然に学べる環境なんです。紛争のことだけでなくて、人としての学びがすごく多くて。
 

 自分の大事なお金を人のために使う人って、まずそれだけですごいじゃないですか。 そういうすごく魂の清い人たちが、 すごいことしてるにも関わらず、「支援させてもらってる」という姿勢で関わってくださる。 そういう支援者さんに囲まれてると思うと、すごいなと思います。あとは、 中で一緒に働くスタッフ。 頭もいいし、気も利くし、全てバランスが取れていて、尊敬できる人たちばかりです。
 

 大変な時期もありましたけど、テラ・ルネッサンスにいると不思議と必要なタイミングで良い出会いや手助けが巡ってくるんですよね。鬼丸さんに聞いても『そうなっているんだよ』と言われるくらい。言葉では言い表せない良い流れがあるからこそ、「こんな場所は他にないな」と思って長くいさせてもらっています。
 

誰もが使いやすいシステムの構築を 

 

栗本:それでは最後に、上野さんがこれから挑戦してみたいことや描いているビジョンがあれば教えてください。
 

上野さん:プライベートな夢としては、いつかアフリカのコンゴ民主共和国に行ってみたいです! 

 私は、完成された綺麗なものより、泥臭くて「人間くさい」ものがすごく好きなんですよね。綺麗に飾られた場所ではなく、現地で生きる人たちのエネルギーを直接肌で感じてみたくて。だからいつか現地に足を運んで、その場の空気感を味わってみたいというのが大きな夢ですね。
 

 仕事面だと、今の業務が「やらなければいけないこと(Have to)」であり、私にとって「やりたいこと(Want)」でもあります。Have toだけだとしんどいじゃないですか。
 

 知ってる作業だけをやっていたら楽なんですけど、今持っている業務には色々問題があって。悪い意味ではなく、専門的な課題も多くて、「無理かも」としんどくなることもたくさんあります。
 

 でも、私ってすごく負けず嫌いなんですよね。「この人できへんわ」と思われるのが悔しいから、一極集中して、「とりあえずやってみる!絶対やる!」と向き合うんです。昨日もギリギリまで粘って完成したことがあって、それが私にとってすごい嬉しいこと。その小さくて、嬉しいことをしたいです。

 あとは、組織が大きくなってきたからこそ、かつて周りの人が私に知識を惜しみなく分けてくれたように、私が構築してきたSalesforceの知識やノウハウを惜しみなく提供したい。スタッフみんなが使いやすくて、やりたいことを自分たちでできる環境を作れるように、というのが定年までのゴールですね。
 

上野さんの明るいお人柄で、和やかに進んだ当日のインタビューの様子

 

【編集後記】

 普段から、京都事務局でインターンにも気さくに声をかけてくださる上野さんですが、インタビューの中での「私にも何かできるかも」「負けず嫌い」というような言葉から、内に秘めている熱い想いを感じました。最後に伺った、今後の目標と夢が上野さんらしくて素敵です。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!

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