「偽善なんだ・・」途上国支援を始めて見えたことと、それでも世界は変えられるということ(仮)
戦争が起こると、真っ先に犠牲になるのが子どもたち。アフリカをはじめ世界各地では、毎年数万人の子どもが武装勢力に誘拐され、兵士として強制的に銃を取らされています。なぜこのような、悲しい現実が起こるのでしょうか?国際紛争と私たちの暮らしとは、密接に関わっていることが分かりました。
戦場で、大人に“使い捨て”にされる子ども兵たち
「今お前の飲んだ薬は、神さまが与えてくださった薬だ。だから、これを飲んだお前は、銃弾に当たっても決して死なない。刀で傷つけられても、決して死ぬことはない。だから行け!だから、戦え!」
そう叫ぶ指揮官からの命令で、最前線に送り出される子ども達がいること、あなたはご存知でしょうか?その前に子ども達が飲まされていたのは、お茶の中にマリファナと砂糖を混ぜた「マリファナ茶」。興奮状態にしてだまし、恐怖心をなくさせることで、敵に突撃させているのです。
武装勢力に誘拐されて、銃を取ることを強要された「子ども兵」。彼らは、軍隊のなかで過酷な扱いを受けています。
大人の兵士と同じ訓練や労働をさせられるのに、給料や食糧はいつも後回し。言うことを聞かないと、見せしめのため「唇を刈り取る」「鼻を十字に傷つける」といった罰を受けます。地雷が埋まっているかどうかを確かめるため、地雷原を歩かされることさえあるそうです。
200●年、私たちが子ども兵の問題について初めて知った時、知れば知るほど、その残酷さに「なんとかしなければ!」と言う気持ちを抑えられなくなりました。
なぜ子ども兵たちの問題が、起こってしまうのでしょうか?調べていくと、1つの大きな原因は、「資源を巡る争い」であることが分かってきました。たとえば、携帯電話やパソコンのコンデンサーに利用される「タンタル」という金属(レアメタル)。
2000年前後にはタンタル鉱石の価格が急騰しました。
それに合わせるかのように、コンゴ東部での内戦に近隣諸国が介入。紛争が、泥沼化していきました。そして、武装勢力が紛争に勝つために、子どもたちを兵士として戦場に送り込もうとするのです。
では、この国で採れる資源は誰が使っているのか?携帯電話やパソコンを使うのは、主に先進国の消費者。少なくとも、この国の人たちではありません。
この時私は、まるで頭を殴られたような気分になりました。「紛争の原因をつくっているのは、僕らなんだ。」と。
子ども兵の課題を解決するために、私はウガンダまで来ていたつもりでした。でも、この事実を知って、私は自分のやっていることを、こう思わざるをえなかったのです。「偽善なんだな・・」
「私たちが、紛争の原因をつくっている」それでも、この事実は、見方を変えれば「問題を変えられる」という側に、私たちが立っているとも言えます。「私たちこそが、当事者なんだ」「戦争を作り出しているんだ」勇気を持って認めることで、私たちができることが見えてきました。
2004年に福島県会津若松市で講演をしたとき、ある女性の方が、話しかけてくれました。「もし私の子どもが、誘拐されて子ども兵になってしまったら・・」そうショックを受け、「私ができることはないか?」と一生懸命考えてくださったのです。
彼女は、日本の携帯電話会社や端末メーカーに葉書を書いて送りました。子ども兵の話を聞いて。ショックを受けたこと。そして、「あなたの会社の携帯電話に、コンゴ産のタンタル鉱石を使わないでください」と。
普通なら「大企業になんて、相手にされない」と、行動に移す前にあきらめてしまうかもしれません。でも、彼女は自分にできることを素直に実践しました。すると、ほとんどの企業から返事が届きました。
どの企業も、真剣に携帯電話とコンゴ産タンタルの問題を考えてくれていました。調査の結果、多くの場合、日本の携帯電話に使われるコンデンサーには、カナダやオーストラリア産のタンタルを使っていました。
ハガキを1枚1枚書いて、企業も真摯に対応してくれたことで、僕らも知らなかったことが初めてわかったのです。私たち日本人は、世界ではモノを買う立場にいます。そこで気づきました。「それなら、僕らが変わればいいんだ」
このように問題を知った一人ひとりが声をあげる動きは、世界中で広まっています。2000年代、イギリスのある新聞に、若者たちが意見広告を出しました。そこに掲載されたのは、ダイヤモンドが血塗られている写真でした。
ダイヤモンドの採掘場で、誘拐された人々が、強制労働をさせられている。人気俳優のブラッド・ピットが主演した映画「ブラッドダイヤモンド」でも描かれた問題は、当時も深刻でした。
「途上国の子ども達の犠牲のうえに、きらびやかな愛のしるしを贈ること」痛烈な皮肉を込めた、この広告は大きな話題を呼びました。
このような社会的な世論の形成は、ダイヤモンドの不法取引をめぐって、デビアス社が消費者やNGOからの名指しで非難され、社会的な信用を急落させたことにもつながっていきます。今では、ダイヤモンドの製造過程で児童労働や人権侵害が行われていないか?が厳しく監視されています。
先ほどのタンタル鉱石についても、コンゴ紛争を激化させる1つの原因として世界中で知れ渡るようになると、エリクソン、ノキア、モトローラやコンパック、インテル社など大手企業も対策を始めました。供給ルートを調べ、コンゴで不法に採掘されたタンタル鉱石の買い付けを中止するように、素材メーカーに圧力をかけるようになったのです。
一人ひとりの声を積み重ねると、企業や社会システムを、より良い世界をつくるために変えていけるのです。
私たちテラ・ルネッサンスは、「すべての生命が安心して生活できる社会(=世界平和)の実現」を目的に活動するNGO団体です。アフリカやアジアで、子ども兵のほか、地雷や小型武器の課題解決のための活動を行い、また国内では平和教育をはじめ啓発活動をしています。
「ひとり一人に未来をつくる力がある」「Life is Beautiful – 人生はこんなにも美しい-」
ですが、平和な世界づくりは、NGOが頑張るだけでは決して実現できません。先ほど書いた事例のように、企業や政府と粘り強く対話をしていき、一つひとつを実行に移していく必要があるからです。
私たちは、活動の資金をファンクラブ会員(月1,000円〜の寄付会員)約1500人に支えていただいています。たとえば月1,000円〜のご支援で、ウガンダの元子ども兵へ120食分の給食 を届けることができます。ただ、私たちがファンクラブ会員を募っているのは、資金だけが理由ではありません。
1500人の方に応援してもらっている、という事実が、社会を変えていくうえで、私たちの大きな力になっているのです。「たくさんの支持を集めている組織なんだ。」「子ども達を守るという想いは、無視できないんだ。」企業や政府に、そう実感してもらう必要があるのです。
だから、あなたがもし世界の平和を願い、そして私たちの活動に共感していただけたなら、ぜひファンクラブ会員になってください。「私たちは微力ではあるが、無力ではない」共感いただいたみなさんの力を集めて、きっとこの問題を解決して見せます。あなたも、ぜひ力を貸してください。



