「僕は、お母さんの腕を切り落とした」元子ども兵の告白した、残酷な真実とは?
「僕は、一生悔やんでも悔やみきれないことがあります。13歳のとき、僕は母さんの腕を切り落としてしまったんです」2004年3月、ウガンダ北部のグルという町を訪れたとき、チャールズ君(仮名)から聞いた言葉が、耳にこびりついて離れません。
チャールズ君(16歳)が語ったくれた、壮絶な体験
チャールズ君は、当時16歳の細身の少年。「元子ども兵」たちの、リハビリ施設にいました。NGOの調査活動で訪れた私たちと出会い、その壮絶な体験を語ってくれたのでした。
「僕には家族がいて普通に暮らしていました。ある日、お母さんが隣村まで用事で出かけました。
僕はお母さんの帰りが待ちきれず、隣村に迎えに行きました。その途中で、銃を持った兵士たちに囲まれ、反政府軍の部隊に連れて行かれたんです。」
ウガンダでは、1980年代後半から内戦が勃発していました。「神の抵抗軍」という武装勢力は、10歳そこそこの子どもたちを誘拐して、暴力やドラッグによって洗脳。銃を手にとって、戦場へと送り出していたのです。
「おまえの母親の腕を切り落とせ。命だけは助けてやる・・」誘拐された数日後、チャールズ君は故郷の村に連れて行かれます。そして、生まれ育った村を襲撃する作戦に参加させられたのです。
大人の兵士たちは、チャーズル君を村まで連れてくると、彼のお母さんを前にしてこう命令しました。
「この女を殺せ!」そういって、銃の先で彼女をこづきました。
「怖くて怖くて仕方がありませんでした。もちろん、『そんなことできない』と言いました。そうすると、今度は剣を持たされ、『それなら、片腕を切り落とせ。そうしなければお前も、この女も殺す。」と。
「ぼくはお母さんが大好きでした。恐ろしくて手が震え、頭の中が真っ白になりました。」とにかく、お母さんも僕も、命だけは助けてほしい・・
もしあなたが同じ立場なら、どんな判断をするでしょうか?チャールズ君は、手渡された剣を、お母さんの腕に何度もふりおろしました。手首から下が、落ちていきました・・
子ども兵に生まれた村や家族を襲わせる、残酷な理由
なぜ、反政府軍(神の抵抗軍)はチャールズ君の故郷を襲わせ、母親に怪我を負わせたのでしょうか?誘拐された子ども達は、はじめは兵士となることに抵抗します。「大好きな家族のもとに帰りたい!」元いた村へと脱走を試みる、子どももいます。
でも、もし生まれ育った村がなくなったり、家族がいなくなってしまえばどうでしょう?「僕には、もう帰るところがないんだ・・」子ども達は、そう思い知らされます。
やむなく兵士として戦うという道を選ぶしか、なくなってしまうのです。まるで悪魔のように、残酷なシステムが機能しているのです。
チャールズ君は、16歳のときに戦闘の途中で怪我をしました。置き去りにされていたところを、幸いにして救出されます。私たちが彼に出会ったのは、その3ヶ月後。
つらい体験を話していくうちに彼の顔は硬直してきて、今もまだそのときの恐怖を感じているようでした。ただ目だけが鋭く、でもどこか遠くを見ているようでした。
チャールズ君は、2週間前にお母さんに会ってきたと言います。彼女は気を失ったものの、一命は取り止めていたのです。「片腕を失ったお母さんは以前よりもずっとやせ細っていて、元気がありませんでした。」
それでも彼女はチャールズ君に、優しく問いかけてくれたと言います。「軍隊の中で、つらいことはなかった?」「大変だったね」「苦しかったね」
「でも・・」チャールズ君は続けます。「お母さんは、もう子どもの頃のように僕を愛してくれることはない。そう分かってるんだ。だって、僕はお母さんを傷つけてしまったのだから・・」
私たちは、このアフリカのウガンダという国で大勢の元子ども兵に出会いました。そして、チャールズ君の体験が特殊なケースではないことを知りました。
ウガンダという国には、このチャールズ君とおなじように、武器を持たされた子どもたちが何万人もいたのでした。
まるで消耗品のように、子ども達が使い捨てに・・
男の子は、武器や食料のなど重い荷物を運ばされたり、最前列で行進させられ“弾よけ”として使われたりします。女の子は性的な虐待を受けたり、無理やり大人の兵士と結婚させられ、妊娠することもあります。
ドラッグで士気を高揚させてから突撃させられ、あるいは地雷原を除去装置がわりに歩かされることもあります。子どもは従順で洗脳されやすく、小柄で機敏です。強制的に徴兵が可能で、すぐに”補充”ができるため、まるで消耗品のように扱われてしまっているのです。
解放された「元子ども兵」たちの社会復帰も、困難です。彼らは、十分な教育を受けられない、少年少女時代を過ごします。そして、家族や地域といったコミュニティから切り離されてしまい、人間関係を形作ることができません。
この現状をなんとか変えたい!そう心に決めた私たちは、ウガンダで子ども兵の社会復帰のためのプログラムを運営しています。
「すべての人に、未来をつくる力がある」その想いに共感いただいた、約1500名のファンクラブ会員の方々などに月1,000円〜支援いただくなど、寄付を資金として活動しています。
この話をきっかけにアフリカの現状や子ども兵の問題に興味を持った方は、ぜひ私たちの活動を見てみてください。そして、共感してくださった方は、1日33円〜の寄付でご支援いただく「ファンクラブ会員」にご入会いただければ嬉しいです。



