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【TSC関西定例会 開催レポート】「微力だけど、無力じゃない」

我が社の『Business for Peace』大討論会 ~中小企業経営者が考える平和への道筋~ テラ・ルネッサンスサポーターズクラブ関西(TSC関西)9月定例会 開催レポート /2026年9月7日
(月)17:30~21:00 /会場:レンタルスペース RANA TAIL 南森町(大阪市北区西天満5丁目2
18 三共ビル東館7)

 

 

本業でも、それ以外でも。経営者たちが語り合った、それぞれの平和への一手

「うちの会社にとっての“平和への一手”って、何だろう?」――そんな問いを胸に、2026年9月
7日、テラ・ルネッサンスサポーターズクラブ関西(TSC関西)の9月定例会「我が社の
『Business for Peace』大討論会」が、大阪・南森町のレンタルスペースRANA TAILで開催さ
れました。

 

冒頭ではテラ・ルネッサンス啓発事業部の鈴木竜太が、ウガンダでの元子ども兵支援など団体の
活動をショートプレゼンで紹介。そこから舞台は本編へ。コーディネーターの佐藤岳登氏(株式
会社GLOBAL FLAT代表取締役、TSC関西会長)の進行のもと、3名の経営者と鈴木によるパ
ネルディスカッション、そして参加者全員を巻き込んだグループディスカッションへ、熱量たっ
ぷりの3時間半になりました。

 

「経営」だけじゃない。それぞれが見つけた、平和への一手

パネリストとして登壇したのは、美馬功之介氏(株式会社MIMA代表取締役)、本田健太郎氏
(株式会社調剤薬局ホンダ代表取締役)、齊藤徹氏(株式会社アグティ代表取締役、TSC関西
理事)、そしてテラ・ルネッサンスの鈴木竜太。大阪の八尾市で不動産・リノベーション事業を
営む美馬氏、和歌山で調剤薬局を営む本田氏、京都で医療・高齢者福祉施設向けの洗濯・清掃事
業を営む齊藤氏と、業種も拠点もバラバラな4名が、まずは「経営を通した社会課題への取り組
み」を語り合いました。

 

美馬氏からは、地元・八尾市で子どもたちが自ら会社を立ち上げ、商品の仕入れから販売、決
算・納税までを体験する模擬起業イベントを12年続けている、これからも八尾市で、さらには
日本中で広めていきたいという話が飛び出し、会場は前のめりに。失敗してもいい、お金が無く
ても行動力とアイデアがあれば商売できる、ということを子どもたちに教えたいという想いが語
られました。さらに、コーディネーターの佐藤氏も美馬氏が始めたこの活動の素晴らしさに共感
し、サポートしているという話も。経営者同士が想いに共感し合い、応援し合う、そんな実事例
が会場の空気感を一気に温めました。

 

齊藤氏からは、仕事に行き詰まりを感じていたときにTSCへの参加に誘われ、「巻き込まれて
みよう」という気持ちで参加。医療・福祉の現場では見えていなかった、これからを担う「子ど
もたち」とそれを取り巻く「世界」に目を向けるきっかけになったという、実感のこもった振り
返りが語られました。電力料金の一部を指定団体に寄付できるしくみを運営している、京都でお
坊さんが創った電力会社「テラ・エナジー」に電力を切り替えて、産後ケア施設に寄付をしてい
るエピソードを紹介されました。寄付先団体から、「子どもと一緒に死のうと思っていたお母さ
んひとりを助けることができた」という手紙を受け取った時には、本当にやってよかったと思っ
たと語る齊藤氏。大きな一歩もいいけど、電力の契約先を変える、それくらい手軽な一歩もあっ
てもいいのではないか、という言葉に大きな共感が生まれました。

 

本田氏からは、映画「リターニーズ」を観てテラ・ルネッサンスの活動を知り、果たして自分は
世界に貢献できているのか、という問いを持つようになった思いが共有されました。本田氏は、
調剤薬局を営む和歌山でお薬を訪問で届ける中でシングルマザー家庭の困窮という地域課題を
目の当たりにし、子ども食堂をやりたいと考えるように。

 

鈴木は、「子どもたちが未来に向かって目がキラキラするような世界にしたい、大人がしょげて
いると子どもが大人って大変そうだなと思ってしまう、そんな閉塞感をどうにかしたい。」そん
な想いを持って、以前、社員研修の仕事をしていた。そんな中、昨年自分の人生を振り返った時
に、自分の目指す世界には研修だけでは追いつかないと思い、どうすればよいか、本当にやりた
いことは何か、そう考えてテラ・ルネッサンスに入ったエピソードを共有。テラ・ルネッサンス
で出会った、支援を「投資」だと表現してくれた支援者の言葉を紹介しながら、「社会課題を解
決してくれる人に投資しているのであり、そこがよくなれば回り回って自分たちの業界も良くな
る。だから永続できる。」という考え方を共有。あわせて、「対話ができないから、最後は力の
出し合いになってしまう」という紛争の構造と、日々の対話の大切さを結びつけて語りました。

 

コーディネーターの佐藤氏は、「世界平和」という言葉が大き過ぎてなかなか自分ごとにしにく
い面はあるけれども、「業界」という世界、「会社」という世界、そして「家族」という世界、
どのような単位であっても、人が介入するところに対話を通して争いや分断がなくなれば、それ
が世界平和なのではないかと会場に問いかけ、大きい小さいではなく、すべての人が自分の中に
持つもの、という考えが共有されました。

 

経営を通して、世界はどう平和になれるか

二つ目のテーマは「経営を通して世界が平和になるためには」。

 

本田氏は、パネラーの皆さんの話を聞いて、自分も一歩を踏み出さなければとの率直な思いを口
にしました。「ひとまず今日何かを決めます」。その場で放ったこの宣言に、会場からは自然と
拍手と歓声が。「本業」の枠を飛び出した、いち経営者としての一歩に、その場にいた全員が背
中を押すように応援する――そんなあたたかい空気が、会場を包みました。平和への一手は、必
ずしも本業の中だけにあるわけではない。誰かが挑戦を宣言したら、みんなで応援する。この日
のTSC関西には、そんな空気感がありました。

 

齊藤氏からは、テラ・ルネッサンスへの支援を1円でも増やす、ということも一つの貢献になる
という意見や、多様な働き方の選択肢をつくることが経済的リターンを生み、納税者が増えて、
その先の未来で世界の課題にも思いを馳せる人が増えていくのではないか、という意見が交わさ
れました。

 

美馬氏は、テーマが大きすぎて、、と笑いながらも、本業を通じて地域を盛り上げる、そんな取
り組みによって、元気な人、元気な子ども、元気な社員が増えて、儲かる企業が増えれば、それ
が平和に繋がっていくのではないかと語りました。テラ・ルネッサンスの活動を応援して間接的
に関わり、社員にも自分たちが稼いだお金がこういうことに使われているんだと喜んでもらえ
る。尊敬し合える世界をつくること、価値観の違いを認め合うことの大切さや、地域内でお金を
循環させる仕組みづくりの事例も紹介され、議論はどんどん広がっていきます。

 

鈴木は、「平和の定義は人によって違うからこそ、そこで対立が生まれてしまう」とした上で、
対話は「半径3m」の身近な関係から始まるものだという考え方を紹介。「平和は数千年、1万
年単位で少しずつ実現していくものだと本気で思っている。だからこそ諦めずに、経営者が『自
分たちの仕事は世界平和とつながっている』と自信を持てる状態を増やしていきたい」と語り、
会場は静かにうなずきながら聞き入っていました。

 

参加者からの声

後半は、参加者一人ひとりがパネルディスカッションを聞いた感想を共有する時間からスター
ト。「大人が楽しそうにしていないと、子供は将来に希望を持てない」「後世に幸せを残した
い」という経営者の皆さんに共通する想いや、パネラー自身が「大人が楽しそうにする」という
ことを実践、体言していることへの尊敬の声が上がりました。そして、自分自身も実践して発表
できるようになりたいという決意の声も上がりました。また、テラ・ルネッサンスと経営者の関
係性として、経営者は地元のこと、日本のことに目を向けつつも、テラ・ルネッサンスの海外で
の活動に触発されながらやっているという関係性だと気づいたという声や、世界平和は遠いけれ
どもできることをやっていきたいという想い、そして「知ること」や「参加してみること」の大
切さ、平和な国にいるわれわれが世界平和に向けて活動することの大切さ、対話でもっとできる
ことがあるのではないかという気づきなど、それぞれの立場から率直な言葉が寄せられました。

 

続く自由質疑応答では、法人サポーターになったきっかけや、テラ・ルネッサンスを知るきっか
けとなった映画・トークイベントについての質問が交わされ、それぞれのエピソードが語られま
した。

 

「コミュニケーション、サボってませんか?」――グループディスカッションで見えた本音

 

 

終盤は、参加者全員によるグループディスカッションへ。テーマは、日々の経営の中での従業員
とのコミュニケーションです。「1段飛ばしで指導はするな、対話はしろ」という考えに基づ
き、パート・社員・マネージャーといった階層ごとに対話の仕方を変えている経営者や、社内バ
レーボール大会・「褒める達人」制度・社員の家族への訪問・毎月の手紙といった独自のコミュ
ニケーション施策を続けている経営者、会議を座談会に変えるなど経営者と社員というよりも社
員間の関係性をつくる場を提供することに力を入れている経営者など、各社の工夫が惜しみなく
共有されました。

 

世界の紛争も、社内の人間関係も、家庭の中の関係も――「対話」ができないことでこじれてい
く構造は、実はどれも同じなのかもしれません。そんな空気の中、参加していた社員の方からこ
んな声が上がりました。

 

「コミュニケーションを、サボらないようにしたい」

 

普段の仕事の中で、「言わなくても分かるでしょう」という思いから、ついしっかり伝えること
を省いてしまい、そこからすれ違いが生まれてしまう。そんな経験を振り返っての、実感のこも
った言葉でした。参加していた会計士の方からも、印象的な話がありました。「数字を見れば分
かるでしょう」と思ってしまいがちだけれど、見るだけでは本当のところは伝わらない。数字
も、成果も、黙っていれば伝わるわけではなく、伝える役割を誰かが引き受けて初めて、相手に
届く。そこにこそ、リーダーやマネージャーの役割がある――その役割をサボってしまうと、
様々な場面でうまくいかなくなる、という指摘に、会場のあちこちで深くうなずく姿が見られま
した。

 

テラ・ルネッサンス自身の対話文化についても、率直な意見交換がありました。忙しさの中で対話
の時間を確保することの難しさを認めつつ、「対話の大事さをわかっているからこそ、そこを
目指そうとしている姿が大事だ」という言葉に、参加者からの共感が寄せられました。「コミュ
ニケーションをサボらない」――この日、会場にいた誰もが、明日から持ち帰りたくなる合言葉
が生まれた瞬間でした。

 

おわりに

締めのあいさつは、副会長の渡邉真規氏(テラ・ルネッサンス理事、TSC関西副会長)から、
世界の完全民主主義国家が約8%に留まるという現実を挙げながら、いろいろな人と出会って、
いろいろなことを知ることの大切さが改めて語られました。次回は12月10日、『Community
for Peace』というテーマで、京都で開催されます。

 

本編の後には懇親会も開催され、本田氏が『子ども食堂やります』と宣言される等、引き続き盛
り上がりを見せました。懇親会では締めくくりでは、コーディネーターを務めた佐藤氏から、法
人サポーターとして「主体性を持つこと」の大切さが、吉田松陰・松下村塾の逸話になぞらえて
語られました。「今日集まった一人ひとりが、志高い人たちだと感じることができた」という言
葉とともに、テラ・ルネッサンスが大切にしている「微力だけど、無力じゃない」という理念の
もと、これからも歩みを続けていくことが宣言されました。参加者からは、TSCの活動を通じ
て「癒し」や「勇気」をもらっているという声も聞かれ、あたたかい雰囲気の中で会は幕を閉じ
ました。

 

本業で。それ以外の挑戦で。今日集まった一人ひとりが、それぞれのやり方で見つけた「平和へ
の一手」。そして、誰かの一歩を面白がって応援し合う空気。微力だけど、無力じゃない――そ
のことを、TSC関西の仲間たちが、また一つ証明してくれた夜でした。

 

 


 

認定NPO法人テラ・ルネッサンス
啓発事業部
中村 友紀

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