夏季募金キャンペーン 堀潤さん×小川真吾 特別オンライン対談『『遠い国の悲劇』を自分ごとにする 〜紛争地と日本の日常を繋ぐジャーナリズムとNGOの役割〜』イベントレポート
みなさまこんにちは。インターンの藤井です。
2026年7月23日、オンラインで、夏季募金キャンペーン 堀潤さん×小川真吾 特別オンライン対談『『遠い国の悲劇』を自分ごとにする 〜紛争地と日本の日常を繋ぐジャーナリズムとNGOの役割〜』が開催されました。

当日は多くの方にご参加いただきました。
イベントの中から私が特に興味深いと感じたお話をご紹介します。
■「小さな主語」で語る

堀さんは東日本大震災の3年後に取材をした経験が、市民メディア活動のきっかけになったそうです。
震災から3年後、NHKで働いていた堀さんは、福島県を取材し「被災地では今も多くの人が苦しんでいます。忘れないでください。」というメッセージを届けられました。取材した人からは感謝されましたが、同じ福島県でも別の地域の人々からは、報道される「被災地は苦しんでいる」というイメージのせいで、比較的被害の少なかった地域でも観光客が戻らないなど風評被害に苦しんでいるという声が寄せられました。
そこで大きな主語の福島でなく個人を主語にして「福島県富岡町に住むふかやさんは家に帰ることができず、夜も眠れません。」と伝えたそうです。それを聴いた人は「彼女のために何ができるか。ほかの人はどうなっているか」考えるようになりみんなが冷静にアクションに結び付けることができると気が付かれたそうです。
しかし、小さい主語で語るにはコストと時間がかかるため、大手メディアが取り組みづらくなっています。
だからこそ、市民メディアがみんなが伝えたいことを、伝える仕組みが有効です。今堀さんが取り組まれているのは、ニュースを発信したい人に手を挙げてもらい、発信したい人に発信の方法を伝授し、そのあと8bitNewsが駆けつける仕組みです。
例えば、災害時に避難所を取材すると、たいていの場合静かに過ごしたいと思う避難者にメディアは嫌われてしまいます。その一方、どこにも取材されていない避難所があり、必要な物資が届かない事態が起きていました。
メディアで取り上げてほしい避難者の声に応え、堀さんがその避難所に到着すると、あたたかい拍手で迎えられ非常に感謝されたそうです。
■「主観を含めた意見が大きな枠組みの中で大事だ」

テラ・ルネッサンスで小川さんは、子どものときに誘拐されたアフリカの元子ども兵を、母国に帰還させ社会復帰させる取り組みを進めています。
政府機関や大きなNGOなどの大きな枠組みでは、子ども兵が母国に帰れば帰還が完了したととらえられます。でも実は、その子どもたちが帰る場所はまだ紛争が続いていることもあります。特に中央アフリカやコンゴはまだ治安が悪いので、社会復帰をサポートをしてから安全な状態で、母国に帰す取り組みを行っています。
そうした小さな組織がみている景色を、大きな組織に伝えていくことが、現場をうまく回すために重要だと小川さんは考えます。
堀さんは、小川さんが出演するドキュメンタリー映画「RETURNEES(リターニーズ)」が、小さな主語でみる人に伝える代表例だとおっしゃいました。映画は少年・少女の視点でなにが起こったかを伝えているので、みる人は共感するとともに、その先にある子ども兵の問題・紛争まで考えられるようになっています。
市民目線なしで戦争を語ると、どうしても政治の話になり対立構造になってしまいます。ディベートも大事ですが、目の前で子どもが飢えているのに粉ミルク1個も届かない個人の痛みには、みんな共感することができます。そうして、国や対立を超えて思いが伝わったとき、ニュースを見る人が当事者意識が持てるようになります。
私はお二人の対談を聴き、インターンとして取り組む広報で、アフリカやアジアに住む市民の思いを「通訳」して、日本の人に自分事として届けられるよう取り組んでいきたいと思いました。
ご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました!



