【ウガンダ】元子ども兵たちが、社会復帰に向けて新たな一歩を踏み出しました!
テラ・ルネッサンス 元子ども兵帰還支援の流れ
2005年
元子ども兵の支援プロジェクト開始
※反政府武装勢力「神の抵抗軍(LRA)により強制的に兵士にさせられた人々の帰還および社会復帰支援
2006年
ウガンダで元子ども兵の社会復帰支援の拠点となる施設「スマイル・ハウス」完成。第1期生15名を受け入れ、これを皮切りに元子ども兵の支援が本格的にスタート。
2023年
ウガンダで誘拐された元子ども兵とその家族141名がウガンダに帰還。テラ・ルネッサンスが主導した帰還としては最大規模となる。
その後現在に至るまで、LRAに残る推定約500名の元子ども兵の動員解除を目指し、帰還支援を続ける。
ようやく、元子ども兵たちの社会復帰に向けた訓練が始まりました!
約3か月前、中央アフリカ共和国や南スーダンを経由してウガンダに帰還した元子ども兵や、戦場で生まれ育った子どもたちは、身体的な問題だけでなく、精神的にも不安定な状態にありました。
帰還直後からリハビリテーションを開始しましたが、当初は表情も硬く、施設全体にどことなく緊張感が漂っていました。
私たちは何よりも、帰還した彼ら彼女らが安心して、心穏やかに過ごせる環境をつくることを大切にしてきました。
この3か月間、毎日一緒に食卓を囲み、家族との面会の機会を設け、少しずつ安心して生活できる環境を整えてきました。
病気になれば、すぐに医師の診療を受けられるようにする。何か悩みがあれば、常駐するスタッフが親身になって話を聞く。そんな日々の小さな積み重ねを大切にしながら、一人ひとりに寄り添ってきました。
前回のレポートはこちら⇒ 元子ども兵の帰還事業 4か月間で2万食以上の食事提供

希望に合わせた職業訓練と継続的な心のケア
そして、ようやく初期のリハビリテーション期間を終え、先週から社会復帰に向けた職業訓練や基礎教育を開始することができました。
今回は、事前に一人ひとりの希望や適性などを聞き取った上で、これまで実施してきた洋裁、服飾デザイン、木工大工、手工芸に加え、新たにバイク修理の職業訓練も取り入れました。
オリエンテーションを終え、訓練はまだ始まったばかりですが、想像していた以上に、みんなが楽しそうに技術を学んでいる様子を見て、私たちも少しホッとしています。




帰還した当初と比べると、表情もずいぶん明るくなったように感じます。施設全体に漂っていた緊張感も、少しずつ和らいできました。
生活の場であるリハビリセンターから、職業訓練を行う社会復帰訓練センターへと活動の場が広がったことも、良い影響を与えているのかもしれません。
ここでは、職業訓練だけでなく、基礎教育や平和教育なども行い、将来、彼ら彼女らが地域社会の中で自立して生活していくために必要な知識や技術を身につけてもらいます。
一方で、初期のリハビリを終えたとはいえ、長年にわたる紛争生活で負った心の傷が、簡単に癒えるわけではありません。
そのため、職業訓練と並行して、週1回のグループセラピーや個別カウンセリングなど、心理社会的な支援も引き続き行っていきます。
子どもたちの未来を切り拓くために
今回帰還した65名のうち、職業訓練など、自立に向けた社会復帰訓練の対象となるのは35名の大人たちです。
残る30名は、戦場で生まれ育った子どもたちです。
子どもたちには、引き続き基礎教育や心理社会的な支援を行い、来年から通常の学校に通えるよう、準備を進めていきます。
「学校に通う」と言っても、実際には、生まれて初めて学校生活を経験する子どもたちもいます。
これまで戦場でしか暮らしたことのない子どもたちが、安心して学校に通い、同じ年代の子どもたちと一緒に学べるようになること。それも、私たちが目指している大切な社会復帰の一つです。
そのためにも、学校生活を始めるまでの間に、必要な基礎教育や事前学習を丁寧に行い、一人ひとりの成長を支えていきたいと思っています。



帰還したばかりの頃は、不安や緊張を抱えていた元子ども兵たちが、今、新しい技術を学び、自分自身の未来に向けて歩み始めています。
もちろん、社会復帰への道のりは、決して平坦なものではありません。
それでも、どれほど困難な経験をしてきたとしても、一人ひとりの中には、自分の人生を取り戻し、未来を切り拓いていく力があると信じています。
私たちも、その力を信じながら、これからも一人ひとりに寄り添い、自立と社会復帰に向けた取り組みを続けていきます。

記事執筆/
理事/海外事業部長
小川真吾



