紛争下のコンゴ東部でエボラ感染拡大 テラ・ルネッサンス、手洗い設備の設置と啓発活動を開始 ~紛争地域で、5,000人以上を対象に感染予防啓発と手洗い設備の設置を実施~

アジア・アフリカ・ウクライナで紛争被害者の自立支援を行う認定NPO法人テラ・ルネッサンス(本部:京都府京都市、理事長:吉田真衣)は、エボラ出血熱(エボラウイルス病)の感染拡大が続くコンゴ民主共和国東部において、感染予防のための緊急支援を開始しました。
現在、当会が活動する南キブ州では、武装勢力M23による支配が続いており、住民は紛争と感染症という二重の危機に直面しています。当会現地事務所は、限られた環境下でも活動を継続し、感染予防のための啓発ポスター・ステッカーの配布や手洗い設備の設置を進めています。
<コンゴとの深い関わり>
テラ・ルネッサンスは紛争下のコンゴ東部で長年活動する、ほぼ唯一の日本のNPOです。
2006年より、コンゴ民主共和国東部で、紛争の影響を受けた人々の自立支援と地域の平和構築に取り組んできました。2024年以降、紛争が激化した後も現地で活動を継続し、人びとの命を守るための給水所整備を進めています。
また、新型コロナウイルス流行時には衛生啓発や手洗い設備の設置を実施しました。今回のエボラ流行では、こうした経験を活かし、感染予防の取り組みを強化しています。

■エボラ流行が深刻化するコンゴ民主共和国東部
2026年5月、コンゴ民主共和国東部イトゥリ州でエボラ出血熱の発生が公式に確認されました。その後、感染は北キブ州、南キブ州へと拡大しています。
6月20日時点で、コンゴ民主共和国政府は956人の感染確認と247人の死亡を報告しており、近年のアフリカにおける最も深刻なエボラ流行の一つとなっています。
今回の流行が深刻なのは、長年にわたり武装勢力による紛争が続く地域で発生しているためです。
イトゥリ州には約100万人の国内避難民が存在し、多くの住民が安全な住居や医療サービスへのアクセスを失っています。道路の寸断や治安悪化により感染者の発見や接触者追跡も困難となっており、実際の感染規模はさらに大きい可能性が指摘されています。
また、今回流行しているBundibugyo株(ブンディブギョウイルス)には承認済みのワクチンや特効薬がなく、手洗いや衛生管理、早期受診などの基本的な感染予防行動が極めて重要となっています。
※参考:厚生労働省HP https://www.forth.go.jp/topics/2026/20260605_00001.html
■紛争下で進めるエボラ感染予防支援
テラ・ルネッサンスのコンゴ事務所は、南キブ州ブカブを拠点に活動を続けています。
現在も現地スタッフは、武装勢力の影響下にある地域と政府支配地域を行き来しながら、可能な範囲で支援活動を継続しています。
今回の緊急支援では、
・エボラ予防啓発ポスター・ステッカー100枚を制作
・病院や市場など人が集まる場所への掲示・配布
・手洗い設備10数か所の設置
を実施しています。
ポスターやステッカーによる啓発活動は、5,000人以上への情報提供につながる見込みです。また、手洗い設備は1か所あたり1日約300人の利用を想定しており、全体で約3,000人規模の感染症予防効果を見込んでいます。
これらの取り組みはエボラ対策だけでなく、コレラや下痢症など地域で蔓延する感染症全般の予防にもつながります。



■ 「命の水」を届ける活動の延長線上で
テラ・ルネッサンスはこれまでも、紛争の影響を受ける南キブ州において、安全な水へのアクセス改善に取り組んできました。


この地域では、多くの住民が安全な水を確保できず、不衛生な水源に頼らざるを得ない状況が続いています。その結果、コレラや下痢症などの水系感染症が深刻な課題となっています。
当会は地域住民と協力しながら給水設備の整備を進め、安全な水を継続的に利用できる環境づくりに取り組んでいます。
今回のエボラ流行を受けて実施する啓発活動や手洗い設備の設置は、こうした水・衛生分野の取り組みを基盤とした緊急対応です。
感染症の流行時には、ワクチンや治療薬だけでなく、手洗いをはじめとする基本的な衛生行動が命を守る重要な手段となります。当会は今後も、安全な水と衛生環境へのアクセスを通じて、人々の命と暮らしを支えていきます。
【理事長からのメッセージ】

「私たちは今も、紛争の影響を受ける地域で活動を続けています。大規模な医療支援は難しい状況ですが、今できることとして感染予防のための啓発活動や手洗い設備の設置を進めています。紛争下であっても、人々の命を守るための支援を止めることはできません。」



