世界情勢に「不安」9割超。それでも、私たちが思い描く平和とは(国際平和デー特別企画)
9月21日は「国際平和デー」。
世界の停戦と非暴力の日として、すべての国と人々に、「この日一日は、敵対行為を停止しよう」と呼びかける日です。このような日が必要な理由は、世界各地で戦争や紛争が続き、多くの人々の命と暮らしが脅かされているからでもあります。
国際平和デーを前に、テラ・ルネッサンスでは、インターンとして活動する若者たちの発案から、「平和」についてのアンケートを実施しました。メールマガジンやSNSなどを通じて、110件の回答が寄せられました。
7割強が「とても不安」、全体では9割が世界情勢に不安
「今の世界情勢と平和について考えるとき、あなたの感じ方に近いもの」を尋ねたところ、「とても不安に思う」と「やや不安に思う」を合わせ、9割以上の人が、今の世界情勢に不安を感じていると答えました。

この数年、多くの人が、突然の侵攻や武力衝突のニュースに驚き、目をそむけたくなるような状況を目にし、そうした戦争や紛争の長期化に胸を痛めてきたのではないでしょうか。
争いは遠く離れた場所で起こっているとしても、日本で暮らす私たちの心にも、不安の影を落としている――アンケートの結果は、そのようにも感じ取れました。
では、そのような中で、私たちは「平和」をどのように捉えているのでしょうか?
浮かび上がった「平和」とは
「あなたにとって平和とは何ですか」という問いへの回答を、分析ツールでイメージにしました。 (使用ツール:ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析・回答の傾向をワードクラウドで可視化 )

大きく表れたのは「共生」という言葉です。
平和と聞くと、まず「戦争がないこと」を思い浮かべるかもしれません。実際に、今回のアンケートでも、戦争や争いがない世界を願う声が多く寄せられました。一方で、それと同じくらい多く語られていたのが、食べること、眠ること、家族と過ごすこと、笑うことなど、日々の暮らしに根差した平和でした。
平和とは、「当たり前の日常」が続くこと
自由回答には、次のような言葉が寄せられています。
「いつもの毎日が続くこと。」
「朝起きて美味しいご飯を食べ、楽しい一日を過ごし、安全に眠ること。」
「明日のごはん何にしようかな、と、のんびり考えられる時。」
「お湯に肩までゆっくり浸かれることが、幸せで平和だと感じています。」
また、「食べること・寝ることだけは、すべての人が不安を覚えない世界を望む」といった声も寄せられました。
命と尊厳が守られ、自分の人生を生きられること
平和を、命の安全だけでなく、尊厳や自由と結びつける回答も寄せられました。
「一人ひとりの尊厳が守られている状態。」
「誰もが自分の人生を自分の意志で生きられる社会。」
「まず『殺されないこと』、次に『自律的に生きられること』、そして『お互いの幸福を求めることが認められること』。」
「弱い立場にいる人が笑えること。」
自分の意思で人生を選び、未来を思い描ける自由が、平和に欠かせないと考える方も多いようです。
平和とは、誰かと共に生きること
今回のワードクラウドで最も大きく表れた「共生」という言葉には、手を差し伸べ合うあたたかさと、争いをやめようという、切実なまでの願いも感じられました。
自由回答では、
「みんなで仲良く助け合う。」
「お互いを受け入れること。」
「争いがなく、互いを尊重できる世界。」
「人々の心に余裕があって、話し合いができて、殺し合いがないこと。」
「優しさと愛で、人と人がつながっていること。」
などの言葉が寄せられていました。
「みんな」という言葉には、さまざまな立場の人々が含まれており、立場の違いがあっても「もっと話そう」と向き合える強さが、「互いを尊重できる世界」につながっていくのではないかと、考えさせられました。
誰かの「当たり前の日常」に目を向けて
テラ・ルネッサンスは、アジアやアフリカ、ヨーロッパ、日本で、緊急時に命を守る支援とともに、一人ひとりが人生を取り戻し、地域の平和をつくる担い手となるための支援を続けています。
国際協力に取り組む私たちに、「海外ではなく、まず日本に目を向けるべきではないか」という声が寄せられることがあります。
テラ・ルネッサンスも、日本国内で、災害時における緊急支援や長期的な復興支援、学校での平和教育、子ども・若者への包括的な支援など、幅広く取り組んでいます。
しかし、私たちが大切にしているのは、海外か日本かを分けて考えることではありません。国境や地域にかかわらず、最も困難な状況に置かれ、支援が届きにくい人々の存在に目を向けることです。
誰もが命と尊厳を守られ、安心して日常を送ることのできる社会をつくりたいと願っています。そして、その地域の平和をつくる主役は、そこで暮らす人々です。私たちは、外から答えを持ち込むのではなく、一人ひとりが自ら暮らしや地域を立て直していく歩みに伴走しています。

いまの世界で、一つの国だけが平和であり続けることはできません。紛争によって生まれる暴力や分断の影響は、国境を越えて広がります。反対に、世界の一つひとつの地域で、対話や共生の土台を築くことは、日本を含む国際社会の平和を支えることにもつながると、私たちは信じています。
「世界」というと主語が大きくなってしまいますが、ニュースで耳にする一つひとつの地域に、誰かの「当たり前の日常」が存在しています。
私たちと同じように、日常を慈しみ、守りたいと願う人々の姿に目を向け、関心を持ち続けることが、私たち自身の平和な未来をつくることにつながるのではないでしょうか。
あなたにとって、平和とは何ですか
寄せられた回答は、平和が遠い場所にある理想ではなく、私たちの日常と地続きであることを教えてくれました。
9月21日は国際平和デーです。ぜひ、隣にいる方との対話のきっかけにもしてみてください。
「あなたにとって、平和とは何ですか?」
【アンケート概要】
テラ・ルネッサンスのメールマガジンやSNSなどを通じて実施したオンラインアンケート
実施期間:2026年9月13日~19日
回答数:110件
※任意回答によるアンケートであり、社会全体の傾向を示すものではありません。



