“帰る”という選択に、もう一度希望を持たせてくれたのは、かつて同じブッシュにいた仲間たちでした。
負傷して、あるいは意を決して脱出したのちに、テラ・ルネッサンスの施設から、社会復帰を果たした元子ども兵たちです。
支援を受けた元子ども兵たちが、今度は仲間へ呼びかける側になったのです。
その姿を写した写真と、「帰ってきていい」という音声メッセージが、商人を介してブッシュへ届けられました。
ブッシュに残され、武装勢力に拘束されて生きる元子ども兵たちの疑いは、すぐには消えませんでした。
しかし――写真の中の仲間は、生きていました。笑っていました。
処罰されることなく、村で暮らしていました。
やがて彼ら、彼女らの中に、ひとつの問いが芽生えます。
「自分も、やり直せるのか?」
この瞬間のために、テラ・ルネッサンスがウガンダで支援をつづけてきた、20年の歳月がありました。
2005年からウガンダに駐在する小川真吾。活動の積み重ねによって、ウガンダ政府との信頼関係を築き、元子ども兵たちが処罰されず、戻っても生活できるように訓練を施し、社会に戻していくことを可能にしていました。
そして、巣立った卒業生の言葉が、今もとらわれる元子ども兵たちの心をゆさぶり、意を決して脱出する勇気となって、 141名というかつてない大型の帰還につながったのです。
その動きは今、さらに大きなうねりとなろうとしています。
141名の帰還を知った、約500人の元子ども兵たちが、今、助けを求めています。
彼らの帰還を支援すること。
それはそのまま、平和的に武装勢力を解体させ、 アフリカで最も長く続く紛争を終わらせることに直結します。
子どもの誘拐という、人としてあるまじき苦しみの連鎖を断ち切るために。
今、最大のチャンスが訪れています。