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心が灯るまで。編集後記〜インターン 福井妙恵・津田理沙〜


こんにちは。

テラ・ルネッサンス 啓発事業部インターンの津田と福井です。シリーズ『心が灯るまで。〜あなたの灯火も、きっと誰かの灯火へ。〜』を担当しました。


本シリーズでは、「支援の先にいる『ひと』の自立に向けた歩みをお伝えすることが今の社会に私たちができることだ」という考えのもと、アジア・アフリカの活動地にいる人びとの歩みを紹介してきました。


本日は、私たちが執筆に込めた想いをお伝えいたします。


*シリーズ「心が灯るまで。」の記事はこちらからご覧いただけます。

心が灯るまで。vol.01 メイ・ソーンさん(カンボジア)

心が灯るまで。vol.02 リンダさん(ウガンダ)

心が灯るまで。vol.03 チュク・ケーンさん(カンボジア)

心が灯るまで。vol.04 ユーリンさん(ウガンダ)

シリーズ執筆を通して


福井:「記事の執筆、お疲れ様でした。私がアフリカ担当、津田さんがアジア担当で『心が灯るまで。』の執筆を行いました。

今回の感謝月間のテーマ『社会の灯火を育む。』と合わせながら、今回はウガンダやカンボジアで自立に励む人がこのコロナ禍をどう立ち向かってきたのかを伝えてきましたよね。この記事の執筆を通して、コロナ禍や社会の光に焦点を当てるにあたり、『大切だな』や『伝えられてよかったな』と思う点はありますか?」



津田:「以前アジア事業で長期インターンしていたこともあり、今回カンボジアの記事執筆を担当させてもらいました。

アジア事業に関わった6カ月間は、人生ですごく落ち込んだ時期、挫折の時期だったんです。それは支援する側の人間としての自分自身の傲慢さ(上から目線)に気づいたからでした。つまり、『現地の方は何かしら困りごとを抱えていて、それを解決するのに私たちテラルネの助けが必要だ。そして、私にも何かできることがあるはずだ』と。

だけど、実際は私なんかより、彼ら・彼女らの方がよっぽど生きるための力・知恵・コミュニティを持っている。だから、自分の考えの傲慢さや先入観に落ち込みました。

その後、じっくりとこの経験と向き合おうとしてきた。そんな時に、この記事を担当させてもらうことになり、執筆を通して、自分の経験と向き合いながら、現地の方を尊敬する気持ちを対等に表現していきたいと思っていました。執筆の過程で、人生の挫折と向き合えたことは自分にとって大切なことでしたね。」



福井:「うん、うん。私は津田さんがカンボジアでどんな思いをしたのか、このシリーズを始める前は全く知らなかったんですけど、『受益者への尊敬』は書いてくれた記事からすごく見えていたと思いますよ。テラルネがやってきたことというよりも、その人自体の凄さを見せてくれたんじゃないかな。」



津田:「それはとても嬉しい。執筆を始めた当初は、編集後記を書くことも決まっていなくて、さっき言った執筆に対する姿勢は、あわよくば読んでくれる人に伝わればいいけどあくまで自己満足でやっとこうかなくらいの姿勢だった。文を読んで、一緒に作ってくれた福井さんがそれを感じ取ってくれたのであれば、とても嬉しいです。」

 
シリーズ執筆を通して

【写真:津田現地インターン時のカンボジア事業メンバー。】

自分の心に向き合いたい

 

津田:「福井さんはこの記事の執筆を通して、コロナ禍や社会の光に焦点を当てるにあたり、何か思う点はありますか?」



福井:「津田さんの話を受けていうと、私にとっての挫折は今年でした。コロナの影響で、国際協力の現場に行くという目指していた場所もやりたかったことも全部ダメになって、そこで挫折の一つの傷として、『自分の夢に正直に生きること』が難しくなっていたんです。その時は進路にも正面から向き合えてなかった。

このシリーズを通して、ウガンダの元子ども兵の人たちがコロナ禍でも自分の夢をかなえたり、自分の守るべきものを守って生活していたりする姿に『私も負けてられへん』という気持ちになりました。私も真正面からちゃんと自分の心に向き合おうと思いました。あと、受益者ともまっすぐ向き合いたいと思いました。」



津田:「自分の中にプラスの影響があるって素敵だね。」



福井:「ありがとうございます。テラルネのインターンは元子ども兵や地雷に興味があって入ってくる人が多いけど、私自身は、当時はそこに特別な興味はなくて、『NPOで働いてみたい』という気持ちや職員さんの講演の言葉に惹かれて入ったんです。だから、私自身がテラルネの海外事業に本気で関わろうとしなかったのかもしれません。テラルネでインターンをして約2年。ウガンダの事業や元子ども兵にはじめてちゃんと真正面から向きあってそこで力強さだったり、勇気を知りました。

それと、もしかしたらコロナがなかったら私もそういう場にいれたかもしれない。という気持ちもあって、いろんなことが重なって、心が動いたのだと思います。オンラインでウガンダの受益者さんと話している時、自分がそういう場にいない事がとても悔しかった。今は悔しさをバネに変える時です。」



津田:「そういう感情を持っていることはすごくいいなと思います。悔しさも勇気も、その感情に出会えるのは福井さんの経験があったからこそだから。」

 
自分の心に向き合いたい

【写真:オンラインでウガンダの元子ども兵リンダさん(左端)と話す福井。】

端数だった私も、社会の一員。


津田:「今回は『社会の灯火を育む』というテーマで、社会に向けてメッセージを届けるのもまたひとつ今回のブログの目的だったと思います。その視点についてどんなことを感じながら書きましたか。」

 

福井:「前回のファンクラブキャンペーンも今回の感謝月間も、言葉のターゲットは『社会』だったと思うんですよ。そこで思い出すのが、日本の人口が約1億3000万人。『約』に込められる『端数』ってありますよね。私は約1億3000万人て話をされると、自分はその『端数の人間』なんだと感じていたんです。つまり、コロナ禍で自分だけが置いてきぼりのような気持ちから、私は社会の一員であるという感覚があまり持てていなかったんです。

でもブログを書くにあたり、自分の心が灯され、『社会の一員ではない』と思っていた自分の心も灯されることがあるんだと気付きました。そして、自分と同じような人に対してもそれを感じてもらうことができるのではないかと感じたんです。」

 

津田:「なるほど。そんな人にはどんな想いを持って欲しいと思っていましたか。」


 

福井:「これはリンダさんの記事を書いた時に思ったことなんですけど、成功ばっかりの人生ではないと思うんですよね。苦しいことの後に必ず成功がくるわけでもないし。だから、必ず成功する必要はないと思うんです。『前を向こう!』や『がんばれ』のようなポジティブな言葉は言いたくないけど、でも『大丈夫』とは言いたい。うん。そうですね。『大丈夫、一緒に歩んで行こう。』という気持ちが大きかったです。」

 

津田:「そうだね。個人的に、福井さんの想いを伝えるチカラってすごく強いと思っているんですけど、『強い』ていうのはメッセージ自体の強さとか伝え方の強さではなくて、優しい気持ちを伝える力の強さ。『がんばれ』ではなくて、包み込むような優しさ。それは私にも伝わっていました。」

 

福井:「本当!?嬉しい!正直、私の中だけで、伝えきれていない想いがあったのではと不安だったので、それが伝わっていると知れて嬉しいです。」

 

『誰も傷つけない言葉』ってなんだろう


福井:「津田さんは今回の執筆の中で、社会に対して伝えることについてどんな想いを持っていましたか?」



津田:「福井さんの話と根底にあるものは一緒です。あと、『読んでくれる人を傷付けたくない。』『しんどく思わせたくない』という気持ちがありました。

例えば、記事で頑張っている姿を見せる時、『自分は頑張れていない』と思う人もいる。コロナによって想像できないくらい様々な負の影響が出ている中で、誰にとっても優しい言葉はなかなか見つからない。だから、抽象的な言葉になるけど、できるだけ優しい言葉を使いたかった。」



福井:「お互いの葛藤があったよね笑。でも、すごく大事。そこは二人の話し合いの中でも、何回も確認したよね。


記事を読む人を勇気付けたい、力になりたいという想いの、全部が全部、正義になるわけではない。毒になるかもしれない。その配慮って難しいなと思うし、それ込みでの津田さんの優しさが見えたんじゃないかな。多分、あの文を読んで傷つく人はいないと思うよ。」

 
『誰も傷つけない言葉』ってなんだろう

【写真:執筆過程で、話し合いの様子。】

それぞれがつながる場所


津田:「それぞれ2本ずつ記事を書いてみて、書く前と書いた後で自分が変わったこととかはある?」

 

福井:「テラルネでインターンをする意義を感じられたことかな。正直、インターンするのは他のNPOでもいいかなと思い始めた時もありました。だって、ファンドレイジングするのも、イベントの企画力をつけるのも、他のNPOでもできるじゃないですか。だから他のNPOをみてみようかなていう気持ちがあったんですけど、このシリーズのおかげで、『やっぱり、私がつながりたい人はここなんだろうな』て思うことができました。」

 

津田:「本当にそうだね〜。『やっぱりここなんだ』という部分は私も感じています。これは、私が一度インターンを卒業して復帰した理由でもあって。復帰するとき、『卒業してから企業活動や学問の場に行ってみて、それらはスキルにはなるけど、居場所ではなかった。だから目標はないんだけど、テラルネに入らせてくれ』って職員さんにお願いしたんです。不純な動機だけどね笑。居てもいい場所としてのテラルネという点で共感しました。」

 

私にとっての、テラ・ルネッサンス


福井:「最後に、津田さんにとってテラ・ルネッサンスを一言で表すとどんな言葉になりますか?」


 

津田:「語弊があるけど、私にとってテラルネは『依存先』。テラルネは支援の中で、収入源や人との関わりという頼りにできる場所が複数あることを『柔軟性』『適応力』『レジリエンス』として大切にしています。

この考え、自分自身にも当てはまっていて。いきいきしていられる場所が複数あることが自分にとって大切なので、もちろん業務の中での成長や人との関わりも含めてだけど、テラルネは居ても良い場所。そういう意味でもこの一言ですね。福井さんは?」


 

福井:「難しいですね。依存先はすごいわかる。私も依存しているところがあるので(笑)


前にもシリーズで書きましたが、私にとってのテラルネは『優しい風』なんだと思います。テラルネの職員さんは『これはできないとだめ』とか。『これをやれ』とか言わないじゃないですか。でも、前に進めるようにアシストしてくれてる。次の一歩を進むための勇気になるのもテラルネで過ごした時間だと思うので、私にとって前に進める『優しい風』がテラルネだと思います。」

冬の感謝月間2020

冬の感謝月間2020


ここまで読んでくださりありがとうございます。私たちの葛藤や想いから、どのようなことを感じてくださったでしょうか。

 

支援の先にいる「ひと」と気持ちを分かち合った私たちだからこそ伝えられることがある。そんな想いのもと、編集後記に取り組みました。

そして、彼・彼女たちの歩みと向き合い、私たち自身も前に進む勇気を受け取り、私たちも、活動地の方の心の「灯火」に灯された一員なのだと気づきました。

 

私たちの灯火がみなさまの灯火へ、そして、またその先にいる誰かの灯火につながっていく。やがて太陽のように社会を明るく照らすことができると私たちは信じています。

 

そんなメッセージを社会に発信していくため、この冬、テラ・ルネッサンスは『冬の感謝月間2020』として特別な期間をスタートさせました。

 

『冬の感謝月間2020』特設ページでは、私たちのメッセージを綴っています。ぜひご覧ください。そして、皆さんの想いも、カタチにしていただければ幸いです。

 

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対談・記事執筆/
啓発事業部 インターン
福井妙恵・津田理沙

サポート/
啓発事業部 職員
島彰宏

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