平和教育・地雷・小型武器・子ども兵に取り組む認定NPO法人テラ・ルネッサンス

メニュー

テラ・ルネッサンス ブログ テラ・ルネッサンス ブログ


「それでも、一歩を。」– 南スーダン難民支援


『隣人が政府軍によって射殺されたことをきっかけに、ウガンダに逃れることを決めました。』


2016年に南スーダンから逃れてきた女性の言葉です。


南スーダンという国は、2011年7月にスーダン南部が独立してできた、世界で最も新しい国です。しかし、独立後も国内で政治対立が起こり、2013年12月に紛争が勃発。以来、現在にいたるまで、38万人以上が紛争の犠牲となりました。


多くの市民が、民家の放火・財産の略奪、性的暴行、子どもの誘拐に加え、深刻な食糧不足に苦しんでいます。


そんな危険から逃れるために、難民となった人の数は227万人(2021年6月30日現在)。中でもその4割にあたる92万3千人(2021年3月31日現在)がウガンダに逃れています。


彼らの中には避難後も、衣(医)食住・教育など「人間としての基本的ニーズ」を満たす生活が困難な人々がたくさんいます。


これまで紛争主体が停戦に合意しては対立が続き、内戦を繰り返してきた南スーダンにとって、完全な和平の実現、国内経済の回復、難民の早期帰還は今なお難しいことが予想されます。


2020年からは、新型コロナウイルスの影響により、多くの南スーダン難民が経済活動を制限され、日々の収入を失いました。国連の食糧援助も40%削減され、生活に基本的なニーズを満たすことが、さらに困難になりました。


(参照:外務省、UNHCR、日本平和学会、アルジャジーラ)

テラ・ルネッサンスの活動


テラ・ルネッサンスは、南スーダン難民が多く流れこむ、ウガンダ北部のパギリニア難民居住区において、2017年から緊急人道支援を開始し、2018年からは南スーダン難民とホストコミュニティの最貧困層に対する自立支援プロジェクトを実施しています。


南スーダンの情勢が安定しないため、望んでも自国に帰れない状況がまだまだ長引きます。そこで、食料配給のみに頼らず、中長期的な仕事を持って自立した生活を送るには、スキルが必要です。そのため、私たちの活動では、南スーダン難民とそのホストコミュニティに対して、現地で需要のある洋裁、編物、木工大工、レンガ積み工、養豚、溶接の6分野の職業訓練を実施しています。

テラ・ルネッサンスの活動

ウガンダ北部にあるパギリニア難民居住区の様子。
 

これまでに108名(第1期、第2期)が職業訓練を通して技術を身につけ、自立の道を歩んでいます。そして現在、90名(第3期)が職業訓練に励んでいます(2021年7月終了)。


2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの訓練生や卒業生が経済活動の制限を受け、日々の収入を得ることが困難になりました。「ウイルスの前に、失業に殺される。」そう言われるほど、人々の暮らしに追い打ちをかけました。


そこで、洋裁訓練を受けた訓練生に当会からマスク作りの仕事を提供し、完成したマスクを訓練生から買い取って、地域の住民やUNHCRなどの援助機関に配布する活動を始めました。訓練生の収入を生み出すと同時に、マスクを必要とする地域住民にも貢献する機会となりました。


新型コロナウイルス感染症による緊急支援について詳しくはこちらをご覧ください。

https://www.terra-r.jp/covid-19.html

「今の自分なら、食料支援に頼らなくても生きていける。」

「今の自分なら、食料支援に頼らなくても生きていける。」

写真左がルイスさん

『テラ・ルネッサンスの支援のおかげで、今は技術を身につけ、家族をサポートできるようになった。食糧支援は、悪いものではないけれど、いつ終わるかもわからない。でも今の自分なら、収入を得る技術があるから食糧支援に頼らなくても、自分で食糧を買えるよ!』(木工大工訓練・2019年10月) 


そう語ってくれた彼は、ルイスさんです。南スーダンでは学校に通い、父・母・兄弟と暮らしていましたが、紛争が始まり、2016年にパギリニアに逃げてきました。パギリニアに来てから2年間は、家族と離れ離れになってしまいました。

 

学校にも行けず、つらい生活をしていた時に私たちと出会い、訓練をはじめました。少しずつ、木工大工の技術を身につけて、現在は兄弟の学費、家族の医療費、食費をまかない、家族をサポートすることができています。

 

ルイスさんは、今の状況についてこう語ってくれました。

 

「テラ・ルネッサンスの訓練のおかげで、今は技術を身につけ、家族をサポートできるようになりました。食糧支援は、悪いものではないけれど、いつ終わるかもわからない。でも今の自分なら、収入を得る技術があるから食糧支援に頼らなくても、自分で食糧を買えるよ!」

 

テラ・ルネッサンスが支援において大切にしている、「自立」。物資支援に頼るのではなく、技術を身につけ、持続的に生活していける状態を目指しています。

 

私たちの大切にしている考え方を、訓練生自身が理解し、実践し、立派に自立していることは、この上ない喜びです。

「わたしはもう、大丈夫。」

「わたしはもう、大丈夫。」

自分で作った服を見せてくれるバーバラさん。

 

『私はもう大丈夫。もっと他の人への支援を続けていってほしい。』(洋裁訓練生・2019年10月)


自信に満ちた笑顔を見せてくれたバーバラさん。彼女は、5年前、たった二つの調理器具とマットレスだけを持って、私たちが活動するパギリニア難民居住区に来ました。

 

「パギリニアでの生活は大変でした。たくさんの人がいましたが、お店も、食べるものも、お金も、何もありませんでした。できることもなく、日々を暮らしていました。悪いことに、同じタイミングで感染症(コレラ)が流行し、多くの人が命を落としました。私の親戚も、命を落としました。」

さらに、苦しい生活のストレスから、バーバラさんの夫は、バーバラさんに暴力をふるうようになっていきました。私たちと出会ったのは、生活が厳しくなり、赤ちゃんの体を洗うための石けんも買えずにいるような時でした。

その時のことを、彼女はこう語っています。

「(当会での)訓練が始まるときはワクワクしていました。色んな種類のドレスデザインができるようになっていったことをよく覚えています。今は仲間とスキルをシェアしながら、訓練では習ったことがないようなカバンを作ることもできます。夫との関係性も改善し、家族を養えるようにもなりました。」

これからの目標は、自分自身のお店を開いて、家族で平和に仲良く暮らしていくこと。そのために、彼女の自立への道は続きます。

 

あらゆる危機に対応するための、しなやかな強さ


訓練生は、技術を身につけるだけではなく、訓練の過程で仲間や周囲との関係を構築し、訓練が終わった後も助け合っています。これも、私たちが大切にする考え方です。経済的な自立だけではなく、周囲との関係性を保ちながら、いざという時に頼れる先を持っておくことも強靭でしなやかな自立の形です。

ルイスさんやバーバラさんのように、さまざまな困難を抱えながらも、あきらめずに一歩を踏み出す強さ。


訓練を通じて自立し、あらゆる危機に対応できるようになる支援対象者の姿には、「どんな困難を抱えていても、人は立ち上がり生きていける」のだと、思い知らされます。

夏季募金キャンペーン2021『それでも、一歩を。』実施中!

夏季募金キャンペーン2021『それでも、一歩を。』実施中!


パギリニア難民居住区には、まだまだ支援を求めている人がいます。続くコロナ禍や紛争の情勢からも、まだまだ支援が必要です。


テラ・ルネッサンスでは、7月15日から8月31日まで、夏季募金キャンペーンを実施しています。ウガンダの南スーダン難民の方への支援に加えて、カンボジア、ラオス、コンゴ、ブルンジの紛争被害者の方のための支援のために、この期間に【1,200万円】のご寄付が必要です。


もともと紛争や災害によってたくさんの問題を抱えている人々に対し、新型コロナウイルス感染拡大による影響は、そんな人々のささやかでも希望を持った一歩を踏みにじるような、本当に厳しく、苦しいものです。


それでも、彼ら・彼女らも、私たちも、「一歩」を踏み出し、積み重ねていくことができる。テラ・ルネッサンスが20年間活動する中で見てきた希望が、私たちにそう信じさせてくれます。

ぜひ、その「一歩」に寄り添う支援に、寄付という形で、ご協力いただけますと幸いです。


認定NPO法人テラ・ルネッサンス

理事長 小川 真吾

 



外部サイト「ふるさとチョイス」に移動します

▼テラ・ルネッサンス夏季募金キャンペーン2021についてはこちら
https://www.terra-r.jp/kakibokin2021.html

その他のブログを見る

  • facebook
  • twitter

お問い合わせはこちら

メニュー閉じる