【カンボジア】農業の先生、活躍!他NGOと協働することで見えたこと
【2023年6月 活動レポート/カンボジア】

カンボジア、バッタンバン州カムリエン郡ロカブッス村では、2018年からアグロエコロジー*の考えに基づいたモデルファームを運営しています。
モデルファームは、農業の専門家が、野菜づくりや家畜の飼育、コンポストなどの有機肥料作りを実践し、その知識と技術を、若い人財や地域の人が学びにくることができる場所です。
この農業専門家の知識を、カンボジアの農家さんや若い人たちに伝えていくのが、カンボジア事業の目標のひとつです。
*アグロエコロジー・・・生態系と調和を保ちながら作物を育てる方法。環境面だけでなく、社会、経済、文化の多様性、生産者と消費者の主体性の向上を目指すもの。(参考:https://bit.ly/3PvKHQf )

そんなモデルファームでの活動について、今月は嬉しい動きがありました。
同じくカンボジアで活動するNGO、国境なき子どもたち(KnK)さんが、「私たちが実施するワークショップで、農業の専門家にぜひ話をして欲しい」と申し出て下さったのです。
KnKさんは、学校を中退した子どもたちや若者に対して、教育や職業訓練の機会を提供されています。活動する中でわかったことは、「子どもたちは勉強をしたり職業スキルを学びたいにも関わらず、子どもの保護者たちが教育の重要性を強く認識しておらず、子どもを農作業などの仕事に行かせてしまっているケースも少なくない」ということです。
保護者の多くは農家であり、それぞれ農業に関する悩みも抱えていらっしゃいます。そこで、農業のコツやアドバイスと一緒に、教育の重要性を伝えることで、より関心を持ってもらいやすくなるのではないかと、テラ・ルネッサンスにご連絡いただいたのでした。
6月8日、バンテアイミエンチェイ州コブ郡モッケーン村にある小学校で、テラ・ルネッサンスの農業専門家がワークショップに登壇しました。



他のNGOの活動に呼んでいただくのは初めてのことでしたが、この日を通じて、大きな発見がありました。それは、このような協働が、私たちが目指す目標に近づくためにも有効だということです。
農業専門家がもつ知識は、カンボジアの土地や自然、伝統文化といった「地域にあるもの」をベースに培われたものです。種や肥料、農薬の購入により採算が合わず、借金を抱えたり、土地を失ったりする脆弱な農家がいる中、私たちはこの知識を、より多くの農家や次の世代に伝えていくことが重要だと考えています。
今回のように他NGOや企業・教育機関などと協働することで、より広い地域と世代、そして関心がある層に知識を伝えることができますし、情報交換などの相乗効果も生み出せるとても良い方法だと感じました。まだ具体的な予定はありませんが、今後このような機会も増やしていきたいです。
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テラ・ルネッサンスのYouTubeでは、海外事業部からの動画レポートを配信しています。今、海外の現場ではどんな事業が進んでいるのか、どこで誰が頑張っているのか。
活動レポートを読んで、「もっと詳しく知りたい!」と思った方はぜひご覧ください。
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