養蜂シーズン到来!村の人たちで重箱式巣箱を作成
【アジアレポート/2018年11月_Topic03】
ラオスのシエンクワン県では、村の人たちが大忙しとなる稲作の収穫シーズンが終盤をむかえました。同時に、乾季の晴れの日が続くこの季節、ミツバチが巣箱に住み着くベストシーズン到来です。
ポンカム村では、村の大工さんであるカムシイー氏により重箱式(日本式)巣箱の作成が行われ、その重箱式巣箱をサンプルとして各家庭でもう1つの重箱式巣箱の作成が始まりました。
巣箱を作成するには力仕事となるため、女性やお年寄りなど家庭で巣箱の作成が難しい家庭は、村の大工さんに手伝ってもらうようお願いしています。村の人たちによる手作りの重箱式巣箱の完成が楽しみです。

ムアン村でも、全世帯分の29箱の重箱式巣箱が完成し、村の人たちに配布しました。ポンカム村と同様に、各家庭でもう一つの巣箱を作成してもらいます。
村の人たちに呼び掛けたところ「以前に配布してもらった木材と作成手順で、もう巣箱を作ったよ」という村人の心強い声がちらほら。
ラオスには元々の伝統巣箱をはじめ、ベトナム式やインド式など様々なタイプの巣箱があり、村の人たちはそれらを併用しています。
重箱式巣箱は他のタイプの巣箱に比べ作成手順が多いのですが、それでも作成しようという村の人たちのやる気と、重箱式巣箱への期待の高さを感じました。
重箱式巣箱の配布に伴って、ミツバチの誘引剤の設置方法について講習会を行い、各家庭に配布しました。

誘引剤とは、ミツバチが好む香りを染み込ませたもので、巣箱の入り口付近に取り付けることで、ミツバチが巣箱に寄ってきて住まわせることを円滑にするものです。

各家庭に配布した誘引剤は、ラオスに元々あったものではなく、京都学園大学の坂本教授が様々な実験や調査を重ねられて開発された「キンリョウヘン」というランの花の一種の香りを使用したものです。
この誘引剤がラオスの村々でどのように効果を発揮するのか。今年のミツバチ移住(巣箱へ住み着く)シーズンを実りあるものにしてもらいたいと願いつつ、今後も各村へのフォローアップを続けていきます。
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記事執筆/
アジア事業部
鎌田 久美子