彼女が彼女自身を変えた。
人一倍強い意思。

南スーダン・東エクトリア州出身の、スーザンさん。彼女は、2人のお子さんを南スーダンで授かり、農業を生業として生活を送っていました。お姑さんや夫の兄弟らから敬遠され、夫と一緒に住むことができませんでした。
2016年8月に、ジュバという町からやってきた兵士が彼女の住んでいる村を襲いました。彼女は、生きるためには、逃げることを余儀なくされ、家族と共にウガンダに逃げ込みました。
ウガンダに入った後の生活は、特に厳しいもので、収入や支給される食糧はほんの僅かでした。体調を崩したとき、薬を購入できるだけのお金がないので、支給される食糧を売って現金を得ることもあったそうです。
さらに、母親が他界したり、夫がスーザンさんではない別の女性の方にお金を使っていたりと、精神的なダメージは相当のものでありました。
そんな彼女が、テラ・ルネッサンスが実施する、洋裁技術の訓練事業に参加しました。
最初は、子どもを育てながら訓練を受けることに対して不安もあったと彼女は言います。しかし、子どもたちと安心して生活を送りたいという彼女の意思は人一倍強いものでした。その意思の強さこそが、彼女自身を突き動かしました。
訓練を通じて、「ひとり1人に未来をつくる力がある」という、テラ・ルネッサンスが大切にしている精神がスーザンさんに伝わり、未来に対して希望を抱きながら訓練に励むようになりました。
そして、現在彼女は、訓練所を卒業し、3人の子どもを育てながら、培った洋裁の技術をさらに磨いています。
他に、テラ・ルネッサンスが大切にしているキーワードがあります。それは、「オーナーシップを持つ」ということ。オーナーシップをもつのは、いち主体者だけではありません。私たち、現地のスタッフ、そして、支援している方々。
スーザンさんは、まさにオーナーシップ、つまり大きな情熱と責任感をもって、日々仕事に取り組んでいます。
弊会ウガンダ事務所スタッフの鈴鹿がこんなことを言っていました。
「スーザンさん自身が彼女を変えたんだ。」と。
紛争を目の当たりにしたこと、家族との関係が上手くいかないこと、子どもの面倒を見ながら仕事に取り組むこと。こんなにも幾多の困難がありながらもスーザンさんは誰よりも力強く生きています。未来を作るという意志の強さを示し続けています。

先日、彼女は、10人の仲間と共に、洋裁のお店を開業しました。このお店は、テラ・ルネッサンスが建設し、作業に必要な布やハサミ等の提供も行っています。さらには、彼女ら自身ができることを増やすため、会計の仕方や注文内容のまとめ方といった部分までレクチャー及びサポートを行っています。
このサポートが意義あるものになっているのは、何よりも、スーザンさんのように情熱をもって仕事に取り組み、自ら明日を切り拓こうとする姿勢です。

彼女は、きっとこれからも、愛する子どもたちのため、そして、彼女自身のために、真摯に仕事に取り組んで行くでしょう。そして、その姿勢が一緒に仕事をする同志やこれから訓練所を卒業していく後輩たちに素晴らしい影響を与えるのではないかと思います。
テラ・ルネッサンスでは、現在、冬季募金キャンペーンを実施しています。皆さんから頂いたご支援は、スーザンさんのように、厳しい現実を経験しながらも、力強く生きる方々のために大切に使わせていただきます。長期的な収入向上をサポートするにはみなさまのお力が必要です。冬季募金へのご参加・ご支援、心よりお願い申し上げます。
▼キャンペーンの詳細はこちら▼
https://www.terra-r.jp/tokibokin2018.html