社会復帰をめざすウガンダ元子ども兵
ウガンダの過去と現在の課題

アフリカ東部に位置するウガンダは、かつてイギリス首相チャーチルに「アフリカの真珠」と呼ばれたほどの美しい自然を持つ国です。さまざまな生物が生息しており湿地での野鳥観察やサバンナでのサファリでは圧巻の自然を感じることができます。
そんな「アフリカの真珠」ウガンダが抱える課題は、元子ども兵の社会復帰です。子ども兵とは、軍隊に所属する18歳未満の子どものことをいいます。世界で少なくとも25万人以上いるといわれている言われている子ども兵。ウガンダも子ども兵の問題を抱える国の一つです。

1980年代後半から内戦が始まったウガンダでは、反政府組織「神の抵抗軍(LRA:Lord’s Resistance Army)」と政府軍が20年以上にわたって戦闘を繰り広げてきました。
そして「神の抵抗軍」によって3万人以上もの子どもたちが誘拐され、子ども兵にされました。
子ども兵と聞いて、多くの方が男の子の兵士を想像されると思います。しかし、子ども兵には女の子の兵士もいます。男の子であれば戦闘の最前線に駆り出され、女の子であれば兵士と強制結婚をさせられる場合があります。ウガンダでは現在停戦はなされているものの、多くの元子ども兵が社会復帰が困難な状況に置かれています。
ではなぜ、元子ども兵は社会復帰が困難になってしまうのでしょうか。軍での壮絶な経験によって、精神的・肉体的なトラウマを抱えていることがその理由の一つです。軍の兵士は、子ども兵を扱いやすくするために子ども兵が生まれ育った村を襲わせることもあります。人々を自らの手で傷つけてしまった子どもたちの心には大きな傷が残っています。
下の絵は元子ども兵が描いた絵です。家が燃え、人々が犠牲になっている様子が描かれています。このような光景を実際に目の当たりにした元子ども兵の心の傷は計り知れません。

また、地元の村々での襲撃にも加担させられてきた元子ども兵たちは、帰還後、地域住民から加害者とみなされ憎しみの対象になることもあり、社会的にも脆弱な状況に置かれてしまいます。そのため、元のコミュニティに戻ることができない元子ども兵もいます。
そしてその他の理由として、長い間教育を受けることができなかったために職に就くための技術を持っていないことが挙げられます。幼い頃に誘拐された子どもたちの中には10年以上もの間、軍に拘束されている子どもたちがいます。彼ら、彼女たちは戦うことしか教えられずに子ども時代をずっと子ども兵として過ごしてきたのです。
このような元子ども兵たちに対し、テラ・ルネッサンスでは、「3年間で元子ども兵が社会復帰するために、必要な能力を身につけ経済的に自立すると共に、地域住民との関係を改善しながらコミュニティで安心して暮らせるようになる」という目標を掲げて社会復帰支援プロジェクトを行っています。
プロジェクトでは、木工大工や洋裁のクラス、平和学習の授業を開講するなどして元子ども兵たちの社会復帰を支援しています。

テラ・ルネッサンスは現在「冬季募金キャンペーン」を実施しています。ウガンダの人々の社会復帰へのご支援を、何卒よろしくお願いいたします。
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