方向性を確かめ合った、受益者の家庭訪問
【 アフリカレポート/2018年10月_Topic01 】
ブルンジにて、2018年4月から開始した、自立と自治支援プロジェクト。
受益者選定の際に、プロフィール調査を行ったのですが、より個々人の状況を把握するため、家庭訪問を行い、受益者本人と家族との面談を行いました!

【写真:家庭訪問の様子①】
個々人の家庭の状況を聞きつつ、テラ・ルネッサンスが行っていること、施設での訓練期間は3月までで、その後はビジネスを開始するため、生活支援もなくなるため、家族の理解と協力もより必要になってくることなどを伝えました。

母親、きょうだい、母親のきょうだいと一緒に暮らすパスカルは、小学校2年生で中退しました。
昨年から 日中は水汲みなどの日雇い労働を探し、近くの街の中心地の空き家で寝泊まりをするようになり、3ヶ月間家族が彼の姿を全く見ないこともあったそうです。
母親は家に戻ってくるよう伝えましたが、「家は雨漏りがするので嫌」と断られてしまいました。
現在、パスカルは洋裁と養蜂を学んでいます。
将来パスカルにどのようになってほしいか聞くと、
母親は、「パスカルには自分自身で食べるものも得て、良い生活をしてもらいたい」と願っており、パスカル自身も「路上での生活に戻るのではなく、役に立つ洋裁スキルを習得して、得られた収入で母親のために服を買ったり、家族を助けたい」と語っていました。
現在、パスカルら元ストリートチルドレンの受益者は、自宅が遠いため施設の近くに家を借りて共同生活をしていますが、4月からビジネスを開始するときは、自宅に戻ることになります。その点も、母親は歓迎してくれました。

【写真:パスカルの家庭訪問の様子】
家庭訪問を通して、スタッフも受益者が置かれている状況をより把握することができ、個々人が抱える異なる問題や、置かれている状況の深刻さにも差異が見られることが理解できました。
プロジェクトでは、対象者がスキルを得て収入を向上して基本的なニーズが満たせるようになると共に、周囲との関係を強化することにも重きを置いています。
受益者の多くは家事や稼ぎ手としての役割を家族から期待されており、訓練に参加することで十分その役割を果たされていないと非難されることもありました。
しかし、訪問を通して、今本人がしていることは将来、自分自身で収入を得られるようになるためだと知ってもらい、多少なりとも理解が得られたと共に、受益者本人や家族との継続的な対話の必要性を感じました。
余談ですが、家庭訪問をするとき、みんな嬉しそうに家を案内していて、自身が子どもの頃、小学校の先生が家庭訪問する際、照れ臭いけど嬉しかった感情を思い出しました(笑)
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記事執筆/
アフリカ事業サブマネージャー
古岡 繭