インターンは見た!〜 kiyotoの視察記 vol. 3 ブランディングワークショップ編〜
◆ 朝の登山
みなさん、こんにちは。8月末よりカンボジア事務所でインターンをしている名倉です。
さて、シリーズ、kiyotoの視察記シリーズも後半戦です。シリーズの目的はこちらから。
https://www.terra-r.jp/blog/20181106.htmlvol. 3 では今回の出張の一番の目的であったブランディングワークショップをお届けします。
月次レポートでは、ワークショップを経た小田より、その感想を報告しています。そちらも合わせて御覧くださいませ…!
https://www.terra-r.jp/blog/20180920.html
さて、出張二日目の朝は山登りでスタート。せっかくだから、とカンボジア事務所長の江角が案内してくれました。
タイの国境まで見晴らせる景色。風が気持ちいいです。朝のいい運動…というには少々、道程がハードすぎましたが(笑)

◆ ブランディングワークショップ開始
マーケットで腹ごしらえをしたら、そろそろワークショップのスタートです。
開始1時間前から、参加者のみなさんが集合し始めていらっしゃいます。

ワークショップの対象世帯は、JICA草の根パートナー事業「カンボジア地雷埋設地域の脆弱な障害者家族への生計向上支援プロジェクト 」において、今年度からハリナシミツバチの養蜂にチャレンジし始めた方々です。
今回のワークショップの目的は、自分たちが採蜜しているはちみつが、実際にマーケットに並ぶまでのイメージをもってもらうこと。実際に手を動かし、商品のデザインを考えてみます。

【 市場調査で紹介した商品たちも、イメージを持ってもらうために並べています 】
まずは、昨年度末に実施した前回のワークショップの振り返りを行います。
前回のワークショップでは、参加者の皆さんとのゆるやかな対話を通じて、ブランディングの際にメインとなりそうな素材を探しました。
外側から押し付けられた養蜂事業とそのブランディングにならないためにも、対話の時間をとって、養蜂事業対象者の皆さんに「なぜ自分たちは養蜂をするのか」「自分たちにとって養蜂とは何か」を落とし込んでもらう目的もありました。
ハチミツをつくるってどういうことだろう?ハチミツづくりを通じて、最終的にどんな将来を描きたい?この土地の誇りって?等々の質問から、土地の名前の由来である「カムリエンの木」の話になった途端、皆さんの熱量が変わったのを、小田さんははっきりと覚えているそうです。
カムリエンの木は良い材質であったために、伐採されて輸出され、現在ではほとんど見られなくなってしまいました。
しかし、参加者の皆さんは、この土地の由来である「カムリエンの木」に今でも特別な想いを持っています。

◆ デザインを作ってみよう
前回のワークショップで「カムリエンの木」が出た経緯を振り返り、ブルンジ事業のブランディングワークショップの様子を見てイメージを掴んだら、さっそく作業にに取り掛かります。
折り紙や模様紙、ペン、テープ、タグ…
何を使おう…と初めは少し戸惑っている様子の皆さん。

ペンを使って絵を描いている方、文字を書いている方が多いようです。

開始から数十分後には、予定の時間をオーバーするほど、熱中しておられました。

◆ それぞれのデザインに込めた想い
お昼休憩を挟んだ後は、それぞれのデザインに込めた想いを簡単にプレゼン。
「カムリエンの木」を描いている方が多くいらっしゃいます。昔はこの木にもたくさんの蜂が集まっていたのだといいます。

「山と朝日を書きました。朝日のようにこのブランドも有名になってほしいなという想いを込めて。」

村にある川をいれたのだ、という方も。何度も通っている橋から見えますよ、と泰さんに説明され「え、どの川だろう…」と気になる小田です。

蜂だけでなく、それを生かしている草木や森、山など、カムリエンの自然を入れたいという思いが伝わってきました。
参加者のみなさんからは「どんな情報を掲載すべきか、ふだんは意識したこともないので、考えるのが難しかった。」「こんな風に商品になっていくんだなということが知れて、これからのイメージを持つことができた。だから、これからもっと、蜂の世話をがんばろうと思う。」との感想を頂きました。
日々の養蜂の仕事に向き合うみなさんにとってもマーケティングを進めていくテラ・ルネッサンスにとっても、意義のあるワークショップとなりました。


【 作品たち!木や山の絵が多い 】
正直、ワークショップ直後は、多少気を遣って良い感想を言ってくれたんじゃないだろうか…?みなさんはブランディングに本当に積極的に参加できているだろうか…?と少しだけ心配になる私もいました。
しかし翌週、参加者の方の世帯を訪問した際に、順調に蜜が集まっている様子を見せて下さり「蜂の世話をがんばろうと思う」という言葉は、決してその場限りの感想ではなかったのだと知りました。

【 1箱目はもうぎっしり。2箱目をつくることができそうです 】
このようなブランディング事業で、NGO側は(デザインを含む)マーケティングのどのような部分を担い、いつまでその運営をしていったらよいのでしょうか。
主導しすぎて、依存させてしまうのではなく、パートナーとして自立と自治を支えるためには、具体的にどのような関わり方をしていけばよいのでしょうか。
ブルンジの養蜂事業の様子を直接には知らない私は、カンボジアでの養蜂事業のこれからが楽しみでもあり、同じようにうまくいくのか、少し緊張もしています。
カンボジアの養蜂事業は、これから具体的な商品デザインの検討へと進んでいきます。現地事務所でのインターン期間を通じて、当会の段階ごとの関わり方をよく見て学んでみたい、という想いを強くしました。
さて、本連載も、次回の記事でラストを迎えます。次回は、ワークショップに参加してくれた方のハリナシミツバチの様子を視察します。
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記事執筆/
PR・カンボジア事務所インターン
名倉 早都季