シロアリを撃退⚡ 緊急分蜂作業…!
【アジアレポート/2018年10月_Topic03】
カンボジアにおける、JICA草の根パートナー事業「カンボジア地雷埋設地域の脆弱な障害者家族への生計向上支援事業」では、事業対象者100世帯のうち、5世帯がハリナシミツバチの養蜂を実施しています。
農作業に比べてそれほど重労働ではない養蜂を、長時間の重労働が困難な地雷被害者の方の収入源の一つにするという目的があります。
カンボジアでは、医薬品として重宝される蜂蜜。
特にハリナシミツバチの蜂蜜には、”天然の抗生物質”と言われるプロポリスが含まれおり、それを飲むハリナシミツバチは、病気フリーの動物だと言われています。この物質は、人間の健康の促進にも役立つのではと考えられています。
対象地域のカムリエン郡と国境を接するタイのチャンタブリ県では、すでに多くのハリナシミツバチの養蜂がなされ、その蜂蜜は通常の蜂蜜よりも高価に取引されています。

【 農業指導員に相談中の受益者 】
これから始まる乾季の養蜂シーズンに向け、巣箱の様子を見回りにいくと、ソム・ヴゥーンさんの巣箱がシロアリに侵食されていました。
このままでは、せっかくの養蜂シーズンに巣箱がシロアリに破壊され、十分な蜜を集められません。
そこで、受益者とカウンターパートの現地NGO、CRDNASEの農業専門家とが協力し、緊急でシロアリを撃退することに。

【 シロアリは家畜銀行で増やした鶏が美味しくいただきました 】
同時に、1つ目の巣箱が既に満タンになっていたため、来月に予定していた分蜂作業も行ってしまいました。

【 刺しはしませんが、近くにいると噛まれて痛いです… 】
既に巣箱には蜜がたまっており、採蜜もできました。
ミツバチが集蜜する草木が異なれば、蜜の味は異なります。つまり、各世帯で少しずつ違う味の蜂蜜ができるということです。
このソム・ヴゥーンさんのハチミツは、さっぱりとしていて、少し苦味の混ざる味がしました。

【 お皿の縁にいるのは、ハエではなくハリナシミツバチです 】
事業地であるこのカムリエンの地で採れた蜂蜜は、商品化に向けて、現在ブランディング事業が進行中です。
ハリナシミツバチ養蜂の試みも今年で二年目を迎えます。地雷被害者の方が安定的な収入を得られるよう、引き続き、養蜂の技術サポートとブランディングを進めていきます。
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記事執筆/
カンボジア事業インターン
名倉 早都季